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行者にんにくの収穫と増やし方

行者にんにくの収穫と増やし方|一枚残して株を弱らせない

行者にんにくの栽培イメージ

読むのに約 4

行者にんにくは葉が二〜三枚のうちに一枚残して採るのが鉄則です。株分けと採種で少しずつ増やす方法もまとめます。

採ってよい株の見分け方

行者にんにくは一年に一度しか葉を出さないので、採りすぎると翌年の芽が細り、数年かけて株が消えます。採ってよいのは、葉が三枚出ている充実した株だけです。

二枚の株は採らず、一枚の株には手を付けません。植えた年も採りません。この線引きさえ守れば、同じ株から十年以上採り続けられます。

状態採ってよいか理由
植えた年の株採らない根が張るまで養分を残す
葉が一枚採らない採ると光合成ができなくなる
葉が二枚見送るのが安全翌年に備えて太らせる
葉が三枚以上一枚だけ採る残した葉で養分を作れる

採り方は根元から一枚だけ

採るときは葉を引き抜かず、地際の白い部分を少し残してはさみか包丁で切ります。引き抜くと鱗茎ごと持ち上がり、株そのものを失うことになります。

採りごろは葉が開き切る直前で、関東平野部なら四月下旬から五月中旬が目安です。開き切ってしまうと繊維が固くなり、香りも落ちていきます。

葉の枚数を数える
株ごとに葉の枚数を数え、三枚以上の株だけを選びます。二枚以下の株には印を付けて手を付けません。
地際で切る
白い部分を一センチほど残し、はさみで切ります。引き抜くと鱗茎が持ち上がり、株ごと失います。
外側の葉から採る
内側の若い葉は残し、外側の開いた葉から採ります。内側の葉がその年の養分を作り続けます。
採った日を記録する
採った日と枚数を株ごとに残します。翌年の芽の太さと見比べると、採りすぎかどうかが分かります。

採る量を増やしたいときは、株数を増やすのが唯一の道です。一株から多く採る方法はありません。

採ったあとの保存と使い方

行者にんにくは香りが命で、採ってから時間がたつほど抜けていきます。その日のうちに使うのがいちばんですが、保存するなら乾かさない工夫が要ります。

湿らせた紙に包んで袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で三日から五日は持ちます。量が多いときは、さっとゆでて冷凍するか、しょうゆ漬けにすると香りを長く楽しめます。

用途扱い方持つ期間
すぐ食べる湿らせた紙に包んで野菜室三日から五日
まとめて残すさっとゆでて小分けに冷凍一か月ほど
香りを残す生のまましょうゆに漬ける冷蔵で二週間から一か月

株分けで確実に増やす

行者にんにくは年を追うごとに子株ができ、数年で株がひとかたまりになります。込み合ったまま置くと葉が細るので、掘り上げて分けます。これが最も確実な増やし方です。

適期は涼しくなる十月で、休眠中なので株への負担が軽く済みます。掘り上げたら手で自然に離れるところで分け、無理に引きちぎらないようにします。

十月に掘り上げる
株から十五センチ離れた位置にスコップを入れ、根を切らないよう大きく掘り上げます。土は軽く落とします。
自然に離れる所で分ける
手で持って左右に開き、抵抗なく離れる場所で分けます。引きちぎると鱗茎が割れて腐りやすくなります。
一株ずつ植え直す
分けた株を十五センチから二十センチの間隔で植え直し、芽が二センチの深さになるようにします。
翌年は採らない
分けた株は根の張り直しに一年かかります。翌年の春は採らずに葉を残し、株を養います。

種を採ってまく方法

五月から六月に伸びる花茎に白い花が咲き、夏に黒い種ができます。種から育てると収穫までに五年以上かかりますが、株数を大きく増やすにはこの方法しかありません。

種は乾かすと発芽しにくくなるので、採ったらすぐにまきます。発芽は翌春で、一年目は細い葉が一枚出るだけです。数年は掘り返さない場所を選んでまきます。

黒く熟してから採る
実が割れて黒い種が見えたころに採ります。緑のうちに採ると発芽しません。数株分だけ花茎を残しておきます。
採ったらすぐまく
乾かすと発芽が落ちるので、その日か翌日にまきます。深さ一センチほどの浅い場所へ置きます。
苗床に名札を立てる
翌春まで芽が出ません。名札を立て、掘り返さない場所を選び、覆いをして乾かさずに越冬させます。

種を採らせた株はその年の消耗が大きくなります。種を採るのは充実した株だけにし、他の株は花茎を早めに切ります。

収穫でつまずいたときの立て直し

採ったら翌年の芽が細った、葉が固い、株が消えた。行者にんにくの失敗はほとんどが採りすぎで、戻すには年単位の時間がかかります。

翌年の芽が細くなった
採りすぎです。二年から三年は収穫を休み、六月の施肥と覆いを欠かさずに株を養い直します。
葉が固くて筋っぽい
採るのが遅れています。翌年は葉が開き切る前、四月下旬から五月中旬を目安に採ります。
採ったら株が消えた
葉を引き抜いて鱗茎ごと外れた可能性があります。以後は必ず地際で切り、引かないようにします。
分けた株が育たない
分けるときに鱗茎が割れたか、深植えです。芽の位置が二センチの深さか確かめ、深ければ浅く植え直します。

行者にんにくの収穫に使うもの

穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。

  • 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
    規格の目安
    刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。

    引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。

  • 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
    規格の目安
    20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。

    袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。

  • 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
    規格の目安
    厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。

    穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。

  • 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
    規格の目安
    通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。

    根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
  • 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。

行者にんにくの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は行者にんにくの育て方にまとめています。

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