地植えか鉢植えかを冬の最低気温で決める
グレープフルーツは柑橘の中でも寒さに弱く、マイナス3度を下回る夜が続くと葉が落ち、マイナス5度前後で枝が枯れ込みます。関東平野部の露地でも内陸や北向きの庭では厳しく、まず自分の庭の冬の最低気温を確かめてから、地植えにするか鉢で動かすかを判断します。
迷ったら鉢植えから始めるのが安全です。三年ほど鉢で育てて樹が充実してから地植えに移すと、若木のうちに寒さで枯らす失敗を避けられます。
| 地域・場所 | 向く育て方 | 理由 |
|---|---|---|
| 南向きの庭で最低気温がマイナス2度まで | 地植え可 | 冬に不織布で覆えば越冬できる |
| 内陸・北向きでマイナス5度を下回る | 鉢植えで移動 | 露地では枝枯れと落葉が毎年起きる |
| ベランダ・屋上 | 鉢植え | 風が強いので壁際に寄せて冬は室内寄りへ |
| 暖地の沿岸部 | 地植え | 露地でほぼ無防備に越冬できる |
同じ庭でも建物の南側の壁際は夜の冷え込みが二度ほど和らぎます。地植えなら壁際を第一候補にします。
苗は接ぎ木苗の二年生を選ぶ
園芸店に並ぶのはほとんどがカラタチ台の接ぎ木苗です。種から育てた実生苗は実がなるまで八年から十年かかり、寒さにも弱いので、家庭では接ぎ木苗を選びます。品種はマーシュ(白肉、酸味がしっかり)とルビー系(赤肉、やや甘い)が手に入りやすく、赤肉のほうが少し寒さに弱い傾向があります。
- 接ぎ口を見る
- 株元から十センチ前後にある接ぎ口が、ふくらみすぎず皮がなめらかにつながっているものを選びます。テープが食い込んでいたり、接ぎ口から芽が出ている苗は避けます。
- 葉の色と数を見る
- 濃い緑の葉が枝先までしっかり残っている苗が健全です。葉が黄ばんでいたり、葉裏に白い綿のようなものが付いていれば、カイガラムシやコナジラミの持ち込みになります。
- 根鉢を確かめる
- ポットから少し抜いて、白い細根が回っているかを確かめます。根が黒くて崩れる苗は根腐れの可能性があるので買いません。
- 幹の太さで年数を判断
- 幹が鉛筆より太く、高さが六十センチ前後の二年生苗が扱いやすいです。細すぎる一年生苗は最初の冬を越すのが難しくなります。
植え付けは三月下旬から四月
植え付けの適期は、霜の心配がなくなり新芽が動き始める前の三月下旬から四月中旬です。秋植えは根が張る前に冬を迎えるので、グレープフルーツでは避けます。日当たりが良く水はけの良い場所で、西日と北風を建物や塀で避けられる位置が理想です。
- 植え穴を広く掘る
- 直径と深さがそれぞれ五十センチほどの穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土をバケツ二杯と苦土石灰をひとつかみ混ぜて埋め戻します。石灰は植え付けの二週間前に入れておくのが目安です。
- 接ぎ口を土に埋めない
- 接ぎ口が地面より五センチほど上に出る高さに植えます。深植えすると接ぎ口から根が出て台木の効果が失われ、寒さにも弱くなります。
- 支柱を立てて結ぶ
- 植え付け直後は根が張っておらず風で揺れるので、一・二メートルの支柱を斜めに立てて幹を八の字に結びます。揺れると細根が切れて活着が遅れます。
- たっぷり水をやる
- 植え穴に水鉢(土を輪にして盛った水だめ)を作り、バケツ一杯の水をゆっくり注ぎます。その後は一週間ほど土が乾いたら与える程度で、根が動くまで待ちます。
植え付け時に付いている実や花はすべて取ります。若木に実をならせると樹の生長が止まり、翌年以降の収量が減ります。
鉢植えの用土と鉢の大きさ
鉢植えは移動できる反面、根の量が限られるので水切れと根詰まりに注意が要ります。最初は八号から十号鉢に植え、二年ごとに一回り大きくして、最終的には十二号から十五号鉢で落ち着かせます。
| 鉢の大きさ | 苗の状態 | 用土の目安 |
|---|---|---|
| 八〜十号 | 購入直後の二年生苗 | 赤玉土小粒七、腐葉土三 |
| 十〜十二号 | 植え付けから二〜三年 | 赤玉土六、腐葉土三、軽石一 |
| 十二〜十五号 | 実をならせる成木 | 市販の果樹用培養土でよい |
鉢底には必ず鉢底石を三センチほど敷きます。柑橘の根は過湿に弱く、水はけが悪い鉢では冬に根腐れを起こします。
植え付け後にうまく育たないときの見分け
植え付けから一か月たっても新芽が動かないときは、根が水を吸えていないか、寒さで根が傷んでいるかのどちらかです。葉が丸まって垂れているなら水不足、葉が黄ばんで落ちるなら過湿か低温です。葉の姿を見てから対処を決めます。
- 葉が垂れて丸まるとき
- 指を第二関節まで土に入れて乾いていれば水切れです。鉢なら鉢底から流れるまで水をやり、地植えなら株元にバケツ一杯を二日おきに与えて様子を見ます。
- 葉が黄色くなって落ちるとき
- 土が湿ったままなら水を止め、鉢なら日なたに出して乾かします。四月にまだ夜が冷えるなら、不織布を夕方だけかけて朝に外します。
- 枝先だけが枯れるとき
- 植え付け時に根が乾いていたか、風で揺れて細根が切れています。枯れた枝先は緑の部分まで切り戻し、支柱の結び直しをして風を防ぎます。
グレープフルーツの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
グレープフルーツの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はグレープフルーツの育て方にまとめています。
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