先に決めるのは場所ではなく広がりの止め方
ドクダミは種より地下茎で増える植物で、一度地面に植えると数年で数メートル四方に広がります。育て方そのものは難しくないので、最初に考えるのは「どこまで広げてよいか」です。下の表で自分の育て方に近い行を選び、そこから読み進めます。
薬草茶や化粧水の材料として少量を使うだけなら、鉢やプランターで十分な量が採れます。庭の日陰の地面を覆う目的で植えるなら、地面に埋め込む仕切り板を先に用意してから植えます。
| 目的 | 向く植え方 | 先にやること |
|---|---|---|
| お茶や化粧水に少量使う | 7〜8号鉢か60センチのプランター | 受け皿を置き、鉢底の穴から根が逃げないよう網を敷く |
| 日陰の地面を覆う | 露地に直接植える | 深さ30センチ以上の仕切り板を周囲に埋める |
| 斑入りや八重を観賞する | 6〜7号鉢で単独 | 明るい日陰の置き場所を確保しておく |
| すでに庭で広がっている | 植えない。掘り上げて鉢に移す | 地下茎を残さないよう深さ20センチまで掘る |
地植えは一度広がると完全には抜けません。迷うなら鉢から始め、翌年に地植えを判断しても遅くありません。
植え付けの時期は春と秋
植え付けに向くのは新芽が動き出す3〜4月と、暑さが落ち着いた9〜10月です。真夏に植えると蒸れて葉が溶けやすく、真冬は地上部が枯れて位置が分からなくなります。関東平野部なら4月上旬が最も失敗が少ない時期です。
苗はポット苗のほか、地下茎を10〜15センチに切った切れ端でも十分に根付きます。節が二つ以上ついていれば、埋めておくだけでひと月ほどで芽が出てきます。
- 苗を見て選ぶ
- 葉に張りがあり、鉢底から白い根か赤みがかった地下茎がのぞくものを選びます。葉が黄ばんで下葉が落ちた苗は根詰まりしていることが多いので避けます。
- 地下茎を切り分ける
- 掘り上げた地下茎は節を二つ以上残して10〜15センチに切ります。太くて白いものほど芽の出が早く、細く黒ずんだものは腐っていることが多いので捨てます。
- 土を用意する
- 土は選びません。市販の草花用培養土か、庭土に腐葉土を三割ほど混ぜたもので育ちます。湿り気を保つ土のほうが葉が大きく柔らかく育ちます。
鉢への植え付け手順
- 鉢底に網を敷く
- 鉢底の穴から地下茎が抜け出して、受け皿の下や地面に根付くことがあります。網を敷き、さらに鉢は地面に直接置かず台や皿の上に置きます。
- 浅く植える
- 地下茎は深さ3〜5センチに横向きに寝かせて埋めます。ポット苗は根鉢を崩さず、株元が土の表面と同じ高さになるように植えます。深植えすると芽の出が遅れます。
- 株間を取る
- 60センチのプランターなら2〜3株で十分です。半年で鉢いっぱいに広がるので、詰めて植える必要はありません。
- たっぷり水をやる
- 植えたら鉢底から流れるまで水を与え、一週間は明るい日陰に置いて根付かせます。新しい葉が立ち上がってきたら本来の置き場所へ移します。
地植えは仕切りを埋めてから
地植えで広がりを止める唯一の方法は、地下茎の届かない深さまで仕切りを入れることです。地下茎は深さ10〜20センチを主に走りますが、柔らかい土では30センチ近くまで潜ります。波板や根止め用の樹脂板を、地表から5センチ出るように立てて埋めます。
仕切りの内側は、日陰から半日陰で湿り気のある場所が向きます。建物の北側や落葉樹の下がよく、そこでは他の草が育ちにくいぶんドクダミがきれいに地面を覆います。
- 仕切りの深さを確かめる
- 板は地中30センチ以上、地表に5センチ出す高さにします。継ぎ目は10センチ以上重ね、隙間から地下茎が抜けないようにします。
- 株を30〜40センチ間隔で植える
- 地面を覆うのが目的でも、株間は30〜40センチで足ります。ひと夏で隙間は埋まり、翌年には一面になります。
- 縁の外を毎年点検する
- 春に仕切りの外側を掘り、越えて出た地下茎を見つけたら根元から抜きます。放置すると翌年には一株が一坪に広がります。
根付かないときの原因と立て直し
植えてひと月しても芽が出ない、あるいは葉が出てもすぐしおれるときは、乾燥か地下茎の傷みのどちらかです。土を掘って地下茎を触って確かめ、硬く白ければ待ち、柔らかく黒ければ植え直します。
| 症状 | 考えられる原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| ひと月たっても芽が出ない | 地下茎が細すぎた、または深植え | 掘り出して太い節のあるものを浅く埋め直す |
| 葉が出てすぐしおれる | 土の乾燥、直射日光 | 半日陰へ移し、土が乾く前に水を与える |
| 地下茎が黒く柔らかい | 過湿で腐った、または切り口から傷んだ | 健全な部分だけ切り出し、一日乾かして植え直す |
| 葉が小さく黄色い | 根詰まり、肥料切れ | 鉢なら一回り大きい鉢へ。地植えなら腐葉土を敷く |
斑入り品種は緑一色の芽が出ることがあります。見つけたら株元から抜かないと、勢いの強い緑の株に置き換わります。
ドクダミの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
ドクダミの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はドクダミの育て方にまとめています。
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