十日で一回りする
カイワレ大根は畑の野菜と違って月ではなく日で進みます。吸水から数えて、暗い場所で四日、光に当てて二日、合わせて六日から十日で収穫まで届きます。季節の制約がないので、いつ始めても構いません。
早さは室温で変わります。夏は六日、春と秋は七日から九日、冬は十日から十四日が目安です。日数はあくまで見当で、茎の高さを見て次の作業へ移ります。
| 時期 | 作業 | 見るところ |
|---|---|---|
| 前日 | 種を6〜12時間ひたす | 皮がふくらんで割れかける |
| 1日目 | 容器にまいて覆いをかける | 重なりがないか |
| 2日目 | 朝夜の水替え | 白い根が出ている |
| 3日目 | 朝夜の水替え | 茎が3〜5センチ |
| 4〜5日目 | 茎が8〜10センチで光へ出す | 双葉が黄色く開きかけ |
| 6〜7日目 | 明るい場所で緑にする | 双葉が緑になる |
| 7〜10日目 | 根元から切って収穫 | 茎の張りがあるうち |
最初の三日は開けずに待つ
まいてからの三日は、水を替える以外に何もしません。気になって何度も覆いを開けると光が入り、そのたびに伸びが鈍ります。水替えは手早く済ませ、すぐ暗い状態に戻すのがこつです。
この時期に確かめるのは、水のにおいと根の色の二つだけです。白い根が容器の底に広がっていれば順調で、茶色く見えたら水替えの回数が足りていません。
- 朝の水替えを手早く
- 覆いを外して水を捨て、新しい水を入れて三十秒で戻します。作業中も直射日光の当たらない場所で行います。
- 根の色を見る
- 白ければ健康です。茶色に変わっている、ぬめりを感じるという場合は回数を三回に増やします。
- 夜も同じことをする
- 夕方から夜に二回目を済ませます。夏は昼にもう一回足すと、においが出にくくなります。
覆いを開けるのは水替えの一日二回だけにします。写真を撮りたくなる時期ですが、光を入れるほど背が低く仕上がります。
四日目から五日目が切り替えどき
茎が八センチから十センチに伸びたら光へ出します。この判断だけは日数ではなく高さで決めます。夏なら四日目、冬なら七日目に同じ高さになるので、暦の日数を当てにすると失敗します。
出したあとも水替えは続けます。光に当たると水が温まりやすく、濁りも早くなるので、朝と夜のうち一回は必ず容器の内側をなでて洗います。
- 高さを測る
- 容器の縁からどれだけ出ているかを目で見ます。八センチに届いていなければ、あと一日暗いまま置きます。
- 明るい日陰へ移す
- レースカーテン越しの窓辺か、部屋の明るい場所に置きます。直射日光は水温が上がるので避けます。
- 半日で向きを変える
- 光の来る方へ傾くので、半日ごとに容器を半回転させます。まっすぐそろった姿になります。
収穫は七日目から十日目
双葉が緑になり、茎に張りがあるうちが収穫どきです。放っておくと本葉が出はじめ、茎が固くなって辛みだけが強くなります。緑になってから二日以内に穫り切るつもりでいると、ちょうどよい味になります。
一度に全部を切らなくても構いません。使う分だけ根元から切り、残りはそのまま水につけておけば二日ほどは育て続けられます。三日を超えると味が落ちます。
| 状態 | 食べごろ | すること |
|---|---|---|
| 双葉が黄緑で茎に張りがある | 早穫り | 辛みが穏やかなうちに使う |
| 双葉が緑で茎がまっすぐ | ちょうどよい | 根元から切って全部穫る |
| 本葉が見え始めた | 遅い | すぐ穫って加熱して使う |
予定どおりに進まないときは
日数が延びるのは寒さ、縮むのは暑さが原因です。どちらも表の日数からずれるだけで失敗ではありません。問題になるのは、途中で止まる場合と、においが出る場合の二つです。
- 三日たっても根が出ない
- 室温が低すぎます。暖かい部屋へ移して二日待ちます。それでも動かなければ種が古いのでまき直します。
- 伸びが途中で止まる
- 覆いの天井に当たっているか、光が漏れています。高い箱に替え、隙間を紙でふさぎます。
- 酸っぱいにおいがする
- 水替えが足りていません。全部の水を捨てて容器をなで洗いし、回数を一日三回に増やします。
- 予定より早く育った
- 夏の暑い時期にはよくあることです。日数ではなく高さを見て早めに光へ出し、六日目に穫ってしまって構いません。
続けて穫るための組み方
一つの容器では、収穫のあと数日は切れ目ができます。三日から四日ずらして二つ、三つと容器を増やすと、毎日少しずつ穫れる形になります。台所の棚に並べておける大きさなので、場所も取りません。
まいた日を容器に書いておくと、何日目かを迷いません。冬は日数が倍近くかかるので、ずらす間隔も五日ほどに広げると流れがそろいます。
- 四日ずらしてまく
- 一つ目をまいた四日後に二つ目をまきます。一つ目を穫るころ二つ目が緑化に入り、収穫が途切れずに続きます。
- 容器に日付を書く
- 貼った紙にまいた日を書いておきます。何日目かが分かると、光へ出す日と収穫の日を迷わずに決められます。
| 時期 | 1つ目の容器 | 2つ目の容器 |
|---|---|---|
| 1日目 | まく | — |
| 4日目 | 光へ出す | まく |
| 7日目 | 収穫して洗う | 光へ出す |
| 8日目 | まき直す | 収穫 |
カイワレ大根の栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
カイワレ大根の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はカイワレ大根の育て方にまとめています。
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