収穫時期の見極め
花が咲いてから一か月ほどで実が緑から橙、赤へと変わります。収穫の目安は、実全体が濃い赤になってつやが出て、指で軽くつまむとわずかに弾力があることです。橙のうちに摘むと甘みが乗らず、赤くなりすぎてしぼんだ実は味が落ちます。迷ったら数粒を口に入れ、甘みが出ていれば摘み始めます。
| 実の見た目 | 熟度 | 扱い |
|---|---|---|
| 緑で硬い | 未熟 | そのまま待つ |
| 橙で少し硬い | 色づき始め | 三日から一週間待つ |
| 濃い赤でつやがあり、軽く弾力 | 収穫適期 | つまんで摘む |
| 赤黒くしぼんでいる | 熟しすぎ | 乾燥用なら使える。生食には向かない |
実の熟し方は枝ごとにばらばらです。週に一度、赤い実だけを選んで摘む作業を九月から十一月までくり返します。
収穫のしかた
実は小さく皮が薄いので、指の腹でつまんで軸から外します。引っ張ると皮が破れて汁が出るので、実を軽く持ち上げるようにします。とげのある枝の間に手を入れるので、薄手の手袋をすると作業が楽です。収穫は表面が乾いた午前中に行い、濡れた実は干すときにかびやすくなります。
一株から採れる量は、三年目の株で一シーズンに二百から五百グラムほどが目安です。週に一度の収穫で毎回ひと握り程度なので、干す量もそのつど少量になります。少量ずつ干すほうがかびにくく、ざるも小さくて済みます。摘み残した実は霜に当たると落ちるので、十一月の霜の予報が出たら赤い実を全部摘んでしまいます。
- 晴れた日の午前に摘む
- 露が乾いた午前中に収穫します。雨の後は実が水を含んで割れやすく、干すときも乾きが遅くなります。
- 指の腹でつまんで持ち上げる
- 実を指の腹で軽くつまみ、軸の方向へ持ち上げるとぽろりと外れます。外れにくい実はまだ早いので残します。
- 浅い容器に重ねずに入れる
- 摘んだ実は浅いざるや容器に一段で並べます。深い容器に重ねると下の実がつぶれて汁が出ます。
干して保存する
生の実は二日ほどで傷むので、食べる分以外は干して保存します。ざるに一段に広げ、風通しのよい日陰で一週間から十日、実がしわしわになって指で押しても汁が出なくなるまで干します。日なたに置くと色があせ、雨に当たるとかびます。
干した実は完全に乾く前に使うと保存中にかびます。乾き具合の目安は、指で強くつまんでも指に汁がつかず、実同士がくっつかないことです。半分に切って中心まで色が変わっていれば十分です。乾ききらないうちに容器に入れてしまったら、もう一度ざるに広げて二、三日干し直します。
- 洗ってしっかり水気を取る
- さっと水で洗い、キッチンペーパーで水気を取ってからざるに広げます。水が残ったまま干すとかびの原因になります。
- 日陰で一週間から十日
- 風通しのよい軒下や室内の窓辺に置き、毎日一度ざるを揺すって実を転がします。天気が悪い日は室内に取り込みます。
- 乾いたら密閉容器で保存
- しわが寄って硬くなったら、乾燥剤と一緒に密閉容器に入れます。冷暗所で半年、冷蔵庫なら一年ほど持ちます。
急いで乾かしたいときは、食品乾燥機か低温のオーブンでも乾かせます。六十度前後で半日が目安です。
葉と新芽の利用
クコは葉も使える木で、四月から五月の若葉を摘んで干すとお茶になります。実を採る株から葉を摘みすぎると花が減るので、葉用の株を分けるか、六月の摘心(枝の先を摘んで伸びを止める作業)で切った先端の葉を使う程度にします。若葉は天ぷらやおひたしにもできます。
| 用途 | 摘む時期 | 扱い方 |
|---|---|---|
| お茶 | 4〜5月の若葉 | 日陰で三日干して手でもみ、密閉容器へ |
| 天ぷら・おひたし | 4〜5月の新芽 | 摘んだ日に使う |
| 実の乾燥保存 | 9〜11月の赤い実 | 日陰で一週間から十日干す |
| 実の生食 | 摘んだその日 | 二日以内に食べきる |
実は生でも食べられますが、ほのかな甘みと苦みがあります。乾燥させると甘みが増して食べやすくなります。
実が少ない・干して失敗するときの原因
実が少ないときは肥料過多か夏の遅い剪定が原因のことが多く、水やりと追肥のガイドで扱っています。干す作業で失敗するのは、洗った後の水気、日なたでの乾燥、湿度の高い日の干し始めのどれかです。干し始めの三日で乾き方が決まるので、晴れが続く日を選びます。収穫が始まってからの追肥(育ちの途中で足す肥料)は八月下旬の一回で十分で、九月以降に足すと実より枝に養分が回ります。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 干している途中で白いかびが出た | 水気が残った・湿度が高い | かびた実を除き、室内の風通しのよい場所へ |
| 色が黒っぽくあせた | 日なたで干した | 日陰に移す。次回から最初から日陰で |
| いつまでもべたつく | 熟しすぎの実・乾燥不足 | 低温のオーブンで仕上げる |
| 保存中に虫がわいた | 密閉不足 | 冷凍で数日置いてから密閉し直す |
クコの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
クコの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はクコの育て方にまとめています。
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