まず二品種そろうかを確かめる
ヘーゼルナッツは自家不和合性が強く、同じ品種の花粉では実がつきません。苗を一本買って数年待ち、花は咲くのに実がならないという失敗がいちばん多い作物です。植える前に、花期の重なる別品種を二本以上そろえられるかを先に確かめます。
日本で入手しやすいのは西洋ハシバミの改良品種と、在来のツノハシバミです。ツノハシバミは受粉樹として使えますが実は小さめです。庭の広さと目的に合わせて組み合わせを決めます。
| 品種の組み合わせ | 相性 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 西洋種二品種 | 花期が重なれば良い | 広い庭で収量を狙う |
| 西洋種+ツノハシバミ | 受粉は安定 | 在来種で丈夫さを足したい |
| 同じ品種を二本 | 実がつかない | 避ける |
| 一本だけ | 実がつかない | 観賞目的以外は避ける |
苗のラベルに受粉樹の品種名が書かれていることがあります。書いてあればその組み合わせをそのまま採用するのが確実です。
植える時期は落葉後から芽吹き前
植え付けの適期は葉が落ちてから新芽が動く前、関東平野部なら十一月下旬から三月上旬です。真冬の凍る時期を避け、十二月上旬か二月下旬から三月上旬が扱いやすいでしょう。寒冷地では春植えに寄せ、暖地は秋植えで根を先に張らせます。
鉢に入った苗なら五月ごろまで植えられますが、根を崩さないことが条件です。芽吹いてから根を崩すと一年分の成長が止まります。
| 地域 | 植え付け適期 | 注意点 |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 3月中旬〜4月上旬 | 凍結が終わってから |
| 関東平野部 | 11月下旬〜3月上旬 | 厳寒期の1月は避ける |
| 暖地 | 11月〜12月 | 秋植えで根を先に張らせる |
苗は根が乾くと弱ります。買ってすぐ植えられないときは仮植えするか、根を湿らせた新聞紙で包んで日陰に置きます。
地植えの株間と植え穴
成木は高さ三から五メートル、枝張りも同じくらいになります。株間は最低三メートル、できれば四メートル取ります。近すぎると内側の枝に日が当たらず、受粉樹側の花も減ります。
- 穴を大きめに掘る
- 直径六十センチ、深さ五十センチほど掘ります。掘り上げた土に腐葉土を二から三割混ぜ、元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)として緩効性の有機質肥料を一握り入れて下の方の土と混ぜます。
- 接ぎ木部分を土に埋めない
- 接ぎ木苗は接いだ部分が地面より上に出るように植えます。埋めると接いだ上から根が出て台木の性質が失われたり、ひこばえが増えたりします。
- 支柱を立てて水を回す
- 植えたら幹の脇に支柱を一本立てて結び、株の周りに土手を作ってたっぷり水を注ぎます。根と土のすき間を水で埋める意味があり、根付くまでの二週間は乾かさないように見ます。
受粉樹は風上側に置くと花粉が届きやすくなります。冬の風向きを思い出して配置を決めます。
鉢植えで育てるときの大きさ
鉢でも育てられますが、二本必要なので場所を二つ分見込みます。最初は八号から十号の鉢に植え、二年ごとに一回り大きくし、最終的には十二号から十五号が目安です。用土は市販の果樹用か、赤玉土七に腐葉土三を混ぜたものを使います。
| 鉢の大きさ | 苗の状態 | 植え替えまでの年数 |
|---|---|---|
| 8〜10号 | 一年生の接ぎ木苗 | 2年 |
| 12号 | 三〜四年目 | 2〜3年 |
| 15号以上 | 結実期 | 根詰まりを見て随時 |
鉢植えは幹の根元から出るひこばえがよく出ます。見つけたら根元から切ります。
植えた年の育て方
植え付けの年は実を期待せず、根を張らせることに専念します。芽吹いた後に伸びる枝は切らず、株元の草を抜いて風通しを保ちます。夏は一週間雨がなければバケツ一杯の水を与え、葉がしおれる前に補います。肥料は五月に一握りの化成肥料を株の周りにまく程度で十分です。
- 支柱の結び目を緩める
- 幹が太ると結び目が食い込みます。梅雨明けと秋の二回、結び目を確かめ、指一本入る余裕を残して結び直します。
- ひこばえは早めに取る
- 株元から出た芽は、一本仕立てなら見つけ次第、株仕立てなら残す三〜五本を決めてから他を地際で切ります。
- 夏の敷きわら
- 梅雨明け前に株元へ敷きわらかバークチップを五センチほど敷きます。乾きが遅れ、雑草も抑えられます。
一年目の冬に幹が一メートル以上伸びていれば順調です。五十センチ以下なら根付きが悪いので、翌春の肥料を少し増やします。
根付かないときの原因を切り分ける
植えて二か月たっても芽が動かない、葉が開いてすぐしおれる、といったときは根の状態から見直します。ヘーゼルナッツは根付きが比較的良い木なので、失敗の多くは深植えか水切れです。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 芽が動かない | 根が乾いた・深植え | 掘り上げて植え直す |
| 葉が開いてしおれる | 水切れか根の傷 | 毎日水をやり葉を半分落とす |
| 根元から芽ばかり出る | 接ぎ木部分を埋めた | ひこばえを切り、土を減らす |
| 葉が黄色く落ちる | 水のやりすぎ・排水不良 | 土手を崩し水を控える |
幹の皮を爪で少し削り、下が緑なら生きています。茶色なら枝の先から順に確かめ、緑の部分まで切り戻します。
ヘーゼルナッツの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
ヘーゼルナッツの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヘーゼルナッツの育て方にまとめています。
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