症状から原因を探す
ヘーゼルナッツは病気には比較的強く、悩まされるのは主に虫と動物です。実に小さな穴があく、幹の根元におがくずが出る、葉が巻かれる、の三つが代表的な症状です。見つけた場所と時期から原因を絞ります。見つけたら、まず一株全体を見て広がり具合を確かめ、被害が一部なら手で取る、全体なら薬剤を考える、という順で判断します。
| 症状 | 考えられる原因 | 見る場所 |
|---|---|---|
| 殻に丸い穴 | ゾウムシ類の幼虫 | 落ちた実 |
| 根元におがくず | カミキリムシの幼虫 | 幹の地際 |
| 葉が巻かれて糸が付く | ハマキムシ | 新芽の先 |
| 新芽が縮れる | アブラムシ | 葉の裏 |
| 実が消える | リス・カラス | 収穫期の株元 |
落ちた実に穴があいていたら、その実を放置せず集めて処分します。中の幼虫が土に潜って翌年増えます。
ゾウムシ類の対策
初夏に成虫が若い実に産卵し、幼虫が中身を食べて秋に穴をあけて出てきます。穴のあいた実は中が空です。薬を使わない対策は、落ちた実を早く拾って処分し、土に潜る幼虫を減らすことです。成虫は六月ごろ木を揺すると落ちてくるので、この時期に数を減らすのが効きます。
- 六月に成虫を叩き落とす
- 朝の涼しい時間に木の下に白い布を広げ、枝を軽く揺すります。落ちてきた黒っぽい小さな甲虫を集めて処分します。数回繰り返すと産卵が減ります。
- 落果は毎日拾う
- 六月から七月に落ちる小さな実にも幼虫が入っていることがあります。拾ってビニール袋に入れ、ごみとして出します。
- 被害が多い年は薬剤を検討
- 毎年半分以上の実に穴があくなら、果樹に登録のある殺虫剤を六月の産卵期に使う方法があります。ラベルの対象作物と回数を守ります。
収穫した実は水に浮かべると、虫食いや空の実が浮きます。浮いたものを除いてから乾かします。
カミキリムシは早く見つける
幹の地際に木くずが出ていたら、カミキリムシの幼虫が中を食べています。放っておくと幹が空洞になり、風で折れたり枯れたりします。夏に成虫が幹をかじって産卵するので、六月から八月は根元をこまめに見ます。
- 木くずの出口を探す
- 根元の木くずを払い、幹に小さな穴を見つけます。穴から針金を差し込んで中の幼虫を突き刺すか、穴に専用の殺虫剤を注入します。
- 根元を覆う
- 産卵を防ぐには、幹の地際から三十センチほどを不織布や粗い布で巻いて成虫がかじれないようにします。梅雨前に巻き、秋に外します。
株仕立てなら被害を受けた幹を地際で切り、別の幹で更新できます。一本仕立ては早期発見が頼りです。
葉を食べる虫と病気
春の新芽にはアブラムシとハマキムシがつきます。どちらも数が少ないうちは手で取れば十分です。病気ではうどんこ病が夏の終わりに出ることがありますが、落葉前なので実への影響は小さく、落ち葉を集めれば翌年は減ります。
| 種類 | 出る時期 | 手当て |
|---|---|---|
| アブラムシ | 4〜5月 | 水で流す・指でつぶす |
| ハマキムシ | 5〜6月 | 巻いた葉ごと摘む |
| うどんこ病 | 8〜9月 | 落ち葉を集めて処分 |
| カイガラムシ | 通年 | 冬にブラシでこすり落とす |
枝が混んで風が通らないと虫も病気も増えます。冬の剪定で内側を開けるのが最も効く予防です。
薬を使わずに減らす工夫
家庭では農薬に頼らなくても、日々の見回りと環境づくりで被害をかなり抑えられます。ポイントは木の内側を明るく保つこと、落ちた実と葉を残さないこと、幹の根元を見やすくしておくことの三つです。
- 株元を裸にしておく
- 幹の周り五十センチは草を抜き、敷きわらも幹から少し離します。カミキリムシの木くずや落ちた実がすぐ見つかります。
- 冬に幹を洗う
- 落葉後、幹や太い枝をたわしで軽くこすり、カイガラムシや越冬中の卵を落とします。粗皮を剥ぎすぎないよう力は控えめにします。
- 週一回の見回りを決める
- 五月から八月は週に一度、新芽の先、葉の裏、幹の根元の三か所を見る日を決めます。早く見つかれば手で取れる段階で済みます。
天敵のテントウムシやクモは残します。殺虫剤を広く使うと天敵も減り、翌年かえって増えることがあります。
動物と生理的な障害
収穫期に実がなくなるのは、リスやカラス、ハクビシンの仕業です。落ち始めたら朝のうちに拾うか、木の下にネットを敷いて夕方回収します。実が空になる、殻がしわになる、といった生理的な障害は夏の乾燥と養分不足が原因なので、栽培の見直しで直します。
| 見た目 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 殻の中が空 | 受粉不良か夏の乾燥 | 人工受粉と夏の水やり |
| 実が小さくしわ | 肥料不足・枝の混みすぎ | 寒肥と冬の剪定 |
| 実が全部消える | リス・カラス | ネットと早朝の回収 |
| 葉が夏に黄色く落ちる | 水切れ | 敷きわらと水やり |
鳥よけの防鳥ネットは木全体を覆うと収穫しにくくなります。ヘーゼルナッツは落ちた実を拾う作物なので、地面のネットで十分です。
ヘーゼルナッツの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヘーゼルナッツの育て方にまとめています。
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