植え溝は白い部分の型枠になる
根深ネギの軟白部の長さは、植え溝の深さと、その後に積み上げる土の高さの合計で決まる。浅い溝に植えると土寄せ(株元へ土を寄せること)を重ねても畝が崩れ、30センチの白い部分には届かない。だから溝を掘る段階で仕上がりが半分決まる。
溝は幅15センチ前後、深さ25センチから30センチが標準である。畝間は土寄せに使う土を確保するため90センチから100センチとり、複数条にするときも間隔を詰めない。
自分がどれを作るかで溝の深さが変わる。まず下の表で作型を決めてから掘る深さと畝間を決める。迷うなら深さ25センチを目安にし、土寄せに使う土を多めに残しておく。
| 作型と種類 | 溝と容器 | 仕上がりの目安 |
|---|---|---|
| 根深ネギ(秋冬どり) | 幅15センチ・深さ25〜30センチ | 軟白部30センチをねらう |
| 根深ネギ(夏どり) | 深さ20〜25センチとやや浅く | 軟白部25センチにとどめる |
| 葉ネギ | 溝を掘らず平畝に浅植え | 土寄せをせず緑の葉を採る |
| 鉢やプランター | 深さ30センチ以上の容器 | 足せる土の分だけ白くなる |
掘り上げた土は溝の片側だけに寄せておく。両側に散らすと土寄せのたびに畝間を歩けなくなり、作業のたびに株を踏む。
植え溝の掘り方
元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)は溝の底に入れない。根に触れると濃度障害で活着が止まるためで、化成肥料は溝の底から10センチ以上離した位置か、土寄せのときの追肥(育てている途中で足す肥料)に回す。
- 溝の向きを決める
- 南北方向に掘ると株に日が回りやすい。傾斜地では水が溜まらないよう、等高線に沿わせず、わずかに水が抜ける向きにする。
- 片側の壁を垂直に立てる
- くわで壁の一方を垂直に切り立てる。苗はこの壁に立てかけるので、壁が崩れていると苗が寝てしまい、葉の分かれ目が土に埋まる。
- 底をならして固めすぎない
- 溝の底は平らにならすが、踏み固めない。ネギの根は酸素を好み、締まった底では新根の出足が遅れて活着に日数がかかる。
溝は一度に全部掘らず、その日に植える長さだけ掘る。掘り置くと壁が乾いて崩れ、苗を立てかけられなくなる。
苗は壁に立てかけて浅く埋める
苗は溝の垂直な壁に、なるべく立てた姿勢で並べる。株間は5センチから8センチで、太くなる品種や分けつする品種は広めにとる。密植すると一本ずつが太らず、細いネギが束で立つ結果になる。
- 根だけを埋める
- 覆土は3センチほどにとどめ、葉の分かれ目は必ず地上に出す。ここを埋めると株元から腐り、活着したように見えて後から消える。
- 株の向きをそろえる
- 葉の広がる向きを条と平行にそろえて置く。隣の株と葉が重ならないため、光が下葉まで届き、土寄せのときも葉を折りにくい。
- 大きさ別に分けて植える
- 苗を太い順に選り分け、区画ごとにまとめて植える。生育がそろうので土寄せの高さを一律にでき、収穫も一度に片づく。
- 土を軽く握らせる
- 苗を置いたら根元の土を指で軽く寄せて押さえる。根が土に触れていないと、水をやっても吸えず、活着が一週間ほど遅れる。
植える深さを迷ったら浅いほうを選ぶ。浅すぎれば後の土寄せで足せるが、深く埋めた株は掘り直すまで元に戻せない。
わらを入れて乾燥と過湿を防ぐ
定植は根深ネギでもっとも失敗の出る工程である。夏の高温期に植えるため、活着前の数日で乾かすか、逆に水をやりすぎて根を止めるかのどちらかに振れやすい。わらはその振れ幅を小さくする道具になる。
- 株元にわらを敷く
- 覆土のあと、溝の中に刻んだわらや乾草を株元に沿って入れる。夏の乾燥を防ぎ、のちに土をかけたときの通気も確保できる。
- たっぷり一度かん水する
- 植え付け直後に溝へ水を流し込むように与える。以後は活着まで乾いたときだけ与え、常に湿らせない。過湿は根の伸びを止める。
- 真夏は夕方に植える
- 気温の高い時期は夕方に作業する。日中に植えると葉が水分を失い、活着前にしおれて枯れ込む株が増える。
植え付け直後の水やりは一度だけ十分に行う。以後の毎日のかん水は根を浅く張らせ、土寄せのたびに株が浮く原因になる。
葉ネギは浅く植えて広く使う
葉ネギは軟白部を作らないので、溝を掘らず平畝に浅植えする。分けつして株が横に広がるため、株間は根深ネギより広く、条間もゆとりをとると刈り取りのたびに手が入る。
| 種類 | 植え方 | 株間 | 条間 |
|---|---|---|---|
| 根深ネギ | 溝の壁に立てかける | 5〜8センチ | 90〜100センチ |
| 葉ネギ(畑) | 平畝に3センチ覆土 | 10〜15センチ | 30センチ |
| 葉ネギ(プランター) | 2〜3本まとめて植える | 8〜10センチ | 深さ20センチ以上 |
葉ネギを深く植えると株元が腐り、分けつも鈍る。根が隠れる程度の3センチ覆土にとどめ、倒れるようなら軽く土を足す。
活着しないときの手直し
植え付けから二週間で新葉が立ち上がらない株は、根が動いていない。抜いて根を見ると、白い新根が出ず古い根が茶色く縮んでいることが多い。原因は深植えか過湿、または苗が細すぎたかである。
- 深植えを直す
- 葉の分かれ目が埋まっている株は、土を指でかき出して分かれ目を地上に戻す。抜いて植え直すより傷みが小さく、回復も早い。
- 欠株を補植する
- 予備の苗を溝の端に仮植えしておき、欠けた場所へ移す。補植は植え付けから三週間以内に済ませないと、生育差が最後まで残る。
- 水がたまる場所を直す
- 溝に水が残る区画は、その部分だけ底を少し上げるか、畝間へ抜け道を切る。滞水が続くと根腐れで株がまとめて消える。
活着後の姿でその年の太さはおおむね決まる。追肥で挽回しようとして肥料を増やすと、葉だけ茂って葉鞘が締まらない。
ネギの植え付けに使うもの
植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。
地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。
- マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
- 規格の目安
- 長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。
マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
- 数量の目安
- ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。
1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。
根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。
- 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
- 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。
ネギの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はネギの育て方にまとめています。
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