時期と作業を分ける
剪定は新芽が伸びる前の三月から四月と、伸びが落ち着く九月から十月の二回が基本です。真夏の剪定は切り口が日焼けし、蒸れの引き金にもなります。真冬は切り口が寒さで傷みます。春は形を作る剪定、秋は伸びた分を整える軽い刈り込みと分けると、株への負担が少なくなります。
| 時期 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 3月〜4月 | 形を作る剪定、芯止め | 新芽が伸びる直前に |
| 6月 | 伸びすぎた枝先の軽い摘み取り | 梅雨前に風通しを作る |
| 9月〜10月 | 伸びた分を整える刈り込み | 残暑が過ぎてから |
| 11月〜2月 | 枯れ枝取りのみ | 強い剪定はしない |
葉のある所で止める
コニファーの多くは、葉のない古い枝を切ってもそこから芽が出ません。刈り込みで深く切りすぎると、その部分が茶色い空洞になったまま埋まらないことがあります。切るときは必ず緑の葉が残る位置で止め、内側の茶色い部分を出さないのが原則です。一度に切るのは全体の三分の一までにします。
- 枝を広げて内側を見る
- 外から見ると緑でも、内側は葉のない古枝です。枝を広げて緑の葉がどこまで付いているか確かめ、その手前で切る深さを決めます。
- 枝先を摘んで揃える
- 軽い整形なら、伸びた枝先を指で摘み取る「摘み取り」で十分です。はさみの跡が残らず、切り口が茶色くなりません。
- 太い枝は付け根で抜く
- 混み合った太い枝は、途中で切らず付け根から切り取ります。途中で切ると芽が出ず枯れ枝になり、姿を乱します。
- 一度に三分の一まで
- 全体の三分の一以上を一度に切ると、株が弱って回復に数年かかります。形を大きく変えたいなら、二〜三年に分けて切ります。
金属ばさみで切り口が茶色くなる品種
ゴールドクレストなど葉の柔らかい品種は、金属のはさみで切ると切り口が茶色く変色して目立ちます。葉の水分と金属が反応するためで、指で摘み取るか、セラミック製のはさみを使うと防げます。ニオイヒバやヒノキ系は金属ばさみでも変色が少なく、生け垣ばさみでの刈り込みに向きます。
| 品種の系統 | 向く道具 | 理由 |
|---|---|---|
| ゴールドクレスト、モントレーイトスギ系 | 指、セラミックばさみ | 金属で切り口が茶色くなる |
| ニオイヒバ系、ヒノキ・サワラ系 | 剪定ばさみ、刈り込みばさみ | 変色が少なく刈り込みに耐える |
| ビャクシン系 | 剪定ばさみ | 枝が固く指では摘めない |
| トウヒ・モミ系 | 剪定ばさみ (新芽のみ) | 古枝からは芽が出ない |
芯止めで高さを抑える
円錐形の品種は、頂点の芯を切ると高さを抑えられます。芯を切ると周りの枝が代わりに立ち上がるので、その中の一本を新しい芯として残し、他は切り詰めます。芯を止める高さは目標より三十センチほど低くしておくと、伸びた分で目標の高さに収まります。
- 春の芽が動く前に切る
- 三月に、目標より三十センチ低い位置で芯を切ります。切り口のすぐ下に緑の葉があることを確かめてから切ります。
- 新しい芯を一本決める
- 切った後に立ち上がる枝から、最も真っすぐな一本を残して支柱に結び、他の立ち枝は切り詰めます。二本残すと先が割れた姿になります。
- 毎年同じ高さで止める
- 一度止めても翌年また伸びます。毎年春に同じ高さで切る習慣にすると、太い切り口を作らずに済みます。
生け垣の刈り込み
生け垣は年に二回、春と秋に面を整えます。上を狭く下を広くする台形に刈ると、下枝まで日が当たって株元が枯れ上がりません。上を広く刈ると下が日陰になり、数年で足元がすかすかになります。刈り込みばさみは刃を寝かせ、面に沿って動かします。
刈り込みを始める前に、生け垣の中に鳥の巣がないかを確かめます。春から初夏は営巣期で、巣があれば巣立ちまでその部分の刈り込みを後回しにします。
- 側面から刈る
- 先に側面を下から上へ、わずかに内側へ傾けて刈ります。ひもを張って面の目安にすると、まっすぐそろいます。
- 最後に上面を刈る
- 側面を決めてから上面を刈ります。上面は目標の高さより少し低めにし、伸びた分で高さがそろうようにします。
- 刈りかすを取り除く
- 刈った葉が枝の間に残ると蒸れの原因になります。手で払うか、ほうきでなでて落とし、根元に残さず集めます。
切りすぎて空洞ができたときの立て直し
刈り込みで葉のない部分が露出すると、そこは自力では埋まりません。周りの枝を伸ばして覆うのが唯一の戻し方で、空洞の周囲の枝を切らずに伸ばし、麻ひもで空洞の方へ軽く寄せます。二〜三年で目立たなくなりますが、大きな空洞は埋まらないこともあります。
| 状態 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 刈った面に茶色い穴が開いた | 葉のない所まで切った | 周囲の枝を伸ばして寄せ、ひもで覆う |
| 切り口が茶色く目立つ | 金属ばさみで柔らかい葉を切った | 指で摘み直し、以後はセラミックか指で |
| 先端が二股に割れた | 芯止め後に立ち枝を二本残した | 細い方を付け根で切り、一本にする |
| 株元がすかすかになった | 上を広く刈って下が日陰 | 台形に刈り直し、下枝に光を入れる |
コニファーの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
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