枝の伸び方で肥料の加減を判断する
ブドウは他の果樹より肥料を控えめにします。窒素が多いと新梢が太く長く伸びすぎ、花が落ちて実が付きにくくなります。まず前年の枝の姿を見て、今年の量を決めます。
鉢植えは土の量が限られるため、肥料の効きが地植えより早く、切れるのも早いです。粒状の緩効性肥料を少量ずつ、二か月おきに置き直す方が、一度に多く与えるより枝の伸びが安定します。
| 枝の姿 | 株の状態 | 今年の肥料 |
|---|---|---|
| 鉛筆〜小指の太さで節間が詰まる | ちょうどよい | 前年と同じ量 |
| 親指より太く節間が長い | 肥料過多 | 元肥を半分以下に減らす |
| 細く短く葉が小さい | 肥料不足か根の不調 | 元肥を少し増やし、根の水はけを確かめる |
元肥は落葉後の冬に
元肥(植え付けや年の初めに与える基本の肥料)は落葉後の12月から1月に与えます。株元から30センチ以上離れた所に溝を掘り、堆肥と粒状の有機肥料を入れて土を戻します。根は枝先の真下あたりまで伸びているので、幹のそばに置いても効きません。
- 地植えの量の目安
- 成木一本あたり堆肥をバケツ一杯と、有機配合肥料をひとつかみから二つかみが目安です。若木は半分にします。
- 鉢植えの量の目安
- 10号鉢なら緩効性の粒状肥料を大さじ一杯程度を鉢の縁に沿って置きます。土の表面に軽く混ぜると効きが安定します。
- 石灰は必要なときだけ
- ブドウは弱酸性から中性の土を好みます。酸性が強い畑では苦土石灰をひとにぎりまきますが、毎年入れる必要はありません。
肥料をやった直後に葉先が茶色く焼けたら濃すぎた合図です。たっぷり水をやって肥料分を流し、二週間は追加しません。
追肥は実の肥大期と収穫後
追肥(育ちの途中で足す肥料)は、実が大豆くらいになる6月中旬ころと、収穫を終えた9月から10月の二回です。開花前に与えると枝が伸びすぎて花が落ちるので、春には追肥しません。
| 時期 | 目的 | 量の目安 |
|---|---|---|
| 6月中旬 | 実の肥大を支える | 化成肥料をひとにぎり、鉢は小さじ一杯 |
| 9月〜10月 | 翌年の花芽の充実 | 有機肥料をひとにぎり、鉢は大さじ一杯 |
| 冬 | 元肥 | 堆肥と有機肥料 (上の節を参照) |
葉の色が濃く枝が勢いよく伸びているなら、6月の追肥は抜いてかまいません。
水やりは乾き具合を見て
地植えは根付いてしまえば真夏に一週間以上雨がないときだけ水をやれば十分です。鉢植えは乾きやすく、夏は毎日、春と秋は表土が乾いたら鉢底から流れるまでやります。冬は月に二〜三回、土が完全に乾かない程度に抑えます。
梅雨明けから収穫までの間は、水の与えすぎに注意します。実が色づく時期に土が湿りすぎると実が割れやすく、甘みも乗りにくくなります。
水やりの量は一回で鉢底から流れ出るまでが基本です。少しずつ何度も与えると表面の根ばかり増え、真夏に乾いたときに一気に弱ります。地植えでも、やるときは株元にじょうろで数杯分をゆっくり染み込ませます。
- 指で土を触って決める
- 表面から二〜三センチの土を指で触り、乾いていたらやります。表面が乾いても中が湿っていることが多いので、鉢を持ち上げて重さでも確かめます。
- 朝にやる
- 夏は朝のうちに与えます。夕方にやると夜間に土が湿ったままになり、病気が出やすくなります。
- 鉢はマルチで保護する
- 夏は鉢の表面に敷きわらやバークチップを敷き、鉢を直射日光から遮ります。鉢の熱で根が傷むと葉が急に萎れます。
袋かけと雨よけ
実が大豆くらいに育ったら、房ごと専用の袋をかけます。病気と鳥、虫を防ぎ、農薬の回数を減らせます。ヨーロッパ系品種は、棚の上に透明なビニールを張った簡単な雨よけがあると病気がぐっと減ります。
- 袋をかける前に房を整える
- 房の肩の部分と先端を切り落とし、粒が混みすぎている所を間引いてから袋をかけます。巨峰系は一房30〜35粒が目安です。
- 袋の口をしっかり止める
- 袋の口を枝に沿わせて折り、付属の針金で隙間なく止めます。隙間があると虫が入り、雨水がたまって腐ります。
- 収穫前に色を確かめる
- 収穫の二週間ほど前に袋の底を少し開けて色を見ます。着色を進めたいときは底を切って光を入れます。
葉の色や実の様子から不調を切り分ける
肥料と水の不調は葉に出ます。症状ごとに原因が違うので、まず観察してから手を打ちます。肥料をむやみに足すと悪化することが多いので、原因を絞ってから対応します。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉脈の間が黄色くなる | マグネシウム不足、水はけ不良 | 苦土石灰か水で薄めた液肥を葉にかける |
| 葉が大きく濃緑で花が落ちる | 窒素過多 | 追肥を止め、摘心を早める |
| 実が割れる | 乾燥後の急な多湿 | マルチで土の湿りを一定にし、袋をかける |
| 葉が縁から茶色く枯れる | 鉢の乾きすぎ、根の傷み | 水やりの間隔を見直し、根詰まりなら植え替え |
ブドウの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
ブドウの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はブドウの育て方にまとめています。
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