種は薄くまいて覆土をかけすぎない
シュンギクの種は明るさを感じて発芽する性質があるので、土を厚くかけると芽が出ません。深さ一センチの溝にまいたあと、両側の土を指でつまんで五ミリだけかけ、手のひらで押さえて種と土を密着させます。
種は殻に包まれていて水を吸いにくく、そのまままくと発芽がそろいません。まく前の晩に水へ浸けておくと吸水が進み、発芽までの日数が二日ほど早まります。浸けすぎると腐るので一晩で引き上げます。

- 一晩水に浸ける
- まく前日の夜に種を水に浸け、翌朝ざるにあけて表面の水気を切ってからまきます。半日でも効果があります。
- 浅い溝を作る
- 板の縁や支柱を押しつけて深さ一センチの溝を作ります。条間は二十センチから二十五センチにすると間引きも収穫も楽です。
- 一センチ間隔でまく
- 種を指ですり合わせながら溝に落とします。厚くまくと間引きが大変で、薄すぎると欠株ができて畝が寂しくなります。
- 五ミリだけ覆土する
- 溝の土を指で寄せて薄くかぶせ、軽く押さえてからたっぷり水をやります。厚くかけると発芽率が半分以下になります。
土が乾くと発芽が止まります。芽が出そろうまでは新聞紙か不織布をかけ、朝夕に霧のような水を与えて表面を湿らせておきます。
発芽までの一週間の管理
適温なら四日から七日で芽が出ますが、シュンギクの発芽率はもともと高くありません。八割そろえば上出来と考え、欠けたところには追いまきをして畝をそろえます。
発芽までは表面を乾かさないことがすべてです。九月はまだ日差しが強く、昼のうちに表面が白く乾くので、朝と夕方に軽く水を与えるか、不織布をべた掛けして乾きを抑えます。
- 不織布をべた掛けする
- まいたあと畝の上に直接不織布をかけ、四辺を土で押さえます。乾きと強い雨、虫の飛来を同時に防げます。
- 朝夕に軽く水をやる
- 強い水流は種を流します。はす口を上に向けて霧のように与え、表面が湿った状態を保ちます。
- 芽が出たら外す
- 半分ほど芽が出たら不織布を外すか、支柱で浮かせます。かけたままだと徒長(間のびして弱ること)します。
プランターでまくとき
シュンギクは根が浅いので、深さ十五センチほどのプランターでも十分に育ちます。ベランダなら風で乾きやすいので、土の量が多い大きめの容器のほうが管理は楽になります。
| 容器 | まき方 | 収穫の目安 |
|---|---|---|
| 幅60センチの標準型 | 2条のすじまき、最終株間15センチ | 摘み取りで2〜3か月 |
| 直径30センチの丸鉢 | ばらまき、最終株間10センチ | 抜き取りで一度に収穫 |
| 深さ10センチ未満の浅型 | すすめない | 乾きが早く生育が止まりやすい |
培養土は新しいものを使います。キク科は続けて作ると育ちが落ちるので、去年シュンギクを植えた土は使い回さないほうが安全です。
二回に分けて間引く
間引きは二回に分けます。一度に広げると残った株が風で揺れて根が浮き、生育が止まります。子葉が開いたら三センチ、本葉が三枚から四枚になったら株間十五センチから二十センチに広げます。
摘み取りで長く穫るなら株間は二十センチ取ります。抜き取って一度に穫るなら十センチでも構いません。育て方を先に決めておくと、間引きの幅で迷いません。
| 時期 | 残す株間 | 抜く株の選び方 |
|---|---|---|
| 子葉が開いたころ | 3センチ | 葉の形がゆがんだ株、双葉が小さい株から抜く |
| 本葉3〜4枚 | 15〜20センチ | 込んでいるところを優先し、大きい株を残す |
| 本葉6枚以降 | 広げない | 以降は間引かず、摘み取りで調整する |
間引いた株は根を落とせばそのまま食べられます。柔らかく香りもよいので、汁の実やあえ物にすると無駄になりません。
秋まきが基本、春まきは短期勝負
シュンギクはキク科の葉物で、涼しい気候を好みます。関東平野部の露地なら九月中旬から十月上旬にまく秋まきがいちばん失敗が少なく、十一月から翌春まで長く穫り続けられます。春まきもできますが、日が長くなると花芽ができて茎が伸び、短い期間で終わります。
秋まきが向いているのは、生育の適温が十五度から二十度と低めで、二十五度を超えると発芽も生育も落ちるからです。九月上旬のまだ暑い時期にまくと発芽がそろわないので、朝晩が涼しくなってからまくと決めておくと外しません。
| 時期 | 収穫の期間 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 3月下旬〜4月 | 5月〜6月上旬 | とう立ちが早い。短く穫り切る作型 |
| 9月中旬〜10月上旬 | 11月〜翌3月 | いちばん失敗が少ない。摘み取りで長く穫れる |
| 10月中旬以降 | 12月〜翌4月 | 発芽が遅い。トンネルか不織布が要る |
| 6〜8月 | 見込みなし | 高温で発芽せず、まいても徒長する |
芽が出ないときの原因と手直し
シュンギクは発芽でつまずくことが最も多い葉物です。まき直す前に、覆土の厚さ、気温、水の三つを確かめると、次にどこを直せばよいかがはっきりします。
| 症状 | 考えられる原因 | 手直し |
|---|---|---|
| 十日たっても芽が出ない | 覆土が厚い | 薄くまき直す。かける土は5ミリまで |
| ところどころしか出ない | 水切れで途中で止まった | 欠けたところに追いまきし、不織布で乾きを防ぐ |
| 芽が出てすぐ倒れる | 苗立枯病か過湿 | 水を控え、倒れた株は抜いて処分する |
| 芽が細く伸びて色が薄い | 不織布のかけっぱなし | すぐ外して日に当て、間引いて風を通す |
種まきの手順
シュンギクは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
シュンギクの種まきでよくある質問
シュンギクの種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
シュンギクの種はどうやってまく?
すじまき / ばらまきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
シュンギクの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
シュンギクの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
シュンギクは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
シュンギクの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
シュンギクの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
シュンギクの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシュンギクの育て方にまとめています。
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