目標は軟白部30センチ
土寄せ(株元へ土を寄せること)の目的は、葉鞘に光を当てず白く伸ばすことである。目標は軟白部30センチ前後、径2センチ前後で、これを一度に埋めて作ることはできない。1回3センチから5センチずつ、4回から6回に分けて積み上げる。
一度に深く埋めない理由は、葉の分かれ目を土に沈めると生長点が窒息し、株元から腐るからである。かけてよい高さは、常に葉が分かれる位置の少し下までと覚える。
葉ネギにはこの作業がいらない。緑の葉を食べるものなので、土を寄せると株元が蒸れて分けつが鈍るだけである。土寄せは根深ネギ専用の仕事だと切り分けてよい。
| 作型と種類 | 土寄せの回数 | ねらう軟白部 |
|---|---|---|
| 根深ネギ(秋冬どり) | 4回から6回に分ける | 30センチ以上 |
| 根深ネギ(夏どり) | 高温期は回数を減らす | 25センチ前後 |
| 葉ネギ | 土寄せをしない | なし。緑の葉を採る |
| 鉢やプランター | 土を足して代える | 容器の深さまで |
夏の高温期は軟白部25センチ、それ以外の時期は30センチ以上を目安にする。高温期に深く埋めると軟腐病が出やすいためである。
回数と間隔の組み立て
最初の土寄せは、根が張って草丈25センチから30センチ、葉数4枚から5枚になったころに始める。以後は2週間から3週間おきで、気温が高い時期は間隔を詰め、低温期は伸びが遅いので長めにとる。日数ではなく株の伸びで判断する。
| 回 | 時期の目安 | かける高さ | ねらい |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 植え付けから約1か月 | 3センチ(溝の削り込み) | 株元を安定させ倒伏を防ぐ |
| 2回目 | 1回目の2〜3週間後 | 3〜5センチ | 溝を半分まで埋める |
| 3回目 | 溝が埋まるころ | 5センチ | 畝の形を作り始める |
| 4〜5回目 | 収穫の1〜2か月前まで | 5センチずつ | 軟白部を30センチまで伸ばす |
真夏は土寄せを休む。高温期に株元を埋めると軟腐病が出やすいので、8月は草取りとわらの補充だけにとどめる。
一回ごとの手順
土寄せは一連の流れで覚えると速い。草を抜き、肥料をまき、溝の壁か畝の肩から土を落とし、葉の分かれ目の下で止めて押さえる。この順序を毎回同じにしておくと、かける高さのぶれも小さくなる。
- 株元の草を先に抜く
- 土をかける前に株元の雑草を抜く。草ごと埋めると土の中で腐って熱を持ち、根が傷んで生育が止まることがある。
- 溝の壁を削って落とす
- 初期は溝の壁を上から削り、崩した土を株元に落とす。新しい土を運ぶより早く、溝も同時に浅くなって作業が進む。
- 葉の分かれ目の下で止める
- 土は葉が二股に分かれる位置の3センチ下までとする。ここを越えると生長点が埋まり、太らないまま芯が腐る株が出る。
- 土を押さえて締める
- かけた土は手やくわの背で軽く押さえる。ふかふかのままだと雨で流れ、株がむき出しになって軟白部が緑に戻る。
作業は葉が乾いた午前中に行う。露で濡れた葉に土がつくと、その土が乾かず葉鞘の間に残って病気の入口になる。
追肥は土寄せとセットにする
追肥(育てている途中で足す肥料)は土寄せのたびに行う。かけた土に肥料が入るため、根が伸びる先に養分を置ける。量は1平方メートルあたり化成肥料30グラムから50グラムで、株元に直接置かず、溝の壁ぎわか畝の肩にばらまいてから土をかける。
| 時期 | 追肥量(1平方メートル) | 置く場所 |
|---|---|---|
| 1回目の土寄せ時 | 化成肥料30グラム | 溝の壁ぎわ |
| 2〜3回目 | 化成肥料30〜50グラム | 畝の肩 |
| 4回目以降 | 化成肥料30グラム | 畝の肩(収穫1か月前で打ち切り) |
肥料を株元へ直接まくと、葉鞘の間に入って傷む。まいてから土をかぶせる順序を守れば、根やけと病気の入口を同時に避けられる。
失敗しやすい土寄せ
- 一度に埋めすぎる
- 秋に慌てて20センチ一度にかけると、葉の分かれ目が埋まり芯が腐る。取り返しがつかないので、遅れても数回に分けて積む。
- 雨上がりに土を寄せる
- 土が湿って重いときに寄せると、株元で固まって通気が絶たれる。表面が乾いてから作業すると、土がさらさらと入る。
- 最後の土寄せが遅すぎる
- 収穫直前に寄せても白くならない。夏なら3週間、冬なら1か月以上前に最終の土寄せを終えていないと、境目が薄緑のまま残る。
- 畝間の土を掘りすぎる
- 土を取り続けて畝間が深くなると、水がたまって根が傷む。足りないぶんは畑の外から土を運ぶか、通路の幅を広げて浅く削る。
土寄せの回数を減らして高さで補うことはできない。回数が仕事で、高さは結果である。この順序を崩すと軟腐病が出る。
最終土寄せから収穫までの間合い
最後の土寄せから収穫までは、夏どりで3週間、冬どりで1か月以上あける。白と緑の境目がくっきり出るまでに時間がかかるためで、短いと境が薄緑にぼやけ、締まりのない仕上がりになる。
- 最終の高さを決める
- 最後は葉の分かれ目のすぐ下まで一気に上げる。ここで軟白部の上端が決まるので、畝の形を整えながら左右均等に盛る。
- 畝の肩を締める
- 盛った畝の肩をくわの背でたたいて締める。冬の雨で崩れにくくなり、収穫まで軟白部が緑に戻らない。
- 一株掘って確かめる
- 最終土寄せの2週間後に一株だけ掘り、白と緑の境を見る。境がぼやけていれば、残りはさらに2週間待ってから掘る。
間に合わなかった年は、無理に埋めずそのまま収穫する。緑が残っても食べられるが、深追いすると芯が腐って一株も残らない。
ネギの土寄せに使うもの
土寄せは道具で速さが決まる作業です。株数が多いほど、手より道具のほうが早く終わります。
- くわ(平ぐわ)探す言葉「平ぐわ 家庭菜園」
- 規格の目安
- 刃幅 18cm 前後。柄は身長の 6 割くらいが振りやすい目安です。
通路の土を株元へ寄せる動きに向きます。畝立てにもそのまま使えます。
- 三角ホー探す言葉「三角ホー 土寄せ」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm。先が尖っているので、株の間へ差し込めます。
株間の狭い作物は、くわだと株を傷めます。細かいところは三角ホーのほうが確実です。
- 株数が数株なら、移植ごてでも足ります。
- 専用の土寄せ器は、畑がある程度の広さになってからで十分です。
ネギの収穫までのコツは作物ページに
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