まく時期は暦ではなく地温で決める
発芽の可否は地温で決まります。目安は最低地温14℃、そろって出るのは20から30℃です。10℃台前半でまいた種は発芽までに日数がかかり、その間に土の中で腐るか鳥に見つかります。
早くまきたいなら、地温を上げる手当てとセットにします。黒マルチを一週間前に張る、トンネルをかける、あるいは暖かい場所でポットにまいて苗をつくる。この三つのどれかがないと、暦だけ早めても意味がありません。
| 地域 | 直まきの適期 | 収穫のめやす |
|---|---|---|
| 暖地 | 3月下旬から5月上旬 | 6月下旬から7月 |
| 中間地 | 4月中旬から5月中旬 | 7月中旬から8月上旬 |
| 寒冷地 | 5月上旬から6月上旬 | 8月から9月上旬 |
3月から4月上旬にまくなら、マルチかトンネルが前提です。裸の地面に直まきする早まきは、寒地でなくても失敗します。
種まきの手順
畝と穴の準備
畝幅は条間60から80センチ、株間30センチで穴を空けます。あとで説明するとおり必ず2列以上にします。
1か所に3粒
深さ3センチほどの穴に3粒を離してまき、土をかけて手で軽く押さえます。押さえるのは種と土を密着させ、吸水をそろえるためです。
水は最初にたっぷり
まいた直後に土が湿るまでかん水します。以後は乾いた日が続くとき以外は与えません。過湿は種を腐らせます。
発芽の日数を数える
適温なら5日から10日で出そろいます。10日を過ぎても出ない穴は掘って確認し、種がなければ鳥、腐っていれば低温か過湿が原因です。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
1か所3粒は、発芽率の保険であると同時に間引きで良い株を選ぶためです。1粒まきだと欠株がそのまま収量減になります。
直まきとポット育苗の使い分け
根が太く直下に伸びるので、本来は直まきが向きます。ポットを使うのは、地温が足りない時期に前倒ししたいときと、鳥害がひどい畑で発芽期をまたぎたいときの二つに限ります。
- 直まきが向く場合
- 5月以降にまける、畑がすぐ使える、鳥の心配が少ない。根を切らないぶん初期の伸びがよく、倒伏にも強くなります。
- ポットが向く場合
- 4月より前に始めたい、または種が鳥に掘られる畑。9センチポットに2粒まき、本葉が2枚から2枚半のうちに植えます。
- 老化苗は使えない
- 本葉3枚を超えた苗は根が回り、植えても伸び悩みます。育苗期間は3週間前後を上限と考え、遅れたらまき直したほうが早いです。
ポット苗を植えるときは根鉢を崩さないこと。直根を切ると草丈が伸びず、雌穂も小さいまま終わります。
まいた種は鳥に掘られる
被害が集中するのは、まいた直後から本葉2枚までの二週間です。カラスとハトは土の中の種と、発芽したばかりの芽を狙います。芽が引き抜かれて穴だけ残っていたら鳥の仕業です。
- 不織布のべたがけ
- まいた直後に畝全面へ不織布をかけ、裾を土で押さえます。発芽して葉が押し上げるまで外しません。家庭菜園ではこれが最も確実です。
- テグスを張る
- 畝の上30センチほどの高さに細い糸を数本渡します。カラスは羽や脚が触れるのを嫌うので、覆えない広さの畑に向きます。
- ポットで逃げる
- 毎年やられる畑なら、発芽期を畑の外で過ごさせるのが結局早いです。本葉2枚で植えれば、鳥が掘り返す段階を丸ごと飛ばせます。
掘られた穴はまき直せば間に合います。ただし6月中旬を過ぎるまき直しは、受粉期が真夏の高温に当たりやすくなります。
ずらしまきで収穫期間を延ばす
同じ品種を一度にまくと、収穫適期の数日にすべてが集中します。家庭菜園なら二週間おきに二回から三回に分けてまくと、食べきれる量ずつ穫れます。
ずらす幅は二週間が目安です。一週間では生育が追いついて同時期になり、三週間以上あけると後半の株が高温期の受粉に当たって歯抜けが増えます。
| まき回 | 中間地の播種 | 収穫のめやす |
|---|---|---|
| 1回目 | 4月中旬(マルチ) | 7月中旬 |
| 2回目 | 4月下旬から5月上旬 | 7月下旬 |
| 3回目 | 5月中旬 | 8月上旬 |
ずらしまきで型の違う品種を使うと交雑します。区画を分けるか、同じ型でそろえてください。
間引きは1か所1本まで
草丈10から15センチ、本葉3枚から4枚のころに1本へ間引きます。2本立てにすると雌穂が両方とも小さくなり、粒の充実も落ちます。太らせるための株間30センチを、自分で埋めてしまうからです。
- 残す株の選び方
- 茎が太く、葉の色が濃く、他より少し低いくらいの株を残します。徒長(間のびして弱く伸びること)して背だけ高い株は倒伏しやすいので残しません。
- 抜かずに切る
- 残す株の根が動くので、引き抜かずに地際をはさみで切ります。トウモロコシの根は浅く広がるため、隣の株を痛めやすいのです。
間引き苗はヤングコーンにはなりません。この時期の株はまだ小さく、食べられる部分はできないので処分します。
発芽でつまずいたときの切り分け
まき直すかどうかは早いほど傷が浅く済みます。出そろわない原因は地温・鳥・水の三つで、まいた穴を掘り返して種がどうなっているかを見れば、その場でどれかに決められます。
種が残っていれば地温か水の問題、跡形もなければ鳥のしわざです。掘り返すのは芽の出ていない穴だけにして、すでに芽が動いている穴には触れずにおきます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| まいて10日たっても出ない | 地温が14度に届いていない | マルチを張り、出ない穴だけまき直す |
| 掘ると種が黒く腐っている | まいた後に水をやりすぎた | 水やりを止め、乾いてからまき直す |
| 芽の跡だけ残り種がない | 鳥に掘り返された | 不織布をかけ、本葉2枚まで外さない |
| 出た芽が黄色く伸びない | 水がたまり根が傷んだ | 畝を高くし、表土が乾くまで待つ |
| 1か所から2本出て細い | 間引きが遅れている | 太いほうを残し、細いほうを地際で切る |
まき直しの締め切りは、収穫したい月から逆算した播種日の2週間後までです。それ以上遅れるなら次の回にまとめます。
とうもろこし(スイートコーン)の種まきでよくある質問
とうもろこし(スイートコーン)の種はいつまく?
発芽の可否は地温で決まります。目安は最低地温14℃、そろって出るのは20から…。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
とうもろこし(スイートコーン)の種はどうやってまく?
直まき / 育苗が目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
とうもろこし(スイートコーン)の種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
とうもろこし(スイートコーン)の種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
とうもろこし(スイートコーン)は何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
とうもろこし(スイートコーン)の間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
とうもろこし(スイートコーン)の種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
とうもろこし(スイートコーン)の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はとうもろこし(スイートコーン)の育て方にまとめています。
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