株の姿で肥料と水を判断する
クコは河原や海辺で育つ木で、肥えた土を必要としません。窒素が多いと枝が二メートルまで伸びて花がほとんどつかず、実も小さくなります。肥料を足す前に、枝の伸び方と葉の色を見て足りているかを判断します。
| 株の姿 | 判断 | 対処 |
|---|---|---|
| 枝が細く長く、葉が濃い緑 | 窒素過多 | 追肥を止め、六月に摘心する |
| 枝は伸びるが花が少ない | 肥料過多か日照不足 | 翌年の肥料を半分にする |
| 新枝が三十センチも伸びず葉が黄色い | 肥料不足 | 四月に少量の緩効性肥料を足す |
| 夏に葉が昼にしおれ夕方戻る | 乾き始め | 鉢は朝に水。地植えは様子を見る |
| 葉が黄色くなって落ち、土が湿っている | 過湿 | 水を止め、排水を直す |
水やりは乾かし気味に
地植えは根付いてしまえば、真夏に二週間以上雨がないときを除いて水やりは要りません。鉢植えは土の表面が乾いてから、鉢底から流れるまで与えます。常に湿っていると根が腐り、下葉から黄色くなって落ちます。
鉢植えで水の量が分からないときは、与えた直後の鉢の重さを持ち上げて覚えておきます。持ち上げて軽く感じたら与える、重ければ待つ、で判断できます。受け皿に水がたまったままだと根が腐るので、与えた後は必ず捨てます。夏の夕方に葉がしおれていても、朝に戻っていれば根は生きています。朝もしおれたままなら水切れなので、その日の朝のうちにたっぷり与えます。
- 鉢は表面が乾いてから
- 指で土の表面を触って乾いていれば与え、湿っていれば待ちます。真夏は朝一回、春秋は二日から三日に一回、冬は一週間に一回ほどが目安です。
- 地植えは真夏の晴天続きだけ
- 二週間以上雨がなく、葉が夕方になってもしおれたままなら、株元にバケツ一杯の水を注ぎます。それ以外は雨に任せます。
- 冬は乾かし気味に
- 落葉中は水をほとんど吸いません。鉢の土が白く乾いてから、暖かい日の午前中に与えます。受け皿の水はためないようにします。
実がふくらむ九月から十月に乾かしすぎると、実が小さいまま赤くなります。この時期だけは鉢の乾きに気をつけます。
肥料は年二回、少量で
肥料は二月の寒肥と、実がつき始める八月下旬の追肥(育ちの途中で足す肥料)の二回で足ります。どちらもリン酸とカリの多い果樹用の緩効性肥料をひと握り、株元から三十センチ離した場所にまきます。油かすや鶏ふんなど窒素の多い肥料は枝を伸ばすので、量を半分にします。
| 時期 | 肥料 | 量の目安 |
|---|---|---|
| 2月 | 堆肥と緩効性肥料 | 堆肥バケツ一杯、肥料ひと握り |
| 4月 | 様子を見て少量 | 新枝の伸びが弱いときだけ半握り |
| 8月下旬 | リン酸とカリの多い肥料 | ひと握り。実の肥大用 |
| 6〜7月 | 与えない | 摘心の時期。肥料を足すと枝が暴れる |
鉢植えは地植えの半分の量にします。八号鉢なら大さじ一杯ほどで足ります。
株元の管理と敷きわら
株元に草が茂ると風通しが悪くなり、アブラムシとうどんこ病が増えます。年に数回は株元の草を抜き、腐葉土か敷きわらを二センチほど敷いておくと乾燥と草の両方を抑えられます。地下茎から出た芽もこのとき見つけて抜きます。
敷きわらの代わりに刈り草や落ち葉を使うときは、うどんこ病の出た葉や種のついた草を混ぜないようにします。株元が常に湿っているようなら敷く厚さを一センチほどに減らし、乾きすぎるなら三センチに増やすといった具合に、土を触って厚さを調整します。冬は敷きわらを一度取り除き、地下茎から出た芽と越冬する虫を確かめてから新しいものを敷き直します。
- 春に敷きわらを足す
- 四月に古い敷きわらの上から新しいものを足し、厚さを三センチほどに保ちます。幹に直接触れないよう、株元は五センチほど空けます。
- ひこばえを見つけたら根ごと抜く
- 株から離れた場所に出た芽は、土を掘って地下茎ごと引き抜きます。地上部を切るだけでは翌月また出てきます。
実がつかないときの原因と直し方
クコは一本で実がなりますが、植えて一年目から二年目は花が咲いても実がつきにくいことがあります。三年目以降で実がつかないなら、肥料過多、日照不足、剪定の時期のどれかを疑います。夏に強く切ると花芽ができる八月以降の枝がなくなり、実が減ります。
実がついても小さいままなら、九月からの乾きと肥料切れを疑います。この時期に鉢が乾くと実が赤くなる前にしぼみます。土を触って乾いていたら朝に水を与え、八月下旬の追肥を忘れていたら九月上旬までに半量を足します。
| 原因 | 見分け方 | 直し方 |
|---|---|---|
| 肥料過多 | 枝が長く葉が大きく濃い | 翌年の肥料を半分にし、六月に摘心 |
| 日照不足 | 枝が細く花がまばら | 周りの木を切るか日の当たる場所へ移す |
| 夏の剪定が遅い | 八月以降に切った跡が多い | 夏の剪定は七月までに終える |
| 水の与えすぎ | 下葉が黄色く落ちる | 鉢は表面が乾いてから与える |
| 株が若い | 植えて二年以内 | 三年目まで待つ。肥料は控える |
花は咲くのに実が落ちるときは、開花期の長雨が原因のことがあります。鉢植えなら雨の当たらない軒下へ移すと実つきが戻ります。
クコの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
クコの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はクコの育て方にまとめています。
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