まず二品種そろえるかを決める
ハスカップは自家不和合性が強く、一本だけではほとんど実が付きません。花期の重なる別の品種を近くに植えて、初めて実がなります。苗を一本だけ買ってから実がならないと悩む人が多いので、最初に二本植える前提で場所を確保します。
北海道の在来系統のほか、近年は海外で育成された大粒で暑さにやや強い系統も流通しています。関東平野部なら暑さに強い系統を一本は入れておくと、夏の落葉が減ります。
| 系統 | 特徴 | 関東での育てやすさ |
|---|---|---|
| 北海道在来系 | 小粒で酸味が強い、香りが濃い | 夏の葉焼けが出やすい |
| 国内育成の大粒系 | 粒が大きく生食しやすい | 半日陰なら安定 |
| 海外育成の晩生系 | 甘みが強く木が大きくなる | 暑さにやや強く受粉樹向き |
品種名が分からない苗を二本買っても、同じ品種の挿し木苗だと受粉しません。札の品種名が違うことを確かめて買います。
場所は午前中だけ日が当たるところ
原産地は冷涼な湿地の縁で、夏の気温が30度を超える日が続く関東では西日が当たると葉が焼けて落ちます。理想は午前中に三〜四時間日が当たり、午後は建物や落葉樹の陰になる場所です。一日中日陰だと花芽が付かないので、明るさは確保します。
地植えなら北側か東側の壁際が向きます。鉢植えなら春から初夏は日なた、七月からは半日陰へ動かせるので、関東では鉢植えのほうが失敗が少ないです。
- 夏の午後の日差しを確かめる
- 植える前に七月から八月の午後二時ごろに候補地を見て、直射日光が当たるかを確かめます。当たるなら遮光ネットを張るか、鉢植えに切り替えます。
- 風通しを見る
- 湿気がこもる場所はうどんこ病が出やすくなります。壁と株の間は50センチ以上あけ、風が抜ける配置にします。
- 水はけを確かめる
- 雨の翌日に水たまりが残る場所は避けます。粘土質なら20センチほど高く盛り土をして、その上に植えます。
土は弱酸性で水もちのよい配合に
ブルーベリーほど強い酸性は要りませんが、ペーハー5.5から6.5の弱酸性で、湿り気を保ちながら水はけもある土を好みます。石灰は入れず、腐葉土やピートモスで有機物を多めにします。
| 場所 | 配合の目安 | 狙い |
|---|---|---|
| 鉢植え | 赤玉土小粒4・ピートモス3・腐葉土3 | 保水と通気を両立させる |
| 地植えの砂質土 | 掘り上げ土5・腐葉土3・ピートモス2 | 乾きを抑える |
| 地植えの粘土質 | 掘り上げ土4・腐葉土3・鹿沼土3 | 水はけを作る |
元肥(植え付け時に土へ混ぜる肥料)は緩効性の粒状肥料をひとつかみで十分です。入れすぎると根が傷みます。
植え付けの適期と手順
落葉している11月から3月上旬が適期です。ハスカップは芽吹きがとても早く、関東では2月末に動き始めるので、春植えは2月中に済ませます。芽が動いてから植えると、その年は伸びません。
- 穴を広く浅く掘る
- 根は浅く横に広がるので、深さ30センチ、直径50センチの穴を掘り、配合土を戻して中央を少し高くします。
- 根鉢を軽くほぐす
- 根が鉢の形に固まっていたら、外側を指で軽くほぐします。細い根が多いので、強くもみ崩さず表面だけにとどめます。
- 深植えしない
- 根鉢の上面が地面と同じ高さになるように置き、土を戻して株元を手で押さえます。接ぎ木苗ではないので、深さの目安は元の土の高さです。
- たっぷり水をやりマルチ
- 植えたらバケツ一杯の水を二回に分けて与え、株元にわらか腐葉土を厚さ5センチ敷きます。根が浅いので、乾燥を防ぐマルチは欠かせません。
株間と鉢の大きさ
成木で高さ1.5メートル、横幅1.5メートルほどになります。受粉樹どうしは近いほど虫が行き来しやすいので、株間は1.2から1.5メートルにします。離れすぎると受粉が落ちるので、3メートル以上は空けません。
| 容器 | 大きさの目安 | 植え替えの目安 |
|---|---|---|
| 買った直後の苗 | 7号鉢(直径21センチ) | 翌年の冬に一回り大きく |
| 三年目以降 | 10号鉢(直径30センチ) | 二年に一回、根を三分の一整理 |
| 地植え | 株間1.2〜1.5メートル | 植え替えなし |
植えた年に失敗しやすいところと直し方
植えた年の夏に葉が茶色くなって落ちるのは、暑さと乾燥によるもので、株が枯れたわけではないことがほとんどです。枝を指で曲げてしなるなら生きているので、秋まで水を切らさず待ちます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 七月以降に葉が縁から茶色くなる | 西日と乾燥 | 遮光ネットを張り、朝夕の水やりに切り替える |
| 春に芽が出ない | 植え付けが遅れ根が乾いた | 枝を曲げてしなれば水を続ける。折れるなら枯死 |
| 花は咲くが実が付かない | 受粉樹がない・品種が同じ | 別品種を1.5メートル以内に追加する |
| 葉が黄色く葉脈だけ緑 | 土がアルカリ寄り | ピートモスを株元に足し石灰を止める |
植えた年は実を期待せず、花が咲いても半分ほど摘んで木を育てると、翌年から安定してなります。
ハスカップの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
ハスカップの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハスカップの育て方にまとめています。
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