つる性とつるなしで作り方が変わる
ササゲには長い支柱が要るつる性と、支柱なしで育つつるなし性があります。莢が三十センチ以上になる十六ササゲはつる性で、収穫期間が長く続きます。つるなし性は早く採れて場所を取らないので、プランター向きです。
赤飯に使う小豆に似た乾燥豆を取る品種もあり、これは莢が固くなるまで置いて完熟させます。同じササゲでも、若い莢を食べるのか乾燥豆を取るのかで、収穫の時期がまったく変わることを先に決めておきます。
| タイプ | 支柱 | 特徴と向き |
|---|---|---|
| つる性の十六ササゲ | 2メートル以上必要 | 莢が長く収穫期間も長い。畑向き |
| つるなし性 | 不要か短い支柱 | 早く採れて場所を取らない。プランター向き |
| 乾燥豆用 | 品種による | 莢が茶色く枯れるまで置いて豆を取る |
地温が上がってからまく
ササゲの発芽には地温二十度以上が要ります。四月にまいても寒さで腐るだけなので、関東の平地なら五月中旬から七月上旬が適期です。七月にまいても十分間に合うのが、この作物のありがたいところです。
むしろ、他の夏野菜の植え付けが終わって畑に空きが出るころにまくのがちょうどよいタイミングになります。梅雨の合間の晴れた日を選び、土が湿りすぎていないときにまくと、種が腐りにくくなります。
- 五月中旬まで待つ
- 地温が二十度を超えてからまきます。焦って早くまくと発芽せず、種が土の中で腐ってしまうだけです。
- 点まきで三粒ずつ
- 深さ二センチほどのくぼみを作り、一か所に三粒ずつ間隔を空けて置きます。株間は三十センチほど取ります。
- 二センチの土をかぶせる
- 土を戻して手のひらで軽く押さえます。豆は浅すぎると乾き、深すぎると芽が地上に出られません。
- まいた直後は水を控える
- 土が湿っていれば水やりは不要です。豆はまいた直後に水を与えすぎると腐りやすくなります。
- 鳥よけをかける
- 発芽したての双葉は鳥に狙われます。芽が出るまで不織布かネットをかけておくと確実に守れます。
湿った土に水を足すのが失敗のもとです。豆は自分の中に水を持っているので、まき時に土が湿っていれば与えません。
土作りは肥料を控えめに
ササゲはマメ科で、根に付く微生物が空気中の窒素を取り込みます。だから他の野菜ほど肥料は要りません。元肥(前もって入れる肥料)を入れすぎると、つるばかり伸びて花が付かないつるぼけになります。
一平方メートルあたり完熟堆肥を二キロ、化成肥料はひと握りの半分ほどで十分です。前作に肥料をたっぷり使った畑なら、堆肥だけで構いません。酸性の土は苦手なので、苦土石灰で整えておきます。
- 二週間前に石灰
- 苦土石灰を一平方メートルに百グラムまいて耕します。酸性の強い土では根に付く微生物が働きません。
- 元肥は控えめに
- 完熟堆肥を二キロ、化成肥料はひと握りの半分にとどめます。多いとつるばかり茂って花が付きません。
- 高畝で水はけを作る
- 幅六十センチ、高さ十センチほどの畝を立てます。水がたまる場所では根が傷んで枯れます。
- 日当たりを確かめる
- 一日中日が当たる場所を選びます。半日陰では花付きが悪く、莢の数が目に見えて減ります。
間引きと支柱の準備
本葉が二枚になったら、育ちのよい二本を残して一本を間引きます。マメ科は一か所二本立てにすると根が支え合い、風で倒れにくくなります。抜かずにはさみで地際を切ると、残す株の根を傷めません。
つる性を作るなら、間引きと同じころに支柱を立てておきます。つるが伸び始めてからでは根を傷めます。二メートル以上の支柱を合掌に組むか、ネットを張って、つるを絡ませる面を先に作っておきます。
- 本葉二枚で二本に
- 三本のうち最も弱い一本をはさみで地際から切ります。二本立てにすると株が互いに支え合います。
- 支柱を先に立てる
- つるが伸びる前に二メートル以上の支柱を立てます。伸びてからでは根を踏んで傷めることになります。
- ネットを張る
- 支柱の間に園芸用のネットを張ると、つるが自分で登ります。手で誘引する手間が大きく減ります。
- つるなしは支柱不要
- つるなし性は短い支柱を一本添える程度で足ります。莢が重くなったら株元に土を寄せて支えます。
発芽しないときの切り分け
豆類の発芽の失敗は、温度、水のやりすぎ、鳥のどれかがほとんどです。まき直しは七月上旬まで間に合うので、原因を確かめてからまき直します。
- 掘って種を確かめる
- 一週間たっても出ないときは掘ってみます。豆が黒くふやけていれば水のやりすぎか低温で腐っています。
- 双葉だけ消えた
- 鳥に食べられています。まき直して、芽が本葉を出すまでネットか不織布をかけて守ります。
- 芽が出るのがまばら
- 地温が足りていません。五月中旬以降にまき直すか、黒いマルチを張って地温を上げてからまきます。
- 芽が根元から切られる
- 夜に動く虫のしわざです。株元の土を二、三センチ掘って探し、見つけたら取り除きます。
種まきの手順
ササゲは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
ササゲの種まきでよくある質問
ササゲの種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
ササゲの種はどうやってまく?
点まきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
ササゲの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
ササゲの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
ササゲは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
ササゲの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
ササゲの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
ササゲの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はササゲの育て方にまとめています。
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