どの枝に実が付くかを先に見る
ハスカップの花芽は前年に伸びた枝の節に付き、春にその節から短い新梢が出て、その付け根で咲きます。つまり去年伸びた元気な枝を切り詰めると実がなくなります。剪定は枝の先を切るのではなく、枝を選ぶ作業だと考えます。
若い株はほとんど剪定が要りません。植えて三年までは枯れ枝と地面につく枝を取るだけにして、株の形を作らせます。切るかどうか迷ったら、その枝に去年伸びた部分があるかを見て判断します。
| 枝の姿 | 実の付き方 | 扱い |
|---|---|---|
| 去年伸びた鉛筆ほどの太さの枝 | 節ごとに花芽が付き最もよくなる | 切らずに残す |
| 二〜三年生で細い枝が多く出た枝 | 実は付くが小粒 | 混んでいれば付け根で間引く |
| 五年以上たち樹皮が剥がれた古枝 | 花芽が少なく実が小さい | 株元から抜く |
| 株元から出た太い新しい枝 | 翌年からよくなる | 主枝候補として残す |
枝の年齢は樹皮の色で確かめられます。去年の枝は赤みのある茶色でつやがあり、三年を超えると灰色になって皮が縦に裂けてきます。
時期は落葉後から二月まで
落葉して枝の姿が見える12月から2月上旬が適期です。ハスカップは芽吹きが極めて早く、関東では2月下旬には芽が膨らみます。芽が動いてから切ると養分を失うので、1月中に終える予定を立てます。
寒冷地では雪が解けてから芽が動くまでの短い期間に切ります。暖地では十二月中に済ませるつもりで予定を立てると、芽吹きの早さに追い越されません。目安は芽の先がまだ固く締まっているうちです。
- 枯れ枝と病気の枝を先に取る
- 指で曲げて折れる乾いた枝、樹皮が黒く変色した枝は付け根で切ります。切り口が茶色く中まで変色していたら、緑の部分まで切り戻します。
- 地面に触れる枝を切る
- 横に広がって地面に触れる枝は実が土で汚れ、病気の入り口になります。付け根から切るか、上向きの枝の分かれ目で切ります。
- 内側に向かう枝を抜く
- 株の中心に向かって伸びる枝や、交差してこすれる枝は付け根で抜き、中心に光と風を通します。
四年目からの更新剪定
株が育つと、株元から毎年新しい枝が数本出てきます。この新しい枝を主枝にして、古い主枝を順に株元から抜くのが更新剪定です。全体の主枝を八から十二本に保ち、毎年二〜三本を入れ替えると、実の大きさが落ちません。
- 主枝の本数を数える
- 株元から出ている太い枝を数えます。十二本を超えていたら、いちばん古くて樹皮が剥がれている枝から順に、超えた本数だけ抜きます。
- 古枝は地際で切る
- 残す部分がないように、地面から3センチほどの位置でのこぎりを使って切ります。中途半端に残すと、そこから細い枝が乱れて出ます。
- 新しい枝を選ぶ
- 株元から出た新しい枝のうち、太くまっすぐなものを二〜三本選び、細くて弱いものは付け根で抜きます。
一度に主枝の半分以上を抜くと株が弱ります。多くても三分の一までにして、数年かけて入れ替えます。
枝先は切り詰めない
ほかの果樹のように枝先を三分の一切り戻すと、花芽をまとめて落とすことになります。枝先が枯れているときや、隣の株に当たるときだけ、花芽のない位置で切ります。伸びすぎて倒れる枝は、上向きの側枝が出ている場所で切り替えると、翌年も実が続きます。
| 場面 | 切り方 | 理由 |
|---|---|---|
| 枝先が枯れている | 枯れた部分の下の元気な芽の上で切る | 枯れ込みを止める |
| 隣の株や壁に当たる | 上向きの側枝が出る位置で切り替える | 花芽を残しつつ幅を抑える |
| 高さを抑えたい | 主枝を地際から抜いて低い枝を主枝にする | 先を切ると翌年実が減る |
夏に切ってよいもの
収穫が終わった直後の6月下旬から7月上旬に、株の内側が混んでいれば細い枝を少し抜く程度の夏剪定ができます。この時期は次の年の花芽を作る期間なので、太い枝を切るのは避けます。
夏に切るかどうかは、株の内側に手を入れて風が抜けるかで判断します。葉が重なって内側が暗く湿っているなら数本抜き、明るければ何もしません。
- 収穫後に混んだ細枝だけ抜く
- 指より細く、内側で重なっている枝を付け根で抜きます。光が株の中まで入る程度で止め、外側の元気な枝には触れません。
- 徒長した枝は残す
- 夏に株元から真上に勢いよく伸びる徒長(栄養が偏って枝だけが長く伸びること)枝は、翌年の主枝候補です。倒れそうなら支柱で支え、切らずに冬まで残します。
剪定の失敗と立て直し
切りすぎて翌年の実が付かなかったとしても、株そのものは元気に伸びます。一年は木づくりの年と割り切って、伸びた枝を切らずに残せば、その翌年には元に戻ります。
切りすぎたかどうかは、春の芽吹きの量で確かめます。株元から新しい枝が三本以上出ていれば回復力は十分なので、心配せず次の冬まで待ちます。
| 失敗の姿 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花がほとんど咲かない | 枝先を切り詰めた | その年は切らず、翌冬から更新剪定に切り替える |
| 実が小さく数だけ多い | 古枝を残しすぎ | 翌冬に古い主枝を三本抜く |
| 株の中心が枯れ込む | 光が入らない | 内向きの枝を抜き、主枝を十本以下にする |
| 切り口から枯れ下がる | 芽が動いてから切った | 枯れた部分の下で切り戻し、1月に済ませる |
ハスカップの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
ハスカップの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハスカップの育て方にまとめています。
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