症状から原因を見分ける
ユーカリは葉に強い香りの精油を含むため、虫や病気は少ない木です。枯れる原因の大半は栽培環境で、水の与え過ぎ、深植え、風による倒伏、寒さの四つです。葉と幹の様子から原因を絞ります。
| 症状 | 考えられる原因 | 急ぎ度 |
|---|---|---|
| 葉が垂れ、土が湿っている | 根腐れ | 高。水を止める |
| 葉が垂れ、土が乾いている | 水切れ | 中。すぐ与える |
| 葉が茶色く縮れる (冬) | 寒風と霜 | 低。春まで待つ |
| 幹が傾く | 倒伏の始まり | 高。支柱を追加 |
| 葉に黒や褐色の斑点 | 斑点性の病気 | 中。病葉を取る |
| 新芽が縮れ小虫が付く | アブラムシ | 低。水で流す |
| 幹の根元におがくず | カミキリムシ | 高。幼虫を退治 |
根腐れ
最も多い枯れ方です。鉢の受け皿に水を溜めた、梅雨に雨ざらしにした、地植えで水が溜まる場所に植えたといった状況で起こります。葉が垂れて水を足すと悪化するので、土が湿っているのに葉が垂れていたら根腐れと判断して水を止めます。
- 鉢は乾くまで水を止める
- 受け皿を外し、雨の当たらない風通しのよい場所に置きます。土が完全に乾くまで一週間以上水を与えません。
- 春なら植え替える
- 三月から四月なら鉢から抜き、黒く柔らかい根だけを切って新しい水はけのよい土に植えます。中心の根鉢は崩しません。
- 地植えは排水路を作る
- 株元から離れた場所に溝を掘って水の逃げ道を作ります。株元を掘り返すと根が傷むので、周囲の土を動かすだけにします。
倒伏
ユーカリは根が浅く、葉が多くて風を受けやすいため、風で倒れる事故が多い木です。特に植えて三年以内と、剪定せずに三メートルを超えた木が危険です。一度倒れると根が切れて回復しないので、倒れる前に支柱と剪定で備えます。
- 傾きに気付いたら即座に支柱
- 少しでも傾いていたら、その日のうちに風上側から支柱を打って固定します。傾きを無理に戻すと根が切れるので、そのままの角度で固定します。
- 高さを二メートル前後に保つ
- 毎年春に主幹を切り戻して高さを抑えます。高さが半分になると風の力は大きく減り、倒れる危険はほぼなくなります。
- 株立ちにして重心を下げる
- 一本立ちより株立ちのほうが倒れにくくなります。若いうちに主幹を低く切って複数の幹を育てる仕立てが有効です。
寒害
氷点下の寒風に当たると葉が茶色く縮れ、ひどいと枝先が枯れ込みます。関東平野部でも幼木と鉢植えは被害を受けます。葉が傷んでも幹が生きていれば春に芽が吹くので、慌てて切らず三月まで待ちます。
雪が積もったときは、日中に竹ぼうきで払い落とします。湿った雪の重みで枝が裂ける被害は、寒さそのものよりも起こりやすいものです。
- 傷んだ葉は春まで残す
- 茶色くなった葉も内側の芽を寒さから守ります。三月に新芽が動いてから、枯れた枝を緑の部分まで切り戻します。
- 幹の生死を確かめる
- 枝の皮を爪でむいて下が緑なら生きています。乾いて茶色なら枯れているので、その部分より下で切ります。
- 翌年は風を遮る
- 北側に寒冷紗を張るだけで被害が大きく減ります。鉢は軒下に移し、水を控えて枝を締めておくと寒さに強くなります。
虫の被害
香りの強い葉のため虫は少ないですが、春の新芽にアブラムシ、幹にカミキリムシの幼虫が入ることがあります。カミキリムシは放置すると幹の内部を食べて木を枯らすので、六月から九月は株元におがくずがないかを見て回ります。
薬をまく前に、月に一度株元と葉の裏を見て回る習慣をつけます。早く見つければ手で取るか水で流すだけで済み、薬は不要なことがほとんどです。
| 種類 | 見た目と時期 | 対処 |
|---|---|---|
| アブラムシ | 4〜6月、新芽に群れる | 水で流す。多ければ庭木用の殺虫剤 |
| カミキリムシ | 6〜9月、株元におがくず | 穴に針金を入れて幼虫を刺す |
| カイガラムシ | 枝に白い殻、風通しの悪い株 | 歯ブラシでこすり落とす |
| ハダニ | 夏、葉の裏が白くかすれる | 葉裏に水をかける |
ユーカリの葉は食用にしないでください。精油を多く含み、口にすると体調を崩します。
枯れそうなときの立て直し
葉が全部落ちた、幹が一部枯れたという状態でも、幹に緑の部分が残っていれば回復の見込みがあります。ユーカリは幹の休眠芽から吹き直す力が強い木です。原因を取り除き、水と肥料を控えて春を待つのが基本の手当てです。
- 原因を先に取り除く
- 根腐れなら水を止める、倒伏なら支柱、寒害なら風除けと、原因ごとに環境を直します。原因が残ったままでは芽が出ても同じことを繰り返します。
- 肥料を与えない
- 弱った株に肥料を与えると根がさらに傷みます。芽が出て葉が十枚以上展開するまでは肥料を控えます。
- 芽が出たら数を絞る
- 幹のあちこちから芽が吹いたら、外向きの強い芽を二〜三本残して他は摘みます。残した芽に力を集中させると回復が速くなります。
ユーカリの上手に育てるコツは作物ページに
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