収穫の合図は葉が3から4割枯れたころ
収穫の目安は、株全体の葉のうち3割から4割が枯れ、下葉が黄色く垂れてきたころです。半分以上枯れるまで待つと外皮が裂け、鱗片がばらける玉割れが起きます。逆に葉が青々としているうちに掘ると、球が小さく貯蔵も効きません。
とうを摘んだ日から数えて、おおむね3週間から4週間後が収穫期にあたります。日付と葉の状態、この二つを突き合わせて判断すると外しにくくなります。
| 地域 | 収穫の目安 | とう摘みからの日数 |
|---|---|---|
| 暖地 | 5月下旬〜6月上旬 | 3週間前後 |
| 中間地 | 6月上旬〜中旬 | 3〜4週間 |
| 寒冷地 | 7月上旬 | 4週間前後 |
試し掘りで確かめる
葉の様子は品種と天候で変わるので、全部掘る前に必ず1株か2株を試し掘りします。畑の端ではなく、生育が平均的に見える場所の株を選んでください。端の株は条件が違い、判断を誤ります。
見るのは球そのものです。掘り上げて土を落とし、形と外皮の状態を確かめてから、畑全体を掘るかどうかを決めます。試し掘りをせずに葉だけで決めた年は、たいてい早すぎるか遅すぎるかのどちらかになります。
- 球の形を見る
- 底が平らで横に張っていれば適期です。丸くふくらんだままなら数日待ちます。底が凹んでいるのは掘り遅れです。
- 外皮の枚数を確かめる
- 球を包む皮が数枚しっかり残っていることが貯蔵の条件です。皮が薄く裂けかけていたら、すぐに全部掘ります。
- 鱗片の分かれ方
- 外から押して鱗片の輪郭が指で分かる程度が適期です。輪郭が浮き出て割れそうなら待ちすぎです。
- 1週間おきに見る
- まだなら埋め戻さず、その株は食べます。以降は数日おきに葉を見て、条件がそろった日を待ちます。
晴天が続く日に掘る
収穫日は天気で決めます。雨上がりに掘ると土が球に固く付き、水分を含んだまま乾燥に入るため、貯蔵中に腐る原因になります。晴れが2日から3日続いて土が乾いた日の午前中が最良です。
- 茎を持って真上に
- 株元をつかんで垂直に引き抜きます。斜めに引くと茎が切れ、球が土に残って傷つきます。
- 固い土は先に緩める
- 抜けないときはスコップを株から15センチ離した位置に差し、球を刺さないよう土を持ち上げてから抜きます。
- 土は手で落とす
- 水で洗いません。乾いた土は手でこすれば落ちます。濡らすと乾燥に時間がかかり、皮が黒ずみます。
- 畑で数時間干す
- 抜いたその場で並べ、半日ほど日に当てて表面を乾かします。ただし真夏日は日焼けするので日陰に移します。
梅雨入りと重なる年は、多少早くても晴れ間を優先します。適期のど真ん中で雨の日に掘るより、数日早い晴天の日のほうが確実です。
乾燥は風通しのよい日陰で吊るす
収穫直後のにんにくは水分が多く、そのまま置くと必ず腐ります。乾燥は保存作業ではなく、収穫の続きだと考えてください。目安は2週間から4週間、外皮がかさかさに鳴り、首の部分が細く固く締まるまでです。
- 根を切り、茎を残す
- 根は球の際で切り落とします。茎は吊るすため20から30センチ残します。葉は先のほうを切り詰めます。
- 5から10球ずつ束ねる
- 茎をまとめて紐で縛ります。束が太いと内側が乾かないので、球同士が触れすぎない程度に抑えます。
- 軒下や風の通る室内へ
- 直射日光は当てません。雨がかからず、風が抜ける日陰に吊るします。地面に置くと下側が乾きません。
- 乾いた合図
- 皮を触るとかさかさと音がし、首を握ると固く締まっていれば完了です。柔らかい球は乾燥不足なので分けて延長します。
| 条件 | 乾燥の目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 晴天が続く | 2〜3週間 | 乾きすぎて皮が剥がれても中身に問題はない |
| 梅雨と重なる | 3〜4週間 | 扇風機で風を送る。室内でも風がないと乾かない |
| 寒冷地の7月収穫 | 2週間前後 | 気温が高く乾きやすい。日焼けだけ避ける |
乾燥後の保存を使い方で分ける
乾燥が終わったら、使う時期で置き場を変えます。常温に置けるのは涼しい季節までで、気温と湿度が上がる夏を越すなら冷蔵か冷凍が必要です。何もしないまま夏を越すと、芽が動くか中がすかすかになります。
| 方法 | 持つ期間 | 向く用途 |
|---|---|---|
| 吊るしたまま常温 | 1〜2か月 | 秋までに使い切る分 |
| 紙に包んで冷蔵 | 半年前後 | 年内から春まで使う分 |
| 薄皮をむいて冷凍 | 半年以上 | 刻んで料理に使う分 |
| すりおろして冷凍 | 3か月前後 | 薬味として少量ずつ使う分 |
袋に密閉して常温に置くのが最も傷みます。湿気がこもって内側から腐るので、常温なら必ず風の当たる状態にしてください。
翌年の種球にする球の選び方
収穫したなかから翌年の種を選べるのが、にんにくを自分で作る利点です。ただし何でも使えるわけではなく、選び方を誤ると畑の力が年々落ちます。選別は乾燥が終わった時点で行い、種用と食用を最初から分けておきます。
- 平均より大きい球から
- 最大の球ではなく、上位の揃った球を選びます。極端に大きい球は二次生長を起こしていることがあります。
- 鱗片の数が品種どおり
- 六片系なら5から6片に整っているもの。片数が乱れている球は、翌年も同じ乱れが出やすくなります。
- 病気の出た株は外す
- さび病や春腐病が出た列の球は、見た目が良くても使いません。病原を翌年へ運ぶ役目をしてしまいます。
- 別に吊るして保管
- 食用と混ぜず、涼しく風の通る場所に吊るします。冷蔵庫に入れると発芽の条件が狂うことがあります。
同じ畑で自家採種を続けるとウイルスが蓄積して球が小さくなります。3年から4年に一度は種球を買い直して更新してください。
収穫と乾燥の失敗を切り分ける
掘ってみて思った球にならなかった年は、原因を収穫より前に探します。にんにくの球の大きさは冬までに作った葉の数でほぼ決まっており、収穫のやり方で取り返せる幅はそれほど大きくありません。
一方で、貯蔵中に傷むかどうかは収穫後の扱いでほとんど決まります。掘る日の天気、乾燥の場所と期間、置き場の風通しの三つは翌年すぐに直せるので、記録に残しておく価値があります。
- 傷んだ球は先に食べる
- 腐りは一つから隣へ移ります。乾燥中に柔らかい球を見つけたら、その場で外して食用に回し、優先して使い切ってください。
- 来年の畝を先に決める
- 同じ失敗が続くなら畝を替えます。排水の具合と前作を書き出し、秋の植え付けまでに場所を決めておきます。
| 見えている症状 | 考えられる原因 | 翌年に直すこと |
|---|---|---|
| 球が小さいまま | 冬までの葉数が足りなかった | 植え付けを早め、12月の追肥を守る |
| 外皮が裂けて鱗片がばらける | 収穫が遅すぎた | 葉が3から4割枯れた時点で掘る |
| 球の中から葉が伸びている | 春に窒素が効きすぎた | 止め肥以降は追肥しない |
| 吊るした球が首から腐る | 乾燥不足か雨に当てた | 風の通る日陰で2週間以上乾かす |
失敗の原因は収穫の日ではなく、多くが前の年の秋にあります。記録は掘った日だけでなく、植え付け日と年内の葉数まで残してください。
にんにくの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
にんにくの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はにんにくの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。