苗の姿で植え方を決める
クコは河原や海辺の土手に自生するナス科の落葉低木で、一株で花が咲き実がなります。雌雄をそろえる必要はなく、苗は一本で足ります。売られている苗は挿し木の一年生が多く、枝が細く頼りなく見えますが、根付けば一年で一メートル以上伸びます。
植える前に決めるのは、地植えにするか鉢に留めるかです。地植えは地下茎が四方に走り、数年で庭のあちこちから芽が出ます。抜きやすい場所か、根止めを入れられる場所でなければ、鉢植えのほうが管理は楽です。
| 場面 | 向く植え方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 広い庭の隅や土手 | 地植え | 地下茎が広がるので周囲一メートルは空ける |
| 花壇や菜園の中 | 根止め板を入れて地植え | 深さ三十センチの板で囲む |
| ベランダ・狭い庭 | 八号以上の鉢 | 二年ごとに植え替えて根を切る |
| 生け垣代わり | 五十センチ間隔で列植え | とげがあるので通路側には向かない |
枝には短いとげがあります。手袋をして扱い、子どもの通る道の脇には植えないようにします。
植え付けの適期は落葉期と春
落葉して休眠している十一月から三月上旬が植え付けの適期です。関東平野部なら二月下旬から三月上旬が失敗しにくく、寒冷地は雪解け後の四月に回します。ポット苗なら根を崩さず、五月から六月に植えても根付きます。
場所は日当たりのよい、水はけのよいところを選びます。痩せた土でも育ちますが、日陰では枝ばかり伸びて花が減ります。乾燥には強い一方で、水がたまる場所では根が腐りやすいので、低い場所なら盛り土をします。
- 植え穴は四十センチ四方
- 直径と深さがそれぞれ四十センチほどの穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土をバケツ一杯混ぜて戻します。肥料は少量で足り、入れすぎると枝が伸びるばかりで実がつきません。
- 根を広げて浅めに植える
- 根を放射状に広げ、苗が植わっていた深さと同じ高さで土を戻します。深植えすると株元から出る芽が減り、株の更新がしにくくなります。
- 植えたら三十センチで切り戻す
- 地際から三十センチほどの高さで枝を切ります。切ることで株元から複数の枝が出て、こんもりした株立ちになります。
- 水を与えて仮支柱を立てる
- バケツ一杯の水を株元へゆっくり注ぎ、細い支柱に麻ひもでゆるく結びます。根付くまでの一か月は土の表面が乾いたら水を足します。
地下茎を止める根止め
クコは地下茎で横に広がり、親株から一メートル離れた場所に芽を出します。菜園の中に植えるときは、植え穴の周りに根止め板を入れておくと後の手間が減ります。板がなければ底を抜いたプラスチックの鉢や、厚手の防根シートでも代わりになります。
- 深さ三十センチの板で囲む
- 植え穴の外周に沿って、幅三十センチほどの根止め板を地面から二センチ出るように差し込みます。板の合わせ目に隙間があると、そこから地下茎が抜けます。
- 囲いの外の芽は見つけ次第抜く
- 板の外に芽が出たら、土を少し掘って地下茎ごと引き抜きます。地上部だけを切ると同じ場所から何度も出てきます。
抜いた地下茎は捨てずに植えると苗になります。増やしたい場合はここから育てるのが一番早い方法です。
鉢植えで始めるとき
鉢は八号以上の深めのものを選び、用土は赤玉土六に腐葉土三、軽石一ほどの水はけのよい配合にします。地下茎が鉢の中で回るので、二年ごとに落葉期に鉢から抜き、根鉢の外側を三分の一ほど切って同じ鉢に戻すか、一回り大きい鉢に植え替えます。
鉢植えの用土には元肥(植えるときにあらかじめ混ぜる肥料)をほとんど入れません。緩効性の粒状肥料を小さじ一杯混ぜる程度にとどめ、腐葉土の養分だけで一年目を育てます。肥料が多いと鉢の中で枝が暴れ、あんどん支柱に巻ききれない長さになります。植え替えで根を切った直後も肥料は与えず、新芽が伸び始めてから足します。
| 鉢の大きさ | 株の目安 | 植え替えの間隔 |
|---|---|---|
| 六号鉢 | 一年生苗、枝数本 | 翌年の落葉期に八号へ |
| 八号鉢 | 高さ八十センチ、枝五から十本 | 二年ごとに根を切って戻す |
| 十号鉢以上 | 高さ一メートル、実を採る株 | 二年ごと。株分けもできる |
鉢は夏に乾きやすいので、株元に腐葉土か敷きわらを二センチほど敷いておくと水切れが減ります。
植えた年に育たないときの原因と手当て
クコは丈夫な木ですが、植えた年に枝が伸びない、葉が落ちるといった症状が出ることがあります。原因の多くは過湿か日照不足で、乾燥で枯れることはまれです。土の湿り具合と日当たりを見て切り分けます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が黄色くなって落ちる | 過湿・水はけ不良 | 水を控え、盛り土か鉢の用土を入れ替える |
| 枝は伸びるが細くひょろ長い | 日照不足・肥料過多 | 日の当たる場所へ。肥料を止める |
| 春になっても芽が動かない | 深植え・根の乾燥 | 株元の土を少し除いて浅くし、幹を削って緑なら待つ |
| 葉が縮れて小さい | フシダニ・アブラムシ | 病害虫のガイドを見て対処 |
地上部が枯れたように見えても、地下茎が生きていれば翌春に芽が出ます。六月までは抜かずに待ちます。
クコの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
クコの収穫までのコツは作物ページに
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