症状から原因を切り分ける
フィカスは丈夫な樹で、病気は多くありません。不調のほとんどは光、温度、水、虫の四つのどれかから始まります。落ち方と葉の色を見れば候補はかなり絞れます。緑のまま落ちるのか、黄色くなってから落ちるのか、下葉からか先端からかの三点を見ます。
複数が同時に起きていることもよくあります。冬に暖房の効いた部屋へ移した株は、環境変化と乾燥と寒さの三つが重なります。ひとつに決めつけず、土を触り、葉裏を明るい所で見てから手を打ちます。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 緑のまま葉が一斉に落ちる | 置き場所を変えた直後の反応 | 動かさず水を控えて一か月待つ |
| 黄色くなって下葉から落ちる | 光不足か根の傷み | 明るさを確かめ、土の乾き方を見る |
| 茶色く縮れて先端から落ちる | 水切れ | 鉢の重さを見てたっぷり与える |
| 葉が白くかすれてつやがない | ハダニ | 葉裏に強めの水を当てて洗い流す |
| 葉や幹に茶色い粒や白い綿 | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
| 葉や床がべたつき黒くすすける | カイガラムシの排せつ物とすす病 | 本体を取り除いてから葉を拭く |
冬に下葉が一枚か二枚黄色くなるのは古い葉の更新で、病気ではありません。次々に落ちるようなら寒さか水のやりすぎです。
ハダニ
乾いた部屋で葉の裏に付き、葉が白くかすれてつやがなくなります。ひどくなると細かい糸が張り、葉が枯れて落ちます。暖房で乾く冬と、締め切った真夏の部屋が発生の山で、葉水を続けている株にはほとんど付きません。
見つけたら浴室で葉裏に強めのシャワーを当てて洗い流し、表と裏を濡らした布で拭きます。ウンベラータやベンガレンシスの大きな葉は拭きやすいので確実です。広がるなら観葉植物用の殺虫剤を表示どおりに葉裏へ使い、一週間おいて二回行います。
- 葉裏を明るい所で見る
- 葉が白くかすれたら葉裏を見ます。細かい点が動いていればハダニで、白い紙の上で葉を叩くと落ちて分かります。
- 洗い流して拭く
- 浴室で葉裏に強めの水を当てて洗い流し、表と裏を濡らした布で拭きます。株全体に行います。
- 葉水で再発を防ぐ
- 駆除後に湿度を上げないと必ず戻ります。暖房期は毎日、葉の裏を中心に葉水をします。
- 一週間後にもう一度見る
- 卵からかえった分が残ります。一週間おいて葉裏を確かめ、いれば拭き直すか薬剤をもう一回使います。
カイガラムシとすす病
葉の裏、葉の付け根、枝の分かれ目に、白い綿のようなものや茶色い殻として付きます。汁を吸って葉を黄ばませ、排せつ物で葉や床がべたつきます。そこに黒いすすのようなカビが付くのがすす病で、光をさえぎって生育を落とします。
殻に覆われた成虫には薬剤が効きにくいので、歯ブラシや綿棒でこすり落とすのが確実です。付け根の奥に隠れているものも取り、そのあと葉を濡らした布で拭いてべたつきを落とします。数が多いなら、こすり落としてから幼虫を抑える目的で殺虫剤を使います。
| 種類 | 見た目 | 手当て |
|---|---|---|
| コナカイガラムシ | 白い綿のようなかたまり | 綿棒で取り、枝の分かれ目の奥も確かめる |
| 殻のあるカイガラムシ | 茶色い小さな殻が張り付く | 歯ブラシでこすり落とす |
| すす病 | 葉が黒くすすけてべたつく | 本体を除いてから葉を拭き、風を通す |
| アブラムシ | 新芽に緑や黒の小さな虫が群れる | 水で洗い流し、新芽を毎週見る |
見る場所は葉裏、新芽、枝の分かれ目の三か所です。水やりのついでに週一回ここだけ見る習慣にすると、初期で見つかります。
根腐れと葉の斑点
フィカスを枯らす原因の一番は根腐れです。冬に水を与えすぎる、受け皿に水がたまる、大きすぎる鉢に植える、深植えする、のどれかで根と幹の付け根が傷みます。葉が垂れて水を与えても戻らず、土から酸っぱいにおいがしたら腐りが始まっています。
葉に茶色や黒の斑点が出て日ごとに輪のように広がるのは炭そ病で、葉が濡れたままの時間が長いと出ます。病葉は健全な部分を含めて切り取り、風を通します。縁や先だけが茶色く、それ以上広がらないなら乾燥や風による反応で、病気ではありません。
- 土とにおいで判断する
- 土が湿ったまま葉が垂れ、鉢に鼻を近づけて酸っぱいにおいがすれば根腐れです。乾いていれば水切れで、対処は逆です。
- 黒い根を切って植え直す
- 抜いて黒く崩れる根を落とし、葉も三割ほど減らして、ひと回り小さい鉢に乾いた土で植え直します。
- 斑点か環境かを見分ける
- 斑点が日ごとに広がるなら病気、縁や先だけで広がらないなら環境の反応です。数日見てから判断します。
- 夜に葉を濡らさない
- 葉水は日中に済ませ、夜は乾いた状態にします。濡れたままの時間が長いと葉の病気が出ます。
予防の習慣
フィカスの病害虫は、乾いてから与える、受け皿の水を捨てる、冬は絞って暖かく、葉裏に葉水をする、風を通すの五つでほとんど防げます。薬剤は最後の手段にして、まず環境を整えることを優先します。
大きな葉はほこりがたまって光をさえぎるので、月に一度は濡らした布で拭きます。このとき葉裏と枝の分かれ目を見れば、虫の早期発見を兼ねられます。剪定や植え替えの作業では白い樹液でかぶれることがあるので、手袋をします。
| 目的 | 習慣 | 時期 |
|---|---|---|
| 根腐れの予防 | 乾いてから与え、受け皿の水を捨てる | 一年中、冬は特に |
| ハダニの予防 | 葉裏に葉水をして湿度を保つ | 暖房期と真夏 |
| カイガラムシの早期発見 | 葉裏、新芽、枝の分かれ目を週一回見る | 一年中 |
| 持ち込みの防止 | 屋外の株は取り込む前に葉裏を洗う | 十月 |
| 葉の病気の予防 | 葉水は日中に済ませ、空気を動かす | 一年中 |
フィカスの上手に育てるコツは作物ページに
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