一年の流れを表で確かめる
クコは春から初夏に枝を伸ばし、八月から十一月まで花と実が同時につきます。作業のヤマは二月の剪定と六月の摘心(枝の先を摘んで伸びを止める作業)で、あとは手がかからない木です。月ごとの作業を先に把握しておきます。
| 月 | 作業 | 目安・注意 |
|---|---|---|
| 1月 | 剪定の準備、ひこばえの整理 | 落葉した株の骨組みを見て残す主枝を決める |
| 2月 | 冬剪定、寒肥、植え付け | 主枝五から八本を三分の一切り詰める |
| 3月 | 植え付け、植え替え | 鉢は二年ごとに根を切って戻す |
| 4月 | 芽出し、敷きわら | 新芽の出方を見て弱い枝を外す |
| 5月 | 新枝の誘引、アブラムシの見回り | 枝が三十センチ伸びたら支柱に結ぶ |
| 6月 | 摘心 | 新枝が五十センチになったら先を摘む |
| 7月 | 二回目の摘心、風通し | 絡んだ枝の先を切る。うどんこ病に注意 |
| 8月 | 開花、追肥 | 下旬にひと握り。以降は枝を切らない |
| 9月 | 開花と結実、水やり | 実がふくらむ時期。鉢は乾かさない |
| 10月 | 収穫 | 赤く色づいた実から順に摘む |
| 11月 | 収穫の終わり、落葉 | 霜の前に残りを摘み、乾燥保存 |
| 12月 | 落葉、株元の整理 | 落ち葉を集めて処分し、地下茎の芽を抜く |
表は関東平野部の露地が基準です。寒冷地は開花が一か月遅く収穫が十月に集中し、暖地は七月から花が咲き始めます。
冬(十二月から二月)の作業
落葉して枝の配りが見えるので、剪定はこの時期に集中します。主枝を選び、古い枝を抜き、残した枝を三分の一切り詰めます。同時に株元から少し離した位置に堆肥を入れる寒肥を施し、地下茎から出た芽を掘って抜きます。剪定の順番は、古い主枝を抜く、ひこばえから次の主枝を選ぶ、残した枝を切り詰める、の三段階にすると迷いません。
- 落ち葉と落ちた実を集める
- 十二月に株元の落ち葉と落ちた実を集めて処分します。残すとうどんこ病の菌と虫の卵が越冬し、翌年の発生源になります。
- 寒肥は株元から三十センチ離す
- 二月に株の周りに浅い溝を掘り、堆肥バケツ一杯と緩効性肥料ひと握りを入れて埋め戻します。窒素の多い肥料は控えめにします。
- 支柱とひもを結び直す
- 剪定が終わったら、太った枝にひもが食い込んでいないか確かめ、古いひもは外して新しい麻ひもでゆるく結び直します。
春から初夏(三月から七月)の作業
三月に芽が動き、四月から五月にかけて新枝が一日に一センチ以上伸びます。五月からはアブラムシが新芽に集まるので、週に一度は枝先を見ます。六月に新枝が五十センチになったら摘心し、七月に絡んだ枝を整理して風を通します。
春の伸びが早いので、四月から五月は週に一度は株を見て回ります。新枝が三十センチほどになったら、垂れる前に支柱やひもに結んでおくと、六月の摘心のときに枝の長さをそろえやすくなります。鉢植えは五月から乾きが早まるので、土の表面を触って乾いていたら朝のうちに与えます。
- 五月は枝先のアブラムシを見る
- 新芽の先が縮れていたら裏を見ます。アブラムシがいれば指でつぶすか水で流し、多ければ果樹用の殺虫剤を使います。
- 六月に摘心する
- 新枝が五十センチほどになったら先端を五センチ摘みます。付け根近くからわき枝が出て、そこにも花がつきます。
- 七月に絡んだ枝を切る
- 枝が絡んで株の内側が暗くなっていたら、絡んだ枝の先を切って風を通します。八月以降は切らないので、七月中に済ませます。
夏から秋(八月から十一月)の作業
八月に薄紫の小さな花が咲き始め、十月まで次々に咲きます。花が終わって一か月ほどで実が赤くなり、開花と収穫が同時に進みます。この時期は枝を切らず、乾かさず、色づいた実から順に摘みます。八月下旬の追肥(育ちの途中で足す肥料)は果樹用の緩効性肥料をひと握り、株元から三十センチ離してまきます。
| 状態 | 見て判断すること | 作業 |
|---|---|---|
| 花が咲き始めた | 開花の始まり | 八月下旬に追肥ひと握り |
| 実が緑から橙に変わった | 熟し始め | 赤くつやが出るまで待つ |
| 実が赤く、触るとやわらかい | 収穫適期 | 指でつまんで摘む |
| 葉に白い粉が出た | うどんこ病 | 葉を取り、風通しをよくする |
| 葉が縮れて小さく黄色い | フシダニ | 縮れた葉を集めて処分 |
実は一度に赤くならず、一枝の中に花と青い実と赤い実が混ざります。週に一度、赤い実だけを摘む作業を秋の間くり返します。
作業が遅れたときの立て直し
剪定が三月にずれ込んでも、クコは芽吹きが遅めなので枯れることはありません。切る量を少し減らす程度で構いません。摘心が七月にずれたときは一度だけにし、八月以降は切りません。収穫が遅れて霜に当たった実は落ちてしまうので、霜の予報が出たら青い実は残して赤い実だけ全部摘みます。
| 遅れた作業 | そのまま進めるか | 戻し方 |
|---|---|---|
| 冬剪定が3月に | 芽が動く前なら切る | 切り詰めを四分の一に減らす |
| 摘心が7月に | 一度だけ行う | 翌年は六月中旬を目安にする |
| 追肥が9月に | 量を半分にして与える | 遅れたら翌年の寒肥に回す |
| 収穫が霜に間に合わない | 赤い実を全部摘む | 青い実はあきらめる |
クコの栽培に一年を通して使うもの
木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。
アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。
直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。
冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
- 規格の目安
- 目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
- 数量の目安
- 高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。
色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
- チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。
クコの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はクコの育て方にまとめています。
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