収穫時期を色と手触りで判断する
グレープフルーツは十一月ごろから皮が黄色く色づきますが、その時点ではまだ酸味が強く、食べごろは二月から四月です。樹上に長く置くほど酸が抜けて甘くなりますが、寒さで凍ると味が落ちます。色づき、皮の弾力、地域の最低気温の三つを見て、収穫するか残すかを判断します。
| 実の状態 | 食べごろ | 扱い |
|---|---|---|
| 皮が黄ばみ始めた(十一〜十二月) | まだ酸っぱい | 寒冷地以外は樹上に残す |
| 皮が全体に黄色く、押すと少し弾力がある(一〜二月) | 酸が抜け始めている | 収穫して二〜四週間追熟させると食べやすい |
| 皮が濃い黄色で香りが強い(三〜四月) | 食べごろ | すぐ食べる。長く置くと実が浮く |
| 皮がぶよぶよで実が軽い | 過熟か凍害 | 味が落ちているので早めに使う |
赤肉のルビー系は白肉のマーシュより酸味が抜けるのが早く、二月には食べられることが多いです。
収穫のやり方
実は手でもぎ取らず、必ずはさみで切ります。引っ張ると枝の皮が裂けたり、実のへたの部分から腐りが入ったりします。晴れた日の午前中、実に露が乾いてから収穫すると保存中のカビが減ります。
収穫の順番は、日当たりのよい南側の外側からです。同じ樹でも北側や内側の実は熟すのが二週間ほど遅れるので、一度に全部取らず、色を見て何回かに分けます。
- へたを二度切りする
- まず果梗(実を枝につないでいる柄)を一センチほど残して切り、次にへたの際で切り直します。長い柄を残すとほかの実の皮を傷つけます。
- 外側の実から順に取る
- 日当たりのよい外側の実から先に熟すので、色の濃いものから順に取ります。内側の実は二週間ほど遅らせます。
- 傷の実は分ける
- 皮に傷や虫の食い跡がある実はカビが出やすいので、別の袋に分けて早めに食べます。傷のない実と一緒に置くと、カビが移ります。
- 収穫後にお礼肥
- 三月に収穫が終わったら、剪定と合わせて春肥を与えます。長く実を持たせた樹は体力を使っているので、肥料を欠かさないようにします。
追熟で酸味を抜く
早めに収穫した実は、風通しのよい涼しい場所に二週間から一か月置くと酸が抜けて食べやすくなります。温度は五度から十度が目安で、暖房のある部屋では実が乾いてしわになります。新聞紙で一個ずつ包むと乾燥とカビの両方を防げます。
追熟中に実がしぼんでくるのは乾燥のしすぎです。新聞紙の包みを二重にするか、より涼しく湿り気のある場所に移します。逆に包みが湿ってカビが出るなら、風通しのよい場所で半日乾かしてから包み直します。
- 一個ずつ新聞紙で包む
- 実同士が触れ合わないよう一個ずつ包み、段ボール箱に一段で並べます。重ねると下の実が傷みます。
- 玄関や北側の部屋に置く
- 五度から十度で暗い場所が理想です。冷蔵庫の野菜室でもよいですが、乾燥するので必ず包んでから入れます。
- 一週間ごとに確かめる
- 触って柔らかくなった実やカビの出た実を取り除きます。香りが強くなってきたら食べごろです。
保存と使い方
食べごろになった実は冷蔵庫の野菜室で二週間から三週間持ちます。一度に食べきれない年は、果汁を搾って冷凍するか、皮をマーマレードにすると長く楽しめます。皮は農薬を使っていなければ安心して使えますが、市販品のようなワックスはないので、表面をよく洗ってから使います。
皮に傷のない実なら、丸ごと野菜室で保存できます。半分に切った実はラップで断面を覆い、二日から三日で使い切ります。切った実は乾きが早く、香りも抜けるので、食べる分だけ切るようにします。
| 用途 | 保存方法 | 持つ期間の目安 |
|---|---|---|
| そのまま食べる | 新聞紙に包んで野菜室 | 二〜三週間 |
| 果汁 | 搾って製氷皿で冷凍 | 二〜三か月 |
| 皮のマーマレード | 煮沸した瓶に詰めて冷蔵 | 一か月ほど |
| 皮の砂糖漬け | 乾燥させて密閉容器 | 一〜二か月 |
グレープフルーツは一部の薬と飲み合わせが悪いことが知られています。常用している薬がある人は、食べる前に医師や薬剤師に確かめてください。
実が小さい・酸っぱい・実が浮くときの原因
収穫した実が期待と違うときは、前年の管理に原因があります。実が小さいのは摘果不足か夏の水切れ、酸っぱいのは収穫が早すぎるか日照不足、皮と果肉の間に隙間ができて浮いているのは樹上に長く置きすぎたか肥料の遅れです。原因ごとに翌年の作業を直します。
| 失敗の姿 | 主な原因 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 実が小さく数だけ多い | 摘果不足 | 七月に葉七十〜八十枚に一個まで減らす |
| 皮が厚く果汁が少ない | 夏の水切れか窒素過多 | 八月の水やりを増やし、夏肥を控えめに |
| いつまでも酸っぱい | 収穫が早い、日当たり不足 | 二月まで待つ。内側の枝を間引いて光を入れる |
| 皮と果肉の間が浮く | 樹上に置きすぎ、秋肥の遅れ | 三月までに収穫し、秋肥は十月中旬に |
| 実が全部落ちた | 六月の落果後の水切れ、隔年結果 | 七月の水管理を見直し、前年の実を減らす |
グレープフルーツの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
グレープフルーツの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はグレープフルーツの育て方にまとめています。
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