種類と育てる場所で植え方を決める
グアバはフトモモ科の常緑果樹で、一本で花が咲いて実がなります。日本の家庭で育てるのは、大きな実がなるバンジロウと呼ばれる普通のグアバ、小さな赤や黄色の実がなるストロベリーグアバの二種類です。どちらも霜に弱く、関東平野部の露地では冬を越せません。
まず決めるのは、冬にどこへ入れるかです。普通のグアバは最低五度を切ると葉を落とし、氷点下で枝が枯れます。ストロベリーグアバは氷点下三度ほどまで耐えるので、暖地や軒下なら屋外で越せることもあります。取り込める場所の広さから、種類と鉢の大きさを逆算します。
| 種類 | 実の大きさと味 | 耐えられる寒さの目安 | 向く育て方 |
|---|---|---|---|
| 普通のグアバ(バンジロウ) | 直径五〜十センチ、香りが強い | 五度。氷点下で枝が枯れる | 八〜十号鉢で冬は室内へ |
| ストロベリーグアバ(赤) | 直径二〜三センチ、甘酸っぱい | 氷点下三度前後 | 鉢植え。暖地なら軒下で越冬 |
| ストロベリーグアバ(黄) | 直径二〜三センチ、酸味が弱い | 氷点下三度前後 | 鉢植え。実つきがよい |
| 実生苗(種から育てた苗) | 親と同じ実になるとは限らない | 種類による | 収穫まで三〜五年。試しに育てる用 |
初めてなら、実が小さくても寒さに強いストロベリーグアバのほうが失敗が少ないです。取り込む場所が広いなら普通のグアバでも育てられます。
苗は挿し木か接ぎ木のものを選ぶ
苗は五月から七月に園芸店や通販で出回ります。種から育てた実生苗は安く手に入りますが、実がなるまで三年から五年かかり、親と同じ実になるとは限りません。早く確実に実を採るなら、挿し木か接ぎ木の苗を選びます。葉につやがあり、枝が硬く締まった苗が健全です。
- 札で挿し木・接ぎ木を確かめる
- 苗の札に挿し木または接ぎ木と書かれたものを選びます。品種名だけで増やし方が書かれていない苗は実生の可能性があるので、店で確かめます。
- 葉の色とつやを見る
- 葉が濃い緑でつやがあり、葉先が茶色く枯れていないものを選びます。下葉が黄色く落ちている苗は、冬の管理が悪かったか根が傷んでいます。
- 根を鉢底から見る
- 鉢底の穴から白い根が見えるものは根が回っています。根が黒く、鉢を持ち上げるとぐらつく苗は避けます。
- 買った直後は日陰でならす
- 店から持ち帰った苗は、一週間ほど明るい日陰に置いてから日なたへ出します。いきなり強い日に当てると葉が焼けます。
植え付けは五月から七月の暖かい時期
植え付けと植え替えの適期は、最低気温が十五度を超える五月中旬から七月です。秋や冬に植えると根が動かず、そのまま弱ります。用土は赤玉土の中粒六に腐葉土三、軽石一ほどの水はけのよい配合にします。酸度はやや酸性から中性で構わず、ブルーベリーのような特別な土は要りません。
- 根鉢を軽くほぐす
- ポットから抜き、底で固まった根を指で軽くほぐします。根が黒く固まっている部分だけ切り、白い根は残します。
- 元肥を混ぜて植える
- 元肥(植えるときにあらかじめ混ぜる肥料)として緩効性の粒状肥料を八号鉢で大さじ一杯、用土に混ぜます。株元は鉢の縁から三センチ下にします。
- たっぷり水を与えて仮支柱
- 鉢底から流れるまで水を与え、細い支柱に麻ひもでゆるく結びます。一週間は明るい日陰に置き、新芽が動いたら日なたへ出します。
- 植えた年は実を期待しない
- 植え付けの年に花が咲いても、株を大きくするために実は落とします。二年目から実をならせると、株が弱らずに毎年採れます。
地植えは霜の心配がない暖地だけです。関東では軒下でも冬に枝が枯れるので、鉢植えで管理します。
鉢の大きさと仕立ての高さ
鉢は動かせる大きさが上限です。冬に室内へ運ぶことを考えると、十号鉢で高さ一・五メートルまでに仕立てるのが現実的です。毎年少しずつ大きな鉢に替えていき、十号か十二号で止めて、それ以上は根を切って同じ鉢に戻す管理にします。
| 鉢の大きさ | 株の目安 | 植え替えの間隔 |
|---|---|---|
| 六号鉢 | 一年生苗、高さ五十センチ | 翌年五月に八号へ |
| 八号鉢 | 高さ一メートル、実がつき始める | 翌年か翌々年に十号へ |
| 十号鉢 | 高さ一・五メートル、年に十〜三十個 | 二年ごとに根を切って戻す |
| 十二号鉢以上 | 高さ二メートル近く | 運ぶのが大変。キャスター台が要る |
鉢の下にキャスター付きの台を敷いておくと、秋の取り込みと春の出し入れが一人でできます。
植えた年に弱ったときの原因と手当て
植え付け直後の失敗は、寒い時期に植えた、水が多すぎた、日に当てすぎたのどれかがほとんどです。葉が黄色くなって落ちるのは水の多すぎか寒さ、葉の縁が茶色く焼けるのは急な直射日光、新芽が動かないのは根の傷みです。土の湿りと置き場所を見て切り分けます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 下葉から黄色くなって落ちる | 水の多すぎ・根腐れ | 表面が乾くまで水を止め、風通しのよい場所へ |
| 葉の縁が茶色く焼ける | 急な直射日光 | 半日陰へ戻し、一週間かけて日なたにならす |
| 春に植えたのに新芽が動かない | 地温が低い・根の傷み | 最低気温十五度を待つ。幹を削って緑なら待つ |
| 葉が縮れて小さい | 肥料過多・虫 | 肥料を止め、葉裏の虫を確かめる |
葉が全部落ちても、幹が緑で硬ければ生きています。暖かくなれば芽が出るので、六月まで抜かずに待ちます。
グアバの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
グアバの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はグアバの育て方にまとめています。
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