症状から見分ける
クコは丈夫な木ですが、葉が縮れる、白くなる、虫が集まるといった症状は毎年のように出ます。放っておいても枯れることはまれですが、実が減り小さくなります。まず葉と枝と実のどこに何が出ているかを表で見分けてから対処します。薬を使うのは、取り除いても一週間で広がるときだけにします。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 葉が縮れて小さく、表面がざらつく | クコフシダニ | 縮れた葉と枝先を切って処分 |
| 新芽の先に小さな虫が群がる | アブラムシ | 指でつぶすか水で流す |
| 葉の表面に白い粉が広がる | うどんこ病 | 白い葉を取り、枝を透かす |
| 葉に穴があき、ふんが落ちている | ガの幼虫・ハムシ | 見つけて捕る |
| 実に小さな穴があき中が空 | 実を食べる虫 | 落ちた実を集めて処分 |
| 葉が黄色くなって落ち、土が湿っている | 過湿・根腐れ | 水を止め排水を直す |
フシダニは葉が縮れたら疑う
クコフシダニは目に見えないほど小さなダニで、葉の中に入り込んで細胞を変形させます。春から夏に、新しい葉が縮れて小さくなり、表面がざらざらして黄色くなったらフシダニです。被害の出た葉は元に戻らず、放置すると株全体の葉が縮れて実がつかなくなります。
薬が届きにくい葉の中にいるので、症状の出た枝先を切って処分するのが一番確実です。冬の剪定で古い枝を減らし、落ち葉を集めておくと越冬する数が減ります。
- 縮れた葉と枝先を切る
- 縮れた葉が出た枝は、健全な葉の位置まで切り戻します。切った枝と葉は袋に入れて処分し、株元に置かないようにします。
- 春の芽出し前に薬を使う
- 毎年出る株は、三月の芽が動く前に果樹用の殺ダニ剤か石灰硫黄合剤を枝全体にかけます。葉が出てからでは効きにくくなります。
- 落ち葉を残さない
- 十二月に株元の落ち葉を集めて処分します。落ち葉の中で越冬するので、これだけで翌年の発生が減ります。
縮れた葉が全体に広がった株は、冬に地際で切り戻して春から出る新しい枝で仕立て直したほうが早く回復します。
アブラムシとうどんこ病は風通しで防ぐ
五月から新芽の先にアブラムシが群がります。吸われた葉は縮れ、排せつ物にすす病がついて葉が黒くなります。梅雨明けから夏にかけては葉に白い粉状のうどんこ病が出ます。どちらも枝が混んで風通しの悪い株に多く、六月の摘心(枝の先を摘んで伸びを止める作業)と七月の枝の整理で発生が減ります。
- アブラムシは見つけ次第落とす
- 新芽に群がっていたら指でつぶすか、ホースの水で流します。多ければ果樹用の殺虫剤を葉裏まで届くようにかけます。
- うどんこ病の葉は取る
- 白い粉の出た葉は見つけ次第取って処分します。広がっていれば野菜や果樹用の殺菌剤を使いますが、まず混んだ枝を切って風を通します。
- 株元の草を抜く
- 株元に草が茂ると湿気がこもります。年に数回草を抜き、敷きわらを敷いて土からの跳ね返りを減らします。
実を食べる虫と鳥
赤く熟した実は鳥に狙われ、実に穴をあける虫もつきます。実の中を食べる虫の被害は、落ちた実を放置すると翌年増えます。鳥は防鳥ネットで防げますが、クコの実は小さく数が多いので、朝のうちに摘んでしまうほうが手間が少ないこともあります。
鳥の被害は九月下旬から急に増えます。ネットを掛けるなら、実が橙に色づき始めたころに株全体を覆い、枝先が網に触れないよう支柱で浮かせます。枝に直接掛けると、網越しに実をついばまれるうえ、収穫のたびに外す手間が増えます。小さな株なら目の細かい寒冷紗を袋のようにかぶせるだけでも効きます。
| 状態 | 対処 | 予防 |
|---|---|---|
| 実に小さな穴、中が空 | 穴のあいた実と落ちた実を集めて処分 | 株元の敷きわらを冬に入れ替える |
| 熟した実が朝になると減っている | 赤くなった実を早めに摘む | 防鳥ネットか目の細かい寒冷紗 |
| 実が割れて汁が出ている | 割れた実を取り除く | 秋の長雨の前に熟した実を摘む |
病気ではないトラブルの見分け
病気と間違えやすいのが、過湿による葉の黄化、肥料過多による花なし、夏の高温による葉焼けです。どれも菌や虫が原因ではないので薬は効きません。下葉から黄色くなって落ちるのは根の過湿、葉は元気なのに花が少ないのは肥料過多、葉の縁が茶色く乾くのは西日と乾燥です。
- 土の湿り具合を触って確かめる
- 葉が黄色いときに土を触り、湿っていれば過湿、乾いていれば水不足です。手当てが逆なので必ず触って判断します。
- 葉の縮れ方を見る
- 葉全体が小さく硬くざらつくのはフシダニ、先端だけ巻くのはアブラムシ、縁が茶色く乾くのは乾燥です。裏に虫がいるかも確かめます。
- 一週間後に広がっているか比べる
- 症状を見つけたら写真に残し、一週間後に広がっているか比べます。広がっていなければ環境が原因のことが多く、薬は要りません。
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