一年の作業表
ユーカリの管理は剪定が中心で、水やりと肥料は控えめでよい木です。関東平野部の露地を基準にした表です。寒冷地では春の作業を二〜三週間遅らせ、冬の防寒を厚くします。暖地では秋の剪定を十一月まで延ばせます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 1月 | 防寒の確認 | 寒風を遮る。水は控えめ |
| 2月 | 植え付けの計画、品種選び | 苗はまだ植えない |
| 3月 | 強めの剪定、施肥、植え替え | 芽が動く直前に |
| 4月 | 植え付け、支柱立て | 根鉢を崩さない |
| 5月 | 摘心、軽い剪定 | 新芽十センチで先を摘む |
| 6月 | 摘心の最終、水やり開始 (鉢) | 梅雨は受け皿の水を捨てる |
| 7月 | 水やり、枯れ枝の除去 | 強剪定はしない |
| 8月 | 水やり、台風前の枝透かし | 支柱の結び目を確かめる |
| 9月 | 整枝、鉢の施肥 | 下旬に緩効性肥料を少量 |
| 10月 | 秋植え、剪定の最終 | 中旬までに済ませる |
| 11月 | 花材の収穫、防寒準備 | 幼木と鉢は寒冷紗 |
| 12月 | 防寒、鉢を軒下へ | 水は週一回程度 |
春 (三月〜五月) の作業
一年で最も作業が多い季節です。三月に強めの剪定で高さを整え、施肥と植え替えを済ませます。四月に苗を植え、五月には新芽の摘心を始めます。春の作業を逃すと夏に一メートル以上伸びて手に負えなくなるので、三月中に剪定を終えます。
- 三月上旬に高さを決めて切る
- 目標の高さより五十センチ低い位置で主幹を切ります。切り口は節のすぐ上、太い幹は癒合剤を塗ります。
- 鉢の植え替えは根を触らない
- 鉢底から根が出ていたら一回り大きな鉢へ。根鉢は崩さず、周囲に新しい土を足すだけにします。二年に一度が目安です。
- 五月に摘心を始める
- 新芽が十センチ伸びたら先端を摘みます。花材向きの細かい枝を増やす作業で、六月末までに二回行います。
夏 (六月〜八月) の作業
梅雨は根腐れ、梅雨明け後は水切れに注意する時期です。鉢植えは受け皿の水を捨て、梅雨明け後は朝の水やりを欠かしません。強い剪定はせず、枯れ枝を取る程度にします。台風の前には支柱を確かめ、上部の枝を軽く透かします。
五月から六月にかけて行う摘心(枝先を摘んで枝分かれさせること)は、六月末までに終えます。七月以降に摘んだ枝は冬までに固まらず、寒さで枯れ込みます。
- 梅雨は鉢を雨の当たらない場所へ
- 長雨で土が乾かない期間は、鉢を軒下に動かします。地植えは株元の土が固まって水が溜まっていないか見ます。
- 台風前に枝を透かす
- 強風が予想されたら、上部の混み合った枝を数本抜いて風を通します。葉の面積が減るだけで倒れる危険がかなり下がります。
秋 (九月〜十一月) の作業
夏に伸びた枝を整える時期です。九月から十月中旬に混み枝を抜き、輪郭を整えます。この時期の剪定は春ほど強くせず、全体の二割程度にとどめます。十一月は花材の収穫に向いた季節で、枝が固まり葉の色も最も美しくなります。
秋の剪定で切った枝も花材に使えます。切り口を斜めにしてすぐ水に浸け、半日ほど涼しい場所で水を吸わせると、花瓶に生けても長持ちします。
- 十月中旬までに剪定を終える
- それ以降に切ると切り口がふさがらないまま冬を迎え、枯れ込みます。遅れたら翌年三月に回します。
- 花材は朝に切って水あげ
- 枝が固まった十一月、朝のうちに切って切り口を斜めにし、すぐ深い水に浸けます。銀葉の品種は乾かしてドライにもできます。
- 防寒の準備
- 幼木の北側に支柱を立て、十二月に寒冷紗を張れるようにしておきます。鉢は軒下の置き場所を決めます。
冬 (十二月〜二月) の作業
作業はほとんどありません。防寒と水を控えることだけ守ります。剪定はせず、傷んだ葉も春まで残します。二月は翌年の計画を立てる時期で、苗を買うなら品種の耐寒性と最終樹高を調べておきます。
苗を選ぶときは、庭の広さに対して最終樹高が大き過ぎないかを最初に確かめます。剪定で抑えられるとはいえ、十メートル級の品種を狭い庭で維持するのは毎年の重労働になります。
- 水は乾いてから午前中に
- 鉢植えは土が完全に乾いてから、暖かい日の午前中に与えます。夕方に与えると夜に凍って根が傷みます。
- 雪は払い落とす
- 湿った雪が積もると枝が裂けます。日中に竹ぼうきで軽く払います。雪の下の葉は凍っているので手で触りません。
作業が遅れたときの対処
剪定の時期を逃したとき、無理に時期外れに切るほうが害があります。特に真夏と真冬の強剪定は株を弱らせます。遅れた作業ごとに、やるべきか翌年に回すべきかを判断します。
| 場面 | 対処 | 理由 |
|---|---|---|
| 三月の剪定を忘れ五月になった | 軽めに切り、残りは九月へ | 五月ならまだ回復が速い |
| 七月に伸び過ぎに気付いた | 枯れ枝だけ取り九月まで待つ | 真夏の強剪定は株を弱らせる |
| 十一月に切りたくなった | 翌年三月まで待つ | 冬は切り口から枯れ込む |
| 春の施肥を忘れた | 見送る | 肥料なしでも十分育つ |
ユーカリの栽培に一年を通して使うもの
木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。
アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。
直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。
冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
- 規格の目安
- 目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
- 数量の目安
- 高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。
色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
- チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。
ユーカリの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はユーカリの育て方にまとめています。
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