水は控えめ、でも切らさない
シュンギクは根が地表から十五センチほどの浅い層に広がります。乾かしすぎると葉が固くなって香りが強くなりすぎ、湿らせすぎると根が傷んで下葉から枯れ上がります。土の表面が乾いたら与える、の間隔がちょうどよい加減です。
秋から冬にかけては気温が下がって蒸発が減るので、露地なら雨だけで足りることも多くなります。晴れが一週間続いて葉の張りが落ちてきたら与える、という見方で十分です。
| 時期 | 水やりの間隔 | 見るところ |
|---|---|---|
| まいてから発芽まで | 1日1〜2回、軽く | 表面が乾いていないか |
| 10〜11月の生育期 | 3〜4日に1回 | 指を挿して湿り気を確かめる |
| 12〜2月の寒い時期 | 1週間に1回か雨まかせ | 朝に葉が垂れていないか |
| 3〜4月の暖かい時期 | 2〜3日に1回 | 乾きが早い。葉が固くなる前に与える |
元肥は控えめに入れる
シュンギクは肥料を吸う力が強く、元肥(種をまく前に土に混ぜておく肥料)を入れすぎると葉が大きく柔らかくなりすぎて、アブラムシが付きやすくなります。一平方メートルあたり化成肥料百グラムを目安にします。
酸性の土をやや嫌うので、種まきの二週間前に苦土石灰を一平方メートルあたり百グラムほど入れて耕しておきます。土の酸度は中性に近いほうが根がよく張り、生育がそろいます。
- 二週間前に石灰を入れる
- 苦土石灰をまいて深さ二十センチまで耕します。肥料と同時に入れると効きが落ちるので、石灰が先です。
- 一週間前に堆肥と肥料
- 堆肥を一平方メートルあたり二キロ、化成肥料を百グラム入れて耕し、畝を立てて土を落ち着かせます。
- 畝を平らにならす
- シュンギクは浅い根なので、表面をならして水がたまらないようにします。高さ十センチの平畝で十分です。
収穫のたびに追肥する
摘み取りで繰り返し穫るなら、追肥(育ちの途中で足す肥料)が収穫の続き方を決めます。一度摘むと株はわき芽を伸ばすために力を使うので、摘んだ直後に軽く足すと次の芽の伸びが目に見えて変わります。
量は一株あたり化成肥料をひとつまみ、株のまわりにばらまいて軽く土と混ぜる程度です。多く与えるより、摘むたびに少しずつ足す回し方のほうが、香りも味も落ちません。
- 摘んだ日に足す
- 収穫が終わったらそのまま株のまわりに肥料をまき、指で土と軽く混ぜて水をやります。作業を一度で済ませられます。
- 株元に置かない
- 株元へ直接置くと根が傷みます。株から十センチほど離した輪の上にまくのが基本です。
- 液体の肥料でもよい
- 寒い時期は固形の肥料が効きにくいので、規定の薄さにした液体の肥料を水やり代わりに週一回与えます。
冬の間は生育がゆっくりになるので、肥料も月に一回程度で足ります。効かない時期に与えても土に残るだけです。
冬の寒さから守る
シュンギクは霜に当たると葉の先が黒く傷みます。株が枯れることはあまりありませんが、見た目が悪くなり収穫できる部分が減るので、十二月に入ったら不織布か穴あきのトンネルで覆います。
覆うと中の温度が上がって生育も続くため、真冬でも少しずつ穫れます。晴れた日の昼は温度が上がりすぎることがあるので、暖かい日は裾を上げて風を通します。
- 不織布をべた掛けする
- 十一月下旬に畝の上へ直接かけ、四辺を土や資材で押さえます。霜よけとしてはこれだけで効果があります。
- 支柱でトンネルにする
- しっかり穫りたいなら支柱を弓なりに挿し、穴あきの資材を張ります。中の温度が上がって生育が続きます。
- 暖かい日は開ける
- 気温が十五度を超える日は裾を開けて蒸れを防ぎます。閉め切ると灰色かび病が出やすくなります。
香りと柔らかさを保つ手入れ
シュンギクの香りは葉の油の成分によるもので、乾いた環境と老化した葉で強くなります。柔らかく香りの穏やかな葉を穫りたいなら、水を切らさず、葉が大きくなりすぎる前に摘むことが近道です。
| 状態 | 香りと食感 | 手入れ |
|---|---|---|
| 葉が小さく色が薄い | 香りは穏やかだが味も薄い | 肥料を足し、水やりの間隔を詰める |
| 葉が広がり色が濃い | ちょうどよい。摘みどき | そのまま摘み取り、摘んだら肥料を足す |
| 葉が固く縁が波打つ | 香りが強く筋っぽい | 水切れ。たっぷり与えて次の芽を待つ |
| 茎が伸びて葉が減る | とう立ちの始まり | 早めに摘み切り、株を更新する |
生育が止まったときの切り分け
摘んでもわき芽が伸びてこないときは、肥料切れ、寒さ、根の傷みのどれかです。株を抜く前に、葉の色と気温、土の湿り具合を順に確かめると、待つべきか手を打つべきかが決まります。
| 原因 | 見分けの目安 | 対処 |
|---|---|---|
| 肥料切れ | 新しい葉が小さく色が薄い | すぐ足して1週間見る。液体の肥料が早い |
| 低温 | 気温が5度を下回る日が続く | 覆いをかけて待つ。無理に肥料を足さない |
| 根の傷み | 土がいつも湿り下葉が黄色い | 水やりを止め、畝の水はけを直す |
| 摘みすぎ | 残した葉が2枚以下 | 次は下葉を4枚残す。しばらく摘まずに回復させる |
摘み取りを繰り返した株は二か月ほどで疲れます。長く穫りたいときは、二週間ずらして二回まいておくと切れ目なく続きます。
シュンギクの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
シュンギクの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシュンギクの育て方にまとめています。
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