方法ごとの向き不向き
ユーカリは種からよく発芽し、実生なら一年で五十センチ以上に育ちます。一方、さし木は発根率が一〜三割と低く、時間もかかります。特定の品種の葉の形を残したいならさし木、たくさん苗を作りたいなら実生と使い分けます。
| 目的 | 向く方法 | 成功率と期間 |
|---|---|---|
| 苗をたくさん作る | 実生 | 高い。発芽まで一〜三週間 |
| 同じ品種の葉を残す | さし木 | 低い。発根まで二〜三か月 |
| すぐ庭に植えたい | 苗を買う | 確実。品種を選べる |
実生は親と同じ品種の性質が出ないことがあります。園芸品種の種は市販されていないことも多く、種から育てるなら原種が中心です。
種まきの時期と準備
種まきは四月から五月、気温が二十度前後になったころです。種は非常に細かく、ごまより小さいものもあります。用土は清潔で水はけのよいものを使い、種まき用の培養土か、赤玉土の小粒と鹿沼土を半分ずつ混ぜたものが向きます。
- 浅い容器に用土を入れる
- 深さ五センチほどの育苗箱か三号ポットに用土を入れ、まく前に底から水を吸わせて全体を湿らせます。
- 種を土の表面にまく
- 細かい種は指でつまんで表面にばらまき、土はかぶせません。光で発芽が促されるので、覆土すると出ないことがあります。
- 霧吹きで湿らせる
- 上から水をかけると種が流れます。霧吹きで表面を湿らせ、乾かないよう新聞紙をかけて明るい日陰に置きます。
発芽後の育て方
一〜三週間で発芽します。発芽したら新聞紙を外し、日当たりのよい場所へ移して徒長を防ぎます。この時期の最大の敵は過湿による立ち枯れです。用土の表面が乾いてから霧吹きで湿らせる程度にし、風通しを確保します。
ポットに移した苗は、日当たりのよい場所で育てます。日照が足りないと徒長(間延びして弱く伸びること)し、風で倒れやすい苗になります。伸びてきたら細い支柱を添えます。
- 本葉二枚で間引く
- 混み合っていたら元気な苗を残し、他はハサミで地際を切ります。引き抜くと残す苗の根も傷みます。
- 本葉四枚でポットへ
- 本葉が四枚になったら三号ポットに一本ずつ移します。根を触られるのを嫌うので、土ごとスプーンですくって植えます。
- 夏を越したら定植
- ポットで夏を越し、高さ二十センチを超えたら秋か翌春に地植えか大きめの鉢へ。一年目の冬は必ず防寒します。
さし木の手順
さし木は六月から七月上旬、今年伸びた枝が少し固まったころに行います。発根率が低いので、一度に十本以上挿して数本が付けば成功と考えます。若い木から取った枝ほど発根しやすく、古い木の枝はほとんど付きません。
挿す時期を逃したら無理に秋に行わず、翌年の六月まで待ちます。秋挿しは冬の寒さで発根前に枯れることがほとんどで、労力の割に成果が出ません。
- さし穂は今年の枝の先端
- 先端から十センチほどを切り、下半分の葉を落とします。残す葉は二〜四枚にし、大きい葉は半分に切って蒸散を減らします。
- 発根促進剤を付ける
- 切り口を鋭い刃物で斜めに切り直し、一時間水に浸けてから発根促進剤を付けます。この一手間で成功率が変わります。
- 鹿沼土に挿して密閉
- 鹿沼土の小粒に二〜三センチの深さで挿し、透明な袋をかぶせて湿度を保ちます。直射日光の当たらない明るい場所に置きます。
- 二〜三か月待つ
- 軽く引いて抵抗があれば発根です。袋を少しずつ開けて外気に慣らし、秋までそのままにして翌春に鉢上げします。
取り木で確実に増やす
さし木がうまくいかないなら取り木が確実です。五月から六月、枝の皮を環状にはいで水ごけで包み、根が出てから切り離します。時間はかかりますが、親と同じ性質の大きめの苗が得られます。低い位置の枝を選ぶと作業が楽です。
- 枝の皮を一周はぐ
- 鉛筆ほどの太さの枝を選び、幅二センチほど樹皮を一周はぎます。はいだ部分に発根促進剤を塗ります。
- 水ごけで包んで待つ
- 湿らせた水ごけで厚く包み、透明な袋で覆ってひもで止めます。乾いたら注射器で水を足し、二〜三か月で白い根が見えたら切り離します。
うまくいかないときの原因と直し方
種が出ない、苗が倒れて枯れる、さし穂が黒くなるのがよくある失敗です。どの段階で止まったかを見て原因を絞ります。ユーカリは実生なら数か月で再挑戦できるので、失敗の記録を次に生かします。
| 場面 | よくある原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 種がまったく出ない | 覆土した、温度が低い | 土をかぶせず二十度以上で管理 |
| 発芽した苗が倒れて枯れる | 過湿による立ち枯れ | 水を減らし風を通す。用土を新しく |
| 苗がひょろ長く倒れる | 日照不足 | 発芽したらすぐ日に当てる |
| さし穂が黒く腐る | 土の過湿と高温 | 鹿沼土に替え、風通しのある日陰へ |
| さし穂が枯れる | 湿度不足、古い枝を使った | 若い枝を使い袋で密閉する |
ユーカリの挿し木・接ぎ木に使うもの
木を増やす方法は挿し木と接ぎ木で、要るものが違います。まず自分の木がどちらで増えるかを確かめます。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木 ルートン」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプ。
木は草花より根が出にくく、種類によっては差がはっきり出ます。
- 接ぎ木用ナイフ探す言葉「接ぎ木ナイフ 園芸」
- 規格の目安
- 片刃で、刃の平らなもの。よく研げるもの。
接ぎ木は切り口の面が合うかどうかがすべてです。普通のカッターでは平らな面を作れません。
- 接ぎ木テープ探す言葉「接ぎ木テープ 園芸」
- 規格の目安
- 伸びて自然に劣化するタイプ。幅 20〜30mm。
接いだところを密着させ、乾燥を防ぎます。外し忘れると幹に食い込むので、劣化するものが安全です。
- 挿し木で増える種類なら、接ぎ木の道具は要りません。
- 苗木を買うほうが早く実を付ける木も多く、増やすのは趣味の範囲と割り切る選択もあります。
ユーカリの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はユーカリの育て方にまとめています。
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