なぜ下から5〜6節をかき取るのか
きゅうりは植え付け直後から雌花を着けます。しかしこの時期の株はまだ根が張っておらず、実を太らせる力を実に取られると、つるの伸びと根の張りが止まります。下位節の雌花と子づるを取るのは、収穫を捨てているのではなく、後半の収量を買っているという理解が要ります。
もうひとつの理由は風通しです。地面近くに葉と実が密集すると、跳ね返った泥がかかり、べと病の初発点になります。下の空間を空けておくと、真夏の株元の温度も下がります。

- 実に取られる養分
- きゅうりの実は7日から10日で200グラム近くまで太ります。根がまだ浅い時期にこれを何本も抱えると、つるの伸びが止まります。
- 根を張らせる期間
- 植え付けから3週間ほどが根を広げる時期です。この間に体を作った株は、真夏の乾燥と病気に耐える力がまるで違います。
- 残すか迷ったら取る
- 下位節では、取って損をすることはまずありません。迷った節は取るほうへ寄せると、後半の伸びが安定します。
最初の実を採りたい気持ちは分かりますが、ここで我慢した株は8月まで採れ続けます。差は歴然と出ます。
節位ごとの扱いを決めておく
節位は本葉の付け根で数えます。摘む作業は、芽が小指の先ほどのうちに指で行うのが最も傷が小さく、病原菌の入口になりません。大きくしてからハサミで切ると切り口が広く、そこからつる枯病が入ることがあります。
| 節位 | 雌花 | 子づる |
|---|---|---|
| 1〜5節 | すべて摘む | すべてかき取る |
| 6〜10節 | 1果ずつ残す | 1節で摘心 |
| 11節以上 | そのまま着果 | 2節で摘心 |
親づるの摘心はネットの上端で
親づるがネットの一番上、およそ20〜25節に達したところで先端を摘みます。伸ばし続けると先端に養分が集中し、下の節の実が細くなります。摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)すると子づるが動き出し、収穫の中心が中段から上段の子づるに移っていきます。
摘心の位置が高すぎると手が届かず、収穫も整枝(枝の数と向きを整えること)もできない棚上のジャングルになります。自分が背伸びして楽に届く高さを上限と決め、そこで止めるのが実際的です。
- 摘心の位置を決める
- ネットの上端、およそ20〜25節が目安です。勢いの強い年は早く到達するので、節数より自分の手が届く高さを優先します。
- 摘心のやり方
- 先端の生長点を、葉のつけ根の上で指かはさみで摘みます。晴れた日の午前に行い、切り口を早く乾かすのが原則です。
- 摘心後の変化
- 1週間ほどで上部の子づるが動き出します。これを2〜3本残して伸ばすと、収穫の中心が上段へ移り、8月まで採り続けられます。
子づると孫づるの止め方
- 子づるは葉2枚を残して摘心
- 子づるの1節目と2節目に雌花が着いたら、その先の葉を2枚残して先を摘みます。葉を残すのは、その実を太らせる養分をその場でつくらせるためです。
- 孫づるは1節で止める
- 子づるを摘心すると孫づるが出ます。混み合う場合は付け根で取り、空いた場所に伸ばせるなら1節残して摘心します。
- 迷ったら空間で判断
- 節の数より、そこに葉を広げる空きがあるかどうかで残す本数を決めます。葉が重なり合っている場所に新しいつるを伸ばしても実は太りません。
下葉かきはどこまで取るか
収穫が始まったら、収穫した実より下の葉を順に取り除いていきます。目安は、常に主枝上に15〜20枚の健全な葉が残っている状態です。取りすぎると実を太らせる力そのものが落ちるので、一度に取るのは1株あたり2〜3枚までにします。
黄変した葉、うどんこ病の白い斑が出た葉は迷わず取り、畑の外に持ち出します。畝の通路に落としておくと胞子の供給源として残り続けます。
- 1回に2〜3枚まで
- 取りすぎると実を太らせる力が落ちます。3日から5日おきに数枚ずつ、収穫のついでに抜いていくのが結局は早く済みます。
- 残す葉の枚数
- 主枝の上に健全な葉が15枚から20枚ある状態を保ちます。数えるのが面倒なら、地面に光の斑が落ちる程度を目安にします。
- 抜いた葉の始末
- 通路に落としたままにすると胞子の供給源になります。袋に入れて畑の外へ出すか、離れた場所で乾かして処分します。
下葉かきは晴れた日の午前中に行います。切り口が乾く時間があるうちに済ませると、病気の侵入が減ります。
整枝の手を止めたときに起こること
整枝をやめた株は、2週間ほどで葉が重なり合い、内側の実が見えなくなります。見えない実は必ず採り遅れ、巨大化した実に養分を吸われて新しい雌花が止まります。つまり整枝の放棄は、そのまま収穫の停止につながります。
すでに茂ってしまった株を立て直すときは、一度に切り戻さず、3日おきに古い葉を数枚ずつ抜いて光を入れます。急に丸裸にすると、露出した実と茎が日焼けして黒く変色します。
| 見えている症状 | 起きていること | 打つ手 |
|---|---|---|
| 内側の葉が黄色く重なる | 光が届かず蒸れている | 3日おきに古い葉を数枚ずつ抜く |
| 大きな実が葉陰に隠れる | 採り遅れで養分を取られる | 見つけしだい外し、以後は葉裏をのぞく |
| 新しい雌花が止まった | 大きな実に養分が回っている | 実を外し、水やりと肥料を立て直す |
| 茎や実が白く変色する | 急に葉を取って日焼けした | 日よけをかけ、次からは少しずつ抜く |
きゅうりのわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
きゅうりの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はきゅうりの育て方にまとめています。
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