完熟を見分ける
関東では五月下旬から六月中旬が収穫期です。実は青紫から濃い藍色に変わり、表面に白い粉(ブルーム)が乗ります。色が変わってすぐは酸味が強く、色づいてから五〜七日ほど待つと甘みが乗ります。見た目の色だけでは判断できないので、触った感触で決めます。
一粒食べてみるのがいちばん確実です。酸味の奥に甘みが感じられたら収穫を始め、酸っぱいだけなら三日待ってもう一度確かめます。同じ株でも日当たりのよい側から先に熟します。
| 見た目 | 触った感触 | 判断 |
|---|---|---|
| 青みが残る紫 | 硬く、引っ張らないと取れない | まだ早い。酸味が強い |
| 全体が濃い藍色で粉が乗る | 軽くつまむと外れる | 食べごろ |
| 黒っぽく少ししわ | 触ると汁が出る | 完熟を過ぎている。すぐ加工 |
| 紫だが実の付け根が緑 | 外れない | 五日ほど待つ |
採り方
皮が薄く、指で強くつまむと汁が出て潰れます。実の下に手を添え、親指と人差し指で軽く持って横に倒すように外すと傷が付きません。朝の涼しいうちに採ると実が締まっていて扱いやすく、日中に採ると柔らかくなって潰れやすくなります。
採った実は日に当てないよう、すぐ日陰か室内に運びます。容器の底に紙を敷いておくと、汁が出ても実どうしがくっつきにくくなります。
- 朝の涼しいうちに採る
- 気温が上がる前の午前中に採ります。前日の雨で実が濡れているときは、乾いてからのほうが日持ちします。
- 浅い容器に一段で並べる
- 重ねると下の実が潰れます。浅いトレーや平たいざるに一段で並べ、上に積まないようにします。
- 二〜三日おきに繰り返す
- 一株の実が全部熟すまでに二〜三週間かかります。一度に採り切らず、外れる実だけを二〜三日おきに拾っていきます。
揺すって落とす方法は簡単ですが、未熟な実も混じり、落ちた実が傷みます。少量なら手で採ります。
収穫量の目安
植えて三年目から採れ始め、五年目以降に成木一株で一〜二キロほどが目安です。関東では夏の消耗で北海道より少なめになります。実が小さくて数が多いときは、剪定で古い枝を減らすと翌年に大きくなります。
収量が伸びないときは、受粉樹との距離と夏の落葉の有無を確かめます。夏に葉を落とした年は翌年の花芽が減るので、収穫後の遮光が収量に直結します。
| 樹齢 | 収量の目安 | 実の大きさの目安 |
|---|---|---|
| 三年目 | 数十粒 | 小さめ |
| 五年目 | 1〜2キロ | 1.5センチ前後 |
| 八年目以降 | 2〜3キロ | 剪定次第で保てる |
保存は冷凍が基本
生の実は冷蔵庫でも二〜三日しかもちません。食べきれない分は当日中に冷凍します。凍らせても風味は落ちにくく、ジャムや果実酒に使うなら冷凍のほうが果汁が出やすくなります。
- 洗わずに冷凍する
- 水で洗うと皮が破れて汁が出ます。ごみを取り除くだけにして、金属トレーに一段で並べて凍らせます。凍ったら袋にまとめます。
- 使うときに洗う
- 凍ったまま流水でさっと洗い、解凍しきらないうちに鍋に入れるか、そのままヨーグルトに乗せます。
- 半年以内に使う
- 冷凍焼けで風味が落ちるので、半年を目安に使い切ります。袋の空気をできるだけ抜くと長持ちします。
冷蔵で保存するなら、洗わずに密閉容器に入れ、二日以内に食べます。常温に置くと半日で柔らかくなります。
加工の目安
酸味が強いので生食よりジャムや果実酒が定番です。ジャムは実の重さの五〜六割の砂糖で煮ると酸味と釣り合います。果実酒は氷砂糖と一緒に漬け、二〜三か月で色と香りが出ます。
ジャムを煮るときは、実が凍ったまま鍋に入れて砂糖をまぶし、三十分ほど置いて水分が出てから火にかけます。焦げにくく、色もきれいに残ります。
| 用途 | 分量の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| ジャム | 実1に対し砂糖0.5〜0.6 | 皮が柔らかいので裏ごし不要。焦げやすいので弱火 |
| 果実酒 | 実500グラム・氷砂糖200グラム・果実酒用の酒900ミリリットル | 二〜三か月で引き上げる |
| ソース | 実1に対し砂糖0.3と少量の水 | 肉料理や菓子に。冷凍実でも作れる |
収穫でよくある失敗と直し方
早採りして酸っぱい、採り遅れて鳥に食べられる、採った実が潰れる、の三つが大半です。どれも数日単位のずれで起きるので、色づき始めたら毎日株を見に行く習慣で防げます。
収穫の記録として、最初に採れた日と最後の日を書いておくと、翌年のネットを張る時期と、冷凍庫の空きを用意する時期の目安になります。
| 失敗 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 酸っぱすぎる | 色づいてすぐ採った | 軽くつまんで外れる実だけにする |
| 気づいたら実がない | ネットの遅れ | 色づき始めに張り、収穫のたびに戻す |
| 容器の底で潰れている | 重ねた・日中に採った | 朝に採り一段で並べる |
| 冷凍したら水っぽい | 洗ってから凍らせた | 洗わずに凍らせ、使う直前に洗う |
ハスカップの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
ハスカップの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハスカップの育て方にまとめています。
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