症状から原因を見分ける
ハスカップは病気に強く、農薬を使わずに育てられることが多い作物です。困りごとの大半は暑さと乾燥と鳥で、虫や病気は二番手です。葉の姿で見分けます。
見分けるときは、症状が株のどちら側に出ているかを見ます。日の当たる側だけなら暑さ、株全体に均等なら土や根、新芽だけなら虫を疑うと、原因を絞りやすくなります。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉の縁が茶色く巻いて落ちる | 葉焼け・乾燥 | 遮光と朝夕の水やり |
| 葉に白い粉が広がる | うどんこ病 | 葉を取り、風通しを改善 |
| 新芽が縮れて黒い粒が付く | アブラムシ | 水で流すか野菜用の殺虫剤 |
| 実が消え枝に傷 | 鳥(ヒヨドリなど) | 防鳥ネット |
| 葉が黄色く葉脈だけ緑 | 土のアルカリ化 | ピートモスを足す |
| 幹に穴があり木くずが出る | カミキリムシの幼虫 | 穴から針金で刺すか穴用の殺虫剤 |
葉焼けと夏の落葉
関東でいちばん多いのはこれです。七月以降、西日が当たる側の葉から縁が茶色くなり、ひどいと株の半分が落葉します。病気と違って葉に斑点や粉はなく、日の当たる側だけに出るのが見分けのポイントです。落葉しても枝が生きていれば秋に回復します。
- 枝の生死を確かめる
- 落葉した枝を指で曲げます。しなって戻れば生きていて、乾いてポキリと折れれば枯れています。枯れた部分だけ切り戻します。
- 遮光ネットを張る
- 南西側に遮光率50パーセント前後のネットを、株に触れないよう30センチ離して張ります。九月中旬まで続けます。
- 水やりを朝夕に分ける
- 昼に水をやると土の中が蒸れます。朝と夕方に株元へたっぷり与え、日中は葉に水をかけません。
鉢植えなら遮光より場所を移すほうが確実です。午前だけ日が当たる東側へ動かします。
うどんこ病
収穫後の梅雨明けから秋にかけて、葉の表面に白い粉をまいたような斑点が出ます。風通しが悪く、株の内側が混んでいると広がります。実への影響は少ないので、葉を取って風を通すのが基本の手当てです。
- 白い葉を早めに取る
- 粉が出た葉は見つけしだい摘み取り、株元に落とさず袋に入れて処分します。全体の三割を超えて広がっていたら、果樹用の殺菌剤を使います。
- 内側の細枝を抜く
- 収穫が終わっていれば、株の内側で重なった細い枝を付け根から抜き、風が抜けるようにします。
- 秋の落ち葉を残さない
- 落葉した葉に菌が残ります。十一月に株元の落ち葉を集めて処分し、新しいマルチを敷きます。
うどんこ病は乾燥気味で昼夜の寒暖差が大きいときに出やすい病気です。水やりは株元へ、葉は濡らさないようにすると広がりにくくなります。
アブラムシとカミキリムシ
四月から五月、新芽の先にアブラムシが群がることがあります。数が少ないうちは水で洗い流せば済みます。カミキリムシは幹の根元に産卵し、幼虫が中を食べて木くずを出します。放置すると枝ごと枯れるので、木くずを見つけたら急いで対処します。
| 時期 | 虫 | 見つけ方と手当て |
|---|---|---|
| 4〜5月 | アブラムシ | 新芽の縮れとテカりで気づく。水で流し、多ければ収穫後に野菜用の殺虫剤 |
| 6〜8月 | カミキリムシ成虫 | 幹をかじる痕。見つけたら捕まえる |
| 7〜10月 | カミキリムシ幼虫 | 株元の木くずと穴。針金で刺すか穴に殺虫剤を注入 |
| 5〜9月 | ハマキムシ | 葉が糸で巻かれる。巻いた葉ごとつぶす |
開花中と収穫直前の殺虫剤は避けます。使う場合は収穫までの日数を表示で確かめます。
鳥害
五月に実が色づき始めると、ヒヨドリやムクドリが完熟前から食べに来ます。実が小さく一斉に熟さないため、いちばん甘くなったころには先に食べられていることが多く、ネット以外に確実な方法はありません。
- 色づき始めに張る
- 五月中旬、最初の実が紫になったら、目合い2センチ以下の防鳥ネットで株全体を覆います。すき間があると鳥は入るので、裾を地面で留めます。
- 支柱で株から浮かせる
- ネットが枝に触れていると、外から実をつつかれます。支柱を三〜四本立てて、株から20センチ以上離して張ります。
- 収穫のたびに戻す
- 収穫でめくったネットはその都度戻します。一日開けていただけで食べ尽くされることがあります。
生理障害の見分け方
虫も病気も見当たらないのに調子が悪いときは、土か水の問題です。土がアルカリに傾くと葉が黄色くなり、水はけが悪いと根が傷んで葉先から枯れます。原因ごとに手当てが違うので、株元の状態を確かめてから直します。
| 見た目 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 若い葉が黄色く葉脈だけ緑 | 土のアルカリ化で鉄が吸えない | 石灰をやめ、株元にピートモスを足す |
| 葉先から枯れ、雨の後に悪化 | 水はけ不良で根が傷む | 盛り土か鉢の用土交換 |
| 葉が小さく枝が伸びない | 根詰まりか肥料切れ | 鉢は植え替え、地植えは寒肥を増やす |
| 実が小さくしなびる | 受粉不足 | 別品種の追加と人工授粉 |
ハスカップの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハスカップの育て方にまとめています。
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