毬花の姿で収穫の時期を見極める
ホップの毬花は七月から八月に付き始め、八月下旬から九月中旬に熟します。若い毬花は緑が濃くしっとりしていますが、熟すと色が薄い黄緑になり、触ると紙のようにかさかさと音がします。この状態が収穫の適期です。
毬花を縦に割ると、根元に黄色い粉(ルプリン)が見えます。この粉が香りと苦みの元で、熟すほど量が増えて鮮やかな黄色になります。指でつぶして強い香りが立ち、指に黄色い粉が付くようになったら穫ります。品種と天候で前後するので、日付ではなく毬花の姿で判断します。
| 状態 | 見た目と手触り | 判断 |
|---|---|---|
| 若い | 濃い緑でしっとり。押すとつぶれて戻らない | まだ待つ |
| 適期 | 薄い黄緑でかさかさ音がする。押すと弾力で戻る | 穫る |
| 熟しすぎ | 茶色くなり、粉が落ちる。ばらける | 急いで穫る。香りは落ちる |
つるごと下ろして毬花を摘む
高いところの毬花を一つずつ摘むのは大変なので、収穫はつるを地際から三十センチほど残して切り、支えのひもごと下ろしてから毬花を摘みます。つるを切っても株は死なず、翌春に株元から新しい芽が出ます。
毬花は付け根の短い茎をつまんで、ひねるようにして摘みます。葉や茎が混ざると乾燥中にかびの原因になるので、毬花だけを選んでかごに集めます。作業は露が乾いた午前中に行い、摘んだ毬花はその日のうちに乾燥に入ります。つるのとげで腕が傷つくので長袖と手袋を着けます。
- 露が乾いてから作業を始める
- 朝露が乾いた午前中に作業します。濡れた毬花は乾燥に時間がかかり、かびが出やすくなります。長袖と手袋を着けます。
- つるを地際三十センチで切る
- つるを地際から三十センチほど残してハサミで切り、支えのひもごと引き下ろします。ひもは切って構いません。
- 毬花だけをかごに摘む
- 毬花の付け根をつまんでひねるように摘み、葉や茎を混ぜないようにかごに入れます。傷んだ毬花や茶色いものは分けます。
- 一部を残して段階的に穫る
- 上の毬花から熟すので、一度に穫らずに上の三分の一だけ先に摘み、残りは一週間後に穫る方法もあります。
摘んだその日に乾かし始める
生の毬花は水分が多く、そのままでは一日で傷みます。摘んだ日のうちに、風通しのよい日陰で新聞紙かざるの上に重ならないように広げます。直射日光は香りの成分を壊すので当てません。二日から三日で重さが五分の一ほどになり、軸を折るとぱきっと折れる状態が乾燥の目安です。
梅雨のように湿度が高い日は乾きが遅く、かびが出ます。その場合は食品乾燥機か、扇風機の風を当てて乾かします。オーブンの低温でも乾かせますが、五十度を超えると香りが飛ぶので、温度が設定できないオーブンは使いません。
- 新聞紙に一層に広げる
- 新聞紙かざるに毬花を重ならないように一層に広げ、風通しのよい日陰に置きます。一日二回上下を返します。
- 軸が折れたら乾燥完了
- 二日から三日たって、毬花の中心の軸を曲げるとぱきっと折れれば乾いています。しなるならもう一日置きます。
- 湿度が高い日は風を当てる
- 雨の日や湿度の高い日は扇風機の弱い風を当てます。かびの臭いがしたらその毬花は取り除きます。
乾燥中は部屋中にホップの香りが広がります。猫や犬がいる家庭では、ホップは動物に有害なので手の届かない場所で乾かします。
密閉して冷凍すると一年持つ
乾いた毬花は空気と光で香りが落ちるので、密閉袋に入れて空気を抜き、冷凍庫で保存します。冷凍なら一年ほど香りが持ちます。常温や冷蔵では一か月ほどで香りが変わり、チーズのような臭いが出てきたら劣化の合図です。
使う分だけ小分けにして袋に入れておくと、出し入れのたびに湿気が入るのを防げます。生の毬花をそのまま使う場合は、摘んだ日か翌日までに使い切ります。ビール以外では、枕に入れる安眠用や、お茶に少量加える使い方があります。
- 小分けにして空気を抜く
- 一回に使う量ごとに密閉袋に入れ、できるだけ空気を抜いて口を閉じます。袋に品種と収穫日を書いておきます。
- 冷凍庫で保存する
- 光と空気を避けて冷凍庫に入れます。一年ほどで使い切ります。冷蔵や常温は一か月が限度です。
収穫でつまずいたときの見分け
毬花が付かない、香りが弱い、乾燥中にかびた。収穫の失敗は時期と乾燥の方法が原因のほとんどで、毬花の姿を見て時期を合わせ、その日のうちに乾かせば防げます。
- 毬花がまったく付かない
- 一年目の株か、日照不足か、雄株です。一年目なら翌年に期待し、日陰なら場所を変えます。二年目以降で日向でも付かなければ雄株なので、雌株の苗を買い直します。
- 毬花が小さく香りが弱い
- 若いうちに穫ったか、肥料や水が多い株です。かさかさ音がして黄色い粉が見えるまで待ちます。来年は八月の水を控えめにします。
- 乾燥中にかびが出た
- 重ねすぎたか湿度が高い日でした。かびた毬花は捨て、残りは扇風機の風で急いで乾かします。次は一層に広げて毎日返します。
- 保存した毬花がチーズ臭い
- 酸化して劣化しています。香りづけには使えません。次は乾いたらすぐ密閉して冷凍し、光と空気を避けます。
ホップの収穫と乾燥に使うもの
ハーブは穫るところより、乾かしてしまうところで香りが決まります。早く乾かすほど香りが残ります。
- 収穫用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ ハーブ 収穫」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、ステンレス製。細い茎を切るので小さいもので足ります。
手でちぎると茎が裂けて、そこから枯れ込みます。節のすぐ上で切ると、そこから新しい枝が出ます。
- 乾燥ネット(三段)探す言葉「ハーブ 乾燥ネット 三段」
- 規格の目安
- 直径 45cm 前後の三段。畳めるものが置き場所を取りません。
風の通る日陰に吊るします。直射日光に当てると、香りの成分が飛んで色も抜けます。
- 密閉できる保存瓶探す言葉「保存瓶 密閉 スパイス」
- 規格の目安
- 遮光性のある瓶か、暗い場所に置ける透明瓶。100〜200ml。
完全に乾いてから入れます。少しでも湿りが残っているとカビます。手で揉んで砕けるまでが目安です。
- ラベル探す言葉「ラベルシール 手書き 保存瓶」
- 規格の目安
- 瓶に貼れるシール。品種名と乾かした日を書きます。
乾いたハーブは見分けが付きません。日付があれば、香りが落ちる前に使い切れます。
- 風通しのよい日陰があるなら、乾燥ネットは無くても麻ひもで吊るせます。
- 食品乾燥機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
ホップの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はホップの育て方にまとめています。
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