まず品種を決める
ブドウは品種によって育てやすさが大きく違います。日本の梅雨と夏の高温多湿では、ヨーロッパ系の品種は病気が出やすく、家庭では雨よけが要ります。初めてなら病気に強いアメリカ系か、その血を引く品種を選ぶと失敗が減ります。
| 系統 | 代表的な品種 | 家庭での育てやすさ |
|---|---|---|
| アメリカ系 | デラウェア、キャンベル・アーリー、ナイアガラ | 病気に強く雨に当たっても育つ。最初の一本向き |
| 欧米雑種 | 巨峰、ピオーネ、藤稔 | 実は大きいが黒とう病が出やすい。雨よけがあると安心 |
| ヨーロッパ系 | シャインマスカット、ロザリオ・ビアンコ | 病気に弱く、袋かけと雨よけがほぼ必須。中級者向け |
ブドウは一株で実がなる自家結実性なので、受粉用の別品種は要りません。
苗の選び方
苗は冬から早春に出回る一年生の接ぎ木苗が基本です。接ぎ木苗は台木の力で根が強く、土を選びにくくなります。挿し木苗より値段は高いですが、その後の育ちが安定します。
- 接ぎ目を確かめる
- 株元近くに接いだ跡がしっかりくっついているものを選びます。接ぎ目がぐらつくものや、テープの下がふくれて割れているものは避けます。
- 枝の太さを見る
- 鉛筆より太く、節の間が詰まった枝の苗が良い苗です。細くて節が間延びしている苗は前年に光が足りなかった苗で、植えても伸びが弱くなりがちです。
- 根を見て判断する
- ポット苗なら底穴から白い根が見えるものを選びます。根が黒く乾いていたり、鉢の中でぐるぐる巻いて固まっていたりするものは避けます。
植え付けの時期と場所
植え付けは葉を落として休眠している11月下旬から3月上旬が適期です。関東平野部なら、厳寒期を避けて2月下旬から3月上旬に植えると、根が動き出す前に落ち着きます。寒冷地は雪解け後の3月下旬から4月です。
場所は一日六時間以上日が当たる、風通しのよい所を選びます。ブドウは日照が足りないと枝ばかり伸びて実が付きません。壁際やフェンス沿いは誘引しやすく、家庭菜園では向いています。
| 地域 | 植え付けの目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 3月下旬〜4月中旬 | 霜が終わってから。冬は幹に藁や不織布を巻く |
| 関東平野部 | 2月下旬〜3月上旬 | 北風の当たらない南向きが理想 |
| 暖地 | 12月〜2月 | 夏の西日で鉢が熱くなりやすいので置き場に注意 |
地植えの植え穴を作る
ブドウの根は深く広く張ります。植え穴は直径と深さを50センチ以上とり、掘り上げた土に腐葉土か堆肥を二割ほど混ぜて戻します。水はけの悪い場所は、周りより10センチほど高く土を盛って植えます。
- 穴を掘って土を作る
- 直径50〜60センチ、深さ50センチの穴を掘り、底に堆肥をひとにぎりから二にぎり入れて土と混ぜます。生の堆肥が根に直接触れると根が傷むので、上に土をかぶせます。
- 根を広げて植える
- 根を放射状に広げ、接ぎ目が地面より上に出る高さで植えます。接ぎ目を埋めると穂木から根が出て台木の効果が消えてしまいます。
- たっぷり水をやる
- 土を戻したら株元に鉢一杯分の水をゆっくり注ぎ、土と根をなじませます。土が沈んだら足して、株元が周りより低くならないようにします。
- 枝を切り詰める
- 植えた後、枝を三芽から五芽残して切り戻します。長く残すと根の量に対して芽が多すぎ、どの芽も弱くしか伸びません。
鉢植えの用土と鉢
ベランダで育てるなら、初めは8号から10号の深鉢で十分です。土は水はけを重視し、赤玉土の中粒に腐葉土を三割混ぜた程度でよく育ちます。市販の果樹用培養土でもかまいません。
| 鉢の大きさ | 苗の年数 | 植え替えの目安 |
|---|---|---|
| 8〜10号 | 植え付け1年目 | 翌年か翌々年の冬に一回り大きく |
| 12〜13号 | 2〜3年目 | 実を付け始める。根が回ったら植え替え |
| 15号以上 | 4年目以降 | 二〜三年に一度、根を三分の一ほど切って同じ鉢へ |
鉢底石を厚めに敷き、鉢底から水が抜けることを植える前に確かめます。
植えた年に芽が伸びないときの見分け
植えて一か月経っても芽が動かないときは、慌てて掘り返さずに枝を触って確かめます。枝に張りがあり、爪で皮をこすると内側が緑なら生きています。ブドウは芽出しが桜より遅く、関東では4月中旬ころに動き出します。
- 皮の下の色を見る
- 枝先を少し削って、内側が緑なら待ちます。茶色く乾いていたら枝先が枯れているので、緑の所まで切り戻して芽の出直しを待ちます。
- 水のやりすぎを疑う
- 土がいつも湿っていると根が腐り、芽が出ません。表面が乾いてから水をやる間隔に戻し、鉢なら受け皿の水を捨てます。
- 伸びた枝は一本に絞る
- 芽が複数出たら、一番勢いのある一本を残して他をかき取ります。一本に力を集めると、その年のうちに一メートル以上伸び、翌年の骨格になります。
ブドウの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
ブドウの収穫までのコツは作物ページに
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