症状から原因を見分ける
柑橘の不調は、虫、病気、寒さ、肥料の問題が似た症状で出ます。葉に穴があくのか、白いものがつくのか、斑点が出るのか、季節はいつかを見て、まず原因を切り分けます。同じ落葉でも夏なら水切れ、冬なら寒さが最初の疑いです。
| 症状 | 考えられる原因 | まず確かめること |
|---|---|---|
| 新葉が食われて葉脈だけ残る | アゲハチョウの幼虫 | 葉の裏や枝に黒っぽい幼虫がいないか |
| 枝や葉に白い綿や茶色い粒が付く | カイガラムシ | 爪でこすると取れるか、べたつきがあるか |
| 葉や実に黄色い輪のある褐色の斑点 | かいよう病 | 春の強風や雨の後に増えていないか |
| 葉がすす状に黒く汚れる | すす病(カイガラムシの排泄物が原因) | 枝に虫がいないか |
| 新葉が縮れて丸まる | アブラムシかミカンハモグリガ | 葉に白い筋状の食い跡がないか |
| 冬に葉が丸まって黄色く落ちる | 寒さ | 最低気温がマイナス三度を下回っていないか |
アゲハチョウの幼虫は四月から見回る
柑橘の新葉はアゲハチョウの幼虫の大好物で、若木なら数日で丸裸にされます。四月から十月まで、成虫が飛んでいる間は繰り返し産卵されます。若いうちの幼虫は黒っぽく鳥の糞に似ていて、大きくなると緑色に変わります。小さいうちに見つけて手で取るのが最も確実です。
- 新葉の裏に卵を探す
- 直径一ミリほどの黄色い丸い卵が新葉の裏や枝先に付きます。見つけたら指でつぶします。
- 黒い小さな幼虫を取る
- ふ化したばかりの幼虫は五ミリほどで黒っぽく、新葉を端から食べます。割り箸でつまんで取り、処分します。
- 若木は防虫ネットで覆う
- 植え付けから二年ほどは葉の数が少なく被害が大きいので、四月から十月は目の細かいネットで樹全体を覆うと確実です。
- ネットが使えなければ薬剤
- 大きい樹で手に負えないときは、柑橘に使える野菜用・果樹用の殺虫剤を新葉に散布します。ラベルの適用作物を確かめてから使います。
カイガラムシは冬の間に落とす
枝や葉の裏に白い綿状や茶色の貝殻状のものが付いていたら、カイガラムシです。樹液を吸って樹を弱らせるだけでなく、排泄物に黒いカビが生えてすす病を招きます。成虫は殻に守られて薬が効きにくいので、冬の間に歯ブラシでこすり落とし、五月から六月の幼虫が動く時期に薬剤を使うと効果があります。
- 冬にこすり落とす
- 十二月から二月に、古い歯ブラシで枝に付いた成虫をこすり落とします。落としたものは地面に残さず集めて処分します。
- 冬に機械油乳剤を散布
- 剪定後の一月から二月に、果樹用の機械油乳剤を枝全体にかけると、殻の中の虫を窒息させられます。新芽が出る前に済ませます。
- 六月の幼虫期に薬剤
- 五月下旬から六月に白い粉のような幼虫が枝を歩き始めます。この時期なら果樹用の殺虫剤が効きます。
- 枝を間引いて風を通す
- 混み合った枝はカイガラムシのすみかになります。三月の剪定で内側の枝を抜いて風通しを良くすると、発生そのものが減ります。
かいよう病は風と傷から入る
葉や実に黄色い縁取りのある褐色の盛り上がった斑点が出るのが、かいよう病です。細菌が風雨で運ばれ、葉の傷やアゲハの食い跡、強風で葉がこすれた傷から入ります。グレープフルーツは柑橘の中でもこの病気にかかりやすい部類なので、風よけと傷を作らないことが予防になります。
- 病気の葉と実を取り除く
- 斑点の出た葉や実は見つけ次第に取り、ごみとして処分します。落ち葉も集めて、翌年の感染源を減らします。
- 風当たりを弱める
- 強風で葉がこすれると傷から菌が入ります。建物の風下に植えるか、風上に寒冷紗を張って風を弱めます。
- 春の新芽の時期に銅剤
- 四月の新葉が開く時期と、六月の実が小さいうちに、果樹用の銅剤を予防散布すると発生が抑えられます。
- ハモグリガと一緒に防ぐ
- 夏の新葉に白い曲がった筋を作るミカンハモグリガの食い跡から菌が入ります。夏枝を早めに摘むと、この虫の発生も減ります。
寒さで葉が落ちたときの手当て
冬に葉が丸まって落ちたり、枝先が茶色く枯れたりしたら、寒さの被害です。落葉しても枝が緑なら春に芽を吹くので、あわてて切らずに待ちます。枯れた部分の切除は三月に、緑の部分との境目がはっきりしてから行います。落葉した樹は翌年の実が減りますが、樹そのものは回復します。
| 被害の状態 | 回復の見込み | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が黄ばんで半分ほど落ちた | 春に芽吹く | そのまま防寒を強め、三月まで切らない |
| 葉が全部落ちたが枝は緑 | 回復するが今年の実は少ない | 三月に枯れた枝先だけ切り、肥料は控えめに |
| 枝先が茶色く枯れ込んでいる | 枯れ込みの下から芽が出る | 三月に緑の部分まで切り戻す |
| 幹の皮が縦に裂けている | 厳しい | 裂け目に癒合剤を塗り、接ぎ口より上から芽が出るか待つ |
接ぎ口より下から出た芽はカラタチ台木の芽です。トゲが長く三枚葉なのですぐ分かります。見つけたら付け根から取ります。
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