摘み取りと抜き取りを選ぶ
シュンギクの収穫には、主枝を摘んでわき芽を伸ばす摘み取りと、株ごと抜く抜き取りの二通りがあります。長く穫りたい家庭菜園では摘み取りが向き、一度にまとめて使いたいときや大葉種では抜き取りが向きます。
どちらにするかは種類でおおよそ決まります。関東で多い中葉種は枝分かれしやすいので摘み取りに向き、関西で使われる大葉種は株が大きく育つので抜き取りに向きます。
迷ったら摘み取りから始めるとよいでしょう。途中で株が疲れたら抜き取りに切り替えられますが、抜いてしまった株を戻すことはできません。畝の半分を摘み取り、半分を抜き取りにして比べてみるのも確かめ方の一つです。
| 種類 | 向く穫り方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 中葉種 | 摘み取り | 枝分かれがよく、11月から春まで繰り返し穫れる |
| 大葉種 | 抜き取り | 葉が厚く香りが穏やか。株ごと収穫する |
| 小葉種 | 摘み取り | 香りが強く株は小さい。まき数を増やして穫る |
| スティック状の品種 | 摘み取り | 茎を伸ばして穫る。若い茎ごと使える |
最初の摘み取りの位置
草丈が二十センチから二十五センチになったら最初の摘み取りです。主枝の先を、株元から数えて葉を四枚から五枚残した位置で切ります。残した葉の付け根からわき芽(葉の付け根から伸びる新しい芽)が伸びて、次の収穫になります。
残す葉が少なすぎると次の芽が伸びず、株がそのまま止まります。多すぎると穫れる量が少なくなるので、四枚から五枚をきちんと数えて切るのが確実です。
- 草丈を確かめる
- 地面から先端までが二十センチを超えたら摘みどきです。それより小さいうちに摘むと株が育ちきりません。
- 下から葉を数える
- 株元の小さい葉は数に入れず、しっかり開いた葉を四枚から五枚数えて、その上の茎にはさみを入れます。
- 斜めに切る
- 切り口を斜めにすると水がたまらず、切り口から腐りにくくなります。清潔なはさみを使ってください。
- 摘んだら肥料を足す
- 収穫のあとにひとつまみの肥料を株のまわりにまいて水をやると、わき芽の伸びが早くなります。
摘み取りは晴れた日の朝に行います。夕方や雨の日は切り口が乾かず、そこから傷むことがあります。
二回目以降の穫り方
最初の摘み取りから二週間から三週間で、残した葉の付け根から出たわき芽が二十センチほどになります。この芽も同じように、根元の葉を二枚残して切ります。これを繰り返すと株が横に広がりながら長く穫れます。
回を重ねるごとに茎は細くなります。三回目、四回目で明らかに細くなってきたら株の力が落ちた合図なので、その株は抜いて次のまき床に譲るほうが畑を有効に使えます。
| 時期 | 穫れるもの | 残す葉 |
|---|---|---|
| 1回目、11月上旬 | 主枝の先20〜25センチ | 4〜5枚 |
| 2回目、11月下旬 | わき芽2〜3本 | 各2枚 |
| 3回目以降、12月〜春 | 細いわき芽を数本ずつ | 各2枚。細ったら株を更新 |
抜き取りで一度に穫る
鍋の季節にまとめて使いたいときや、大葉種を育てたときは株ごと抜きます。草丈二十五センチほど、株が横に広がって重なり始めたころが穫りごろで、それ以上置くと下葉が黄色くなり始めます。
抜いたあとの畝はすぐ次の作物に使えます。ただしキク科を続けて作ると育ちが落ちるので、別の科の葉物か根菜に切り替えると畑がうまく回ります。土が乾いていれば軽く耕して整えるだけで足ります。
- 土を湿らせておく
- 前日に水をやっておくと根が抜けやすく、土が根に付いたままごっそり抜けるのを防げます。
- 株元を持って抜く
- 葉ではなく株元を持ち、まっすぐ上へ引き抜きます。葉を持つと途中でちぎれて根が残ります。
- 根を切り落とす
- 抜いたその場で根を切り、土を落としてから持ち帰ると、台所での洗い物が楽になります。
保存とおいしい食べ方
シュンギクは水分が抜けると香りが強くなり、苦みも立ちます。穫ったらすぐ袋に入れて冷やすのが基本で、しなびたものは水に浸けるとある程度戻ります。生で食べるなら若い葉だけを選びます。
| 方法 | 日持ちの目安 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 湿らせた紙で包んで野菜室 | 4〜5日 | 数日で使い切る分。立てて入れる |
| さっとゆでて水気を絞り冷凍 | 1か月 | まとめて穫れた日。あえ物や汁の実に |
| 切らずに立てて水に挿す | 2日 | その日のうちにサラダで使う分 |
| 干して乾かす | すすめない | 香りが飛び、食感も戻らない |
香りが苦手なら、ゆで時間を十秒ほどに抑えて冷水に取ると穏やかになります。ゆですぎると香りも栄養も抜けます。
穫れなくなったときの見直し
摘み取りを続けているのに量が減ってきたら、株の疲れ、とう立ち、肥料切れのどれかです。原因ごとに手当てが違い、抜いてまき直したほうが早い場合もあります。
| 症状 | 原因 | 次にすること |
|---|---|---|
| わき芽が細く数も少ない | 摘みすぎか株の疲れ | 2週間摘まずに肥料を与えて回復を待つ |
| 茎がまっすぐ伸びて葉が減る | とう立ちが始まった | 柔らかいうちに摘み切り、株を片づける |
| 葉が黄色く小さい | 肥料切れ | 液体の肥料を週1回、3回続けて与える |
| 切り口が茶色く枯れ込む | 雨の日に摘んだか刃が汚い | 枯れた部分の下で切り直し、晴れた朝に作業する |
シュンギクの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
シュンギクの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はシュンギクの育て方にまとめています。
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