株元の分けつは取らない
株元から出る太いわき芽(葉のつけ根から出る芽)は分けつと呼び、そのまま残します。取る理由がないどころか、取ると損をします。トマトやナスのわき芽かき(余分な芽を根元から取ること)と同じつもりで扱わないでください。
分けつの付け根からも根が出て株を支えるため、倒伏しにくくなります。葉の数が増えるぶん光合成量も増え、雌穂に送る糖の量が上がります。
- 残してよい
- 株元から出て斜めに立ち上がる太い芽。数本出ても放置します。切ると切り口から病気が入る危険だけが増えます。
- 手を入れる場合
- 分けつの先に雌穂が付いたときだけ、その雌穂を取ります。芽そのものは残したまま、穂だけを摘み取ってください。
- 取ってよい芽
- 折れて垂れた芽や、病斑の出た葉だけは元から取ります。それ以外に切る理由はなく、迷ったら残すのが正解です。
分けつが多い株は生育が良い証拠です。栄養が取られていると考えて切るのは、この作物では逆効果になります。
追肥は2回、時期を外さない
肥料を欲しがるのは、体を作る時期と穂を作る時期の2回です。特に2回目を外すと、穂の先端まで粒が入らず先端不稔になります。
- 施す位置
- 株元ではなく条間へまき、軽く土と混ぜて土寄せ(株元へ土を寄せること)を兼ねます。根は株元から横へ広がっているので、そこに置くほうが効きます。
- やりすぎの害
- 窒素が多いと葉ばかり茂って倒伏し、雌穂の充実が遅れます。葉色が濃く厚いなら2回目を減らします。
| 回 | 時期の見分け方 | 量のめやす |
|---|---|---|
| 1回目 | 草丈40から50センチ、本葉5から6枚 | 1平方メートルあたり化成肥料30から50グラム |
| 2回目 | 株の先端に雄穂が見えはじめたころ | 同量を株の列に沿って |
| 追加 | 葉色が薄く穂が細いとき | 少量を1回だけ、絹糸が出る前まで |
雄穂が出たあとの追肥(育てている途中で足す肥料)は効きません。絹糸が出てからでは穂の大きさは決まっており、肥料は倒伏を招くだけです。
土寄せで倒伏を防ぐ
草丈が2メートル近くになるうえ、根は浅く広がります。梅雨明けの夕立と台風で倒れるのはこの構造のためで、倒伏対策は追肥のたびの土寄せが基本です。
- 1回目の土寄せ
- 1回目の追肥と同時に、条間を軽く耕して株元へ5センチほど寄せます。地際から出る支柱根が土に入りやすくなります。
- 2回目の土寄せ
- 雄穂が見えたころにもう一度、しっかり寄せます。この時期を過ぎると根を切る危険が高くなるので、以後は触りません。
- 倒れてしまったら
- 根が切れていなければ、その日のうちに株を起こして株元へ土を寄せ直します。翌日には先端が立ち上がり、収穫までは持ちます。
マルチを張っている畑は土寄せができません。そのぶん株間を詰めすぎない、窒素を効かせすぎないで倒伏を防ぎます。
除房して1株1本にする
1株に雌穂は2本から3本つきますが、残すのは最上部の1本だけです。分散した養分では、どれも小さく粒のそろわない穂になります。
残すのは、最も上について、いちばん早く絹糸を出した穂です。下の穂は上より数日遅れて出るので、迷ったら位置で判断できます。
- 外す時期
- 絹糸が出はじめたころに行います。早すぎると上の穂の良し悪しが分からず、遅いと下の穂に養分が回ったあとになります。
- 取り方
- 下の穂を手で下向きに押し下げ、皮ごと外します。茎を傷つけないよう、無理なら根元をはさみで切ります。
1株から大きい穂を2本穫ろうとして両方残すと、両方とも小ぶりで粒の入りが悪い穂になります。
取った穂はヤングコーンになる
除房で取った2番目以降の穂が、そのままヤングコーンです。店で買うと高いものが、この時期にだけ株数の分だけ手に入ります。捨てずに使ってください。
- 取るタイミング
- 絹糸が出て数日以内、穂の長さが7から10センチのころ。大きくしすぎると芯が硬くなって食べられません。
- 食べ方
- 皮ごと焼くか、皮をむいてさっとゆでます。ひげも若いうちは一緒に食べられます。日を置くと甘みが抜けるので、その日のうちに使います。
- 何本取れるか
- 1株から1本から2本。10株あれば十分な量になります。収穫は数日のうちに集中するので、当日の献立を決めてから外します。
ヤングコーンを大きくしようと遅らせると、残した本命の穂の充実が落ちます。あくまで副産物として早めに外します。
水切れと乾燥
乾燥に弱くなるのは、雄穂が出てから収穫までの3週間ほどです。この時期に水切れすると絹糸の伸びが止まり、受粉できずに歯抜けになります。
| 生育段階 | 水やりの考え方 |
|---|---|
| 発芽から本葉4枚 | 乾いた日が続くときだけ。過湿は根を痛める |
| 草丈40センチから雄穂 | 畑なら基本は不要。土が白く乾いたら |
| 雄穂から収穫まで | 晴天が続けば3日に1回、株元へたっぷり |
| プランター | この時期は毎日、底から流れるまで |
葉が日中に巻いて筒状になるのは水切れの合図です。夕方に開いて戻っていても、その日のうちに水を与えてください。
育ちがそろわないときの切り分け
同じ日にまいたのに背丈が揃わない、穂が太らないという相談はよくあります。スイートコーンは肥料と水を大量に使う作物なので、原因のほとんどは肥料切れ、株間、水切れのどれかに行き着きます。
見るのは草丈ではなく葉です。下の葉から黄色くなるなら肥料切れ、日中だけ葉が巻くなら水切れ、いつまでも細いままなら光と株間を疑うと外しません。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 下の葉から黄色く枯れ上がる | 肥料が切れている | 雄穂が出る前に追肥を一度足す |
| 背が伸びず茎が細いまま | 株間が狭く光が足りない | 間引き、次からは30センチあける |
| 日中だけ葉が筒状に巻く | 水切れ | 絹糸の前後は毎日たっぷり与える |
| 風でまとめて倒れた | 根張りが浅い | 起こして株元に土を寄せ、水をやる |
| 穂が出ても太らない | 肥大期の水と肥料の不足 | 追肥と潅水を同じ日にまとめて行う |
倒れた株は折れていなければ実ります。抜かずに起こし、土を寄せてから支柱で列の外側を挟みます。
とうもろこし(スイートコーン)の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
とうもろこし(スイートコーン)の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はとうもろこし(スイートコーン)の育て方にまとめています。
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