時期で水の量を切り替える
イチジクの葉は大きく、真夏は一日に鉢の水をほとんど使い切ります。一方で実が色づいてから水が多いと、実が割れて味も薄くなります。生育期は切らさず、熟期は控えめにするという二段構えで管理します。
地植えは根が深く広がるので、真夏以外は雨だけで足ります。ただし植えて一年目の株は根が浅く、鉢植えと同じ感覚で確かめます。株元から30センチ離れた場所の土を指で掘り、3センチ下まで乾いていたら与える目安です。
| 時期 | 鉢植えの目安 | 地植えの目安 |
|---|---|---|
| 3月〜5月 | 表土が乾いたらたっぷり | 自然の雨に任せる |
| 6月〜8月 | 朝夕の二回、鉢底から流れるまで | 一週間雨がなければバケツ一杯 |
| 9月〜10月の熟期 | 朝一回、表土が乾き始めてから | 雨が続くなら株元をシートで覆う |
| 11月〜2月 | 五日から一週間に一回 | 不要 |
葉が昼にしおれても夕方に戻るなら水は足りています。朝の時点でしおれていたら明らかに不足です。
鉢植えの水やりのコツ
鉢植えで一度でも強い水切れを起こすと、下の葉が黄色く落ち、小さな実も落ちます。夏の水切れを防ぐには、量よりも根鉢の中まで水が通る与え方が大切です。
与える前に必ず土を触って確かめます。表面が白っぽく乾き、指を第一関節まで入れて湿りを感じなければ与えるころです。まだ湿っているのに毎日与え続けると、根が酸欠になって葉が黄色くなり、水切れと見分けがつきにくくなります。
- 鉢底から流れるまで与える
- 表面だけ濡らすと根鉢の中心が乾いたままになります。底穴から水が流れ出るまで注ぎ、二分待ってもう一度注ぎます。
- 夏は朝のうちに済ませる
- 日中の水やりは鉢の中で湯になり根を傷めます。朝7時ごろまでに与え、夕方に土が乾いていればもう一回与えます。
- 表土を覆って乾きを遅らせる
- バークチップやわらで表土を3センチほど覆います。蒸発が減り、真夏でも夕方の追加水やりを減らせます。
- 留守中は腰水か点滴
- 二日以上留守にするなら、大きな受け皿に3センチほど水をため、日陰に移します。ペットボトルの点滴器も使えます。
受け皿の水は帰宅したらすぐ捨てます。ため続けると根が酸欠になり、葉が黄変します。
肥料は年三回が基本
イチジクは肥料を好みますが、窒素が多すぎると枝ばかり伸びて実が付きません。冬の元肥(春の成長に備えて事前に入れる肥料)を主体にし、追肥は実の肥大期と収穫後に控えめに与えます。
与える量に迷ったら、枝の伸びで判断します。前年に伸びた枝が50センチ以上あるなら肥料は足りているので元肥を減らし、30センチに届かないなら六月の追肥(育ちの途中で足す肥料)を少し増やします。
| 時期 | 肥料の種類 | 地植えの量の目安 |
|---|---|---|
| 12月〜2月 | 堆肥と油かすなどの有機質 | 堆肥バケツ二杯、油かす二握り |
| 6月 | 化成肥料か緩効性肥料 | 一握り程度を株元から離してまく |
| 9月上旬 | 化成肥料 | 一握り、色づき始める前に |
| 10月〜11月 | 収穫後の礼肥として少量 | 半握り |
鉢植えは上記の四分の一から五分の一を目安にし、緩効性の粒肥料を表土に置くと管理が楽です。
土の酸度と石灰
イチジクは酸性の土を嫌い、弱酸性から中性でよく育ちます。日本の雨は土を酸性に傾けるので、毎年冬に苦土石灰を株元にまいて調整します。ブルーベリーの隣に植えると土作りが真逆になるので、離して植えます。
- 冬に苦土石灰をまく
- 地植えは一株あたり二握り、鉢植えは小さじ二杯を目安に、株元から少し離して表土にまき、軽く混ぜます。
- 肥料と二週間ずらす
- 石灰と化成肥料を同時に入れると肥料の成分が逃げます。石灰を先に入れ、二週間あけてから肥料を与えます。
- 葉の色で判断する
- 新しい葉の葉脈だけ緑で間が黄色いなら酸性に傾いたサインです。石灰を追加し、鉢なら翌冬に土を入れ替えます。
土壌酸度計があるならペーハー6から7を目安にします。数値がなくても年一回の石灰で大きく外れることはありません。
実が割れる・落ちるときの原因
水と肥料の失敗は、葉より先に実に出ます。割れる、落ちる、小さいまま止まるといった症状を見て原因を切り分け、その年は残った実を守ることに切り替え、翌年に向けて管理を直します。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 熟す直前に実が割れる | 乾いた後の急な大雨 | 熟期は株元を覆い、鉢は雨の当たらない場所へ |
| 小さな実がぽろぽろ落ちる | 夏の水切れか肥料切れ | 朝夕の水やりと六月の追肥を守る |
| 実が小さく甘くない | 実の付けすぎか窒素過多 | 摘心で数を絞り、追肥の窒素を減らす |
| 枝ばかり伸びて実が付かない | 肥料の与えすぎか若木 | 元肥を半分に減らし、三年目まで待つ |
植えて一、二年目は根を張る時期で、実が少ないのは正常です。三年目から本格的に実るので、若木のうちは焦らないでください。
イチジクの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
イチジクの収穫までのコツは作物ページに
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