仕立て方を先に決める
ヘーゼルナッツは根元から次々に枝が出る性質があり、自然にまかせると大きな株立ちになります。管理のしやすさから、家庭では幹を一本にする一本仕立てか、三から五本の幹を残す株仕立てのどちらかに決めます。
一本仕立ては収穫や下草刈りが楽で、鉢植えにも向きます。株仕立ては古い幹を順に更新できるので長く育てやすい反面、広さが要ります。庭の幅が四メートル取れるなら株仕立て、それ以下なら一本仕立てが目安です。
| 仕立ての種類 | 向く場所 | 手間 |
|---|---|---|
| 一本仕立て | 鉢植え・狭い庭 | ひこばえを毎年切る |
| 株仕立て | 広い庭・畑 | 古い幹を数年ごとに更新 |
| 放任 | 広い雑木林風の庭 | 収穫しにくく実が減る |
苗のうちに決めるのが楽です。三年目以降に一本に絞ると切り口が大きくなり、株が弱ります。
花芽の付き方を知る
雄花は秋のうちに枝先に細長い房として姿を現し、冬を越して二月から三月に花粉を飛ばします。雌花は同じ枝の芽の先に赤い糸のような柱頭を出すだけで、気づきにくい小さな花です。どちらも前年に伸びた枝につきます。
つまり冬に枝先をすべて切り詰めると、その年の花を全部落とすことになります。切るのは混み合った枝や古い枝で、元気な一年枝の先は残すのが基本です。
- 秋に雄花の房を確かめる
- 十月ごろ、枝先に緑色の細い房がぶら下がっていればそれが雄花です。房のついた枝は冬に切らない枝として覚えておきます。
- 赤い糸を探す
- 二月から三月、芽の先から赤い糸のようなものが出ていれば雌花です。長さ数ミリなので、晴れた日に近づいて確かめます。
雄花の房が全然ない木は、前年に強く切りすぎたか、まだ若いかのどちらかです。若木は三から四年目から花をつけます。一年待って房が出れば剪定の加減が原因です。
冬の剪定で骨格を作る
落葉して枝が見える十二月から二月に行います。目標は、中まで日が入る開いた形にすることです。ヘーゼルナッツは内側が暗いと花芽がつかず、実も小さくなります。切る量は全体の枝の二〜三割までを目安にし、迷った枝は残して翌年に判断します。
- ひこばえを根元から切る
- 株元から出た若い枝は、株仕立てで残す幹に選んだもの以外はすべて地際で切ります。残すと養分を取られ、主幹の実が減ります。
- 内向きと交差する枝を抜く
- 幹の内側へ向かう枝、ほかの枝とこすれる枝を付け根から切ります。枝の数を減らして風と光を通します。
- 長すぎる枝は三分の一まで
- 一メートル以上伸びた勢いのよい枝は、先の三分の一ほどを切って脇枝を出させます。中くらいの枝は花芽が多いので切らずに残します。
- 古い幹は更新する
- 株仕立てでは、太くなって実が減った八年目以降の幹を地際で切り、代わりに若いひこばえを一本育てます。一度に切るのは一本までにします。
太い枝を切ったら切り口に癒合剤を塗ります。ヘーゼルナッツは切り口から枯れ込むことがあります。
切る枝と残す枝の見分け方
迷ったら枝を手に取り、太さと向き、芽の付き方を見て判断します。鉛筆より太く前年に三十〜六十センチ伸びた枝は花芽が多く、残す価値があります。細くて短い枝や、下向きに垂れた枝は実が小さくなるので付け根から抜きます。
| 枝の姿 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 鉛筆ほどの太さで三十〜六十センチ | 残す | 花芽が多い |
| 一メートル超えの太い枝 | 先を三分の一切る | 脇枝を出させる |
| 細く短い枝 | 付け根で抜く | 実が小さい |
| 下向き・内向き | 付け根で抜く | 日を遮る |
切り口が親指より太くなるなら、一冬で切らずに二年に分けます。ヘーゼルナッツは大きな切り口から枯れ込みやすい木です。
夏の管理は軽くする
夏は基本的に切りません。ただし六月から七月にかけて株元から出るひこばえと、幹の途中から出た徒長(枝が勢いよく伸びすぎること)した枝は、柔らかいうちに手で取ります。冬に太くなってから切るより株への負担が小さくてすみます。
| 時期 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 6月 | ひこばえを手で取る | 長さ二十センチ以内のうち |
| 7月 | 徒長枝の先を摘む | 六十センチを超えたもの |
| 8月以降 | 何もしない | 花芽ができる時期 |
八月以降に枝を切ると、来年の花芽をつける枝を減らします。伸びすぎが気になっても冬まで待ちます。
切りすぎたときの立て直し
強く切りすぎると翌年は徒長枝ばかりが伸び、花も実もつかない年になります。慌ててさらに切ると悪循環です。一年は伸ばすままにして、次の冬に枝を選ぶ程度にとどめます。
| 姿 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 長い枝ばかりで花がない | 冬に切りすぎた | 一年切らずに落ち着かせる |
| 内側が暗く葉が小さい | 枝を残しすぎた | 冬に内向き枝を抜く |
| 株元が枝だらけ | ひこばえ放置 | 残す幹を決めて他は地際で切る |
実がつくまで二から三年かかるのが普通です。若木のうちは花がなくても剪定の失敗とは限りません。
ヘーゼルナッツの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
ヘーゼルナッツの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヘーゼルナッツの育て方にまとめています。
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