収穫適期は径と軟白部で見る
収穫の目安は、軟白部が30センチ前後、葉鞘の径が2センチ前後になったときである。日数で決めず、株元を握って太さを確かめる。細いうちに掘ると水っぽく、遅らせても急には太らないので、太さが止まった時点が適期になる。
| 状態 | 葉鞘の径 | 判断 |
|---|---|---|
| まだ早い | 1センチ前後 | もう1か月置くと目に見えて太る |
| 適期 | 2センチ前後 | 甘みと締まりがそろう |
| 置きすぎ | 3センチ以上で芯が硬い | とう立ちが近い。順に掘り上げる |
太さがそろわない畑では、太い株から順に掘る。間引くように抜くと残った株に光と土の余裕ができ、後から追いついてくる。
掘り上げ方
- 株から離して差し込む
- スコップを株の10センチ以上外側に垂直に差す。根の真下を突くと葉鞘が割れ、そこから傷んで日持ちしなくなる。
- 畝を横から崩す
- 畝の側面を崩して土をゆるめてから、株を手前に倒すように引く。真上に引き抜くと軟白部の途中で折れる。
- 必要な分だけ掘る
- ネギは畑に置いたほうが日持ちする。使う分だけ掘り、残りは土に埋めたままにするのが冬の間の最良の保存法である。
- 土がぬれた日を避ける
- 雨の直後は土が重く、引くと軟白部が折れる。晴れて土が乾いた日に掘ると、根鉢が崩れてきれいに抜ける。
掘ったあとの穴は必ず埋め戻す。開いたままだと隣の株の根が乾き、冬の寒風で軟白部が凍って傷む原因になる。
畑で越冬させる
根深ネギは霜に当たると甘みが増し、冬の間は畑がそのまま貯蔵庫になる。ただし寒風と凍結は避けたいので、初霜の前に葉の分かれ目の下まで土を上げ、株元を厚く覆っておく。
- 最終土寄せを霜前に
- 初霜の1か月前までに最後の土寄せ(株元へ土を寄せること)を終える。土が厚いほど凍結が届かず、春先まで軟白部がきれいなまま保たれる。
- 寒冷地は寝かせて埋める
- 積雪地では株を掘り上げ、畑の一角に寝かせて土をかぶせる。立てたままより凍害が少なく、雪の下からでも取り出せる。
- 春の伸び始めで区切る
- 3月に入って新葉が伸び出したら、貯蔵は終わりと考える。とう立ち(花茎が伸びて葉や根が硬くなること)が始まると芯が硬くなり、食味が急に落ちる。
霜に当てるのは味のためであり、耐えられるからではない。寒冷地で土が浅いまま冬を越すと、軟白部が凍って解けたときに腐る。
収穫後の保存
掘り上げたネギは、冷蔵庫に入れるより土のついたまま冷暗所へ置くほうが長持ちする。葉鞘は何枚もの葉が巻いた構造で、内側に水が入るとそこから傷むためである。洗うのは使う直前でよい。
- 土をつけたまま置く
- すぐ使わない分は洗わず、土をつけたまま新聞紙に包んで冷暗所へ立てて置く。洗うと葉鞘の間に水が入り、そこから傷む。
- 立てて保存する
- 横に寝かせると起き上がろうとして曲がり、その分だけ甘みを消費する。立てておくと日持ちが伸びる。
- 刻んで冷凍する
- 使い切れない分は小口切りにして保存袋で冷凍する。生の食感は戻らないが、汁物や薬味には十分使える。
葉先が枯れてきた株は、外側の葉を一枚むけば中はきれいなことが多い。傷んだ葉だけ落として使えば無駄が出ない。
春のとう立ちとネギ坊主
ネギは葉鞘径が5ミリから7ミリを超えた株が10℃以下の低温に30日以上当たると花芽を作り、春の高温と長日でとうが立つ。太い苗を秋に植えた畑ほど出やすく、坊主が立った株は芯が硬くなって食べにくくなる。
- 坊主は早く摘む
- ネギ坊主は見つけしだい根元から摘み取る。放置すると種に養分が回り、株全体がやせる。摘めばわき芽(葉のつけ根から出る芽)が伸びて利用を続けられる。
- 硬い芯は避けて使う
- とう立ちした株は中心の花茎だけが硬い。外側の葉鞘はまだ使えるので、芯を抜いて外側を刻めば無駄にならない。
- 坊主が出たら掘り急ぐ
- 畑の一部で坊主が立ち始めたら、その区画は数週間で全体に広がる。順番を繰り上げて掘り、使い切るか刻んで冷凍する。
とう立ちを根本から避けるには、秋の植え付けで太すぎる苗を使わないことに尽きる。径10ミリ以上の苗は春に坊主が並ぶ。
葉ネギは刈り取り再生と株分けで更新する
葉ネギは株元を3センチから5センチ残して刈れば、そこから再生して繰り返し穫れる。ただし分けつが進むと株が混み合い、一本ずつが細くなる。2年から3年に一度、株を掘り上げて分け、新しい場所に植え直す。
- 刈る高さを守る
- 地際で切ると再生しない。株元を3センチから5センチ残し、切ったあとに1平方メートルあたり化成肥料30グラムを追肥(育てている途中で足す肥料)すると立ち上がりが早い。
- 株分けは春か秋に
- 3月から5月、または9月から10月に掘り上げる。真夏と真冬は根の回復が遅く、分けた株がそのまま弱って消えやすい。
- 3本ずつに分ける
- 掘った株の古い根と枯れ葉を落とし、2本から3本ずつに分けて株間10センチから15センチで植え直す。1本ずつに分けると細くなる。
株分けは種まきの代わりになる。一度九条群を育てれば以後は分けて増やし続けられるので、毎年種を買う必要がなくなる。
うまく太らないときの原因
細い、白い部分が短い、葉が割れている。どれも収穫作業ではなく、育てている間のどこかに原因がある。抜いた株の姿から、前の作業のどこを外したかを振り返る。
- 細い株は残す
- 細い株は抜かずに残し、春まで置いて葉ネギとして使う。無理に太らせるより、採り方を変えるほうが早い。
- とう立ちを見つけたら
- とう立ちが始まった株は芯が固くなる。ネギ坊主が出る前に採り、固い芯を外して使い切ってしまう。
- 抜けないときの掘り方
- 引き抜くと折れる株は、片側から鍬を入れて土を崩す。根を切ってから起こすと軟白部を折らずに済む。
| 株の症状 | 疑う原因 | 翌年に直すこと |
|---|---|---|
| 径が細いまま | 株間が狭いか肥料切れ | 株間を5センチとり追肥を続ける |
| 軟白部が短い | 土寄せの回数が足りない | 4回以上に分けて積み上げる |
| 株元が緑のまま | 最終土寄せが遅すぎた | 収穫の30日前までに終える |
| 葉が割れて曲がる | 土寄せで分かれ目を埋めた | 分かれ目の少し下までにとどめる |
太さは最後の一か月では変わらない。細い年は、次の作で株間と土寄せの回数を先に直すほうが確実である。
ネギの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
ネギの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はネギの育て方にまとめています。
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