一年目と二年目以降で流れが違う
ホップは多年草で、一度植えれば十年以上毎年つるを伸ばします。一年目は根を育てる年で、毬花はほとんど付かないか付いても少量です。つるを二本から三本に絞り、株に力をためることを優先します。
二年目からが本番で、太いつるが四本以上出て、一株から数百の毬花が穫れます。三年目以降は株が広がって周囲に芽が出るようになるので、春に株の周りを掘って余分な根を切り、株分けして増やすこともできます。
| 時期 | 株の状態 | 作業の力点 |
|---|---|---|
| 1年目 | 根を育てる。毬花は少ない | つるを二本から三本に絞る。水を切らさない |
| 2年目〜3年目 | 太いつるが四本以上。収穫が本格化 | 誘引と下葉の除去。追肥は二回 |
| 4年目以降 | 株が広がる。周りに芽が出る | 春に株の周りを掘って根を切る。株分けで更新 |
月別のやることカレンダー
関東の露地栽培を目安にした一覧です。寒冷地では芽出しが二週間から三週間遅く、収穫は九月上旬までに終わります。暖地では芽出しが早い分、夏の暑さで葉が焼けやすいので、鉢なら西日を避けた場所へ移します。
芽が出た日、つるが支えの上に着いた日、毬花が付いた日、収穫した日を毎年記録しておくと、翌年の作業がそのまま計画できます。同じ株でも年によって二週間ほどずれます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 2月〜3月 | 根株の入手と植え付け、土作り、支柱の準備 | 芽が動く前に植える |
| 4月 | 芽出し、一回目の追肥、鉢苗の植え付け | 芽が出そろったら株から二十センチ離して |
| 5月 | つるを三本から四本に絞る、誘引、敷きわら | 芽が三十センチで選ぶ。時計回りに巻く |
| 6月 | 誘引の見回り、下葉の除去、下旬に二回目の追肥 | 二メートルを超えたら下五十センチの葉を取る |
| 7月 | 脇枝の間引き、水やり、べと病とハダニの見回り | 露地は四日乾いたら水を |
| 8月 | 毬花が付く。水はやや控えめ、下旬から収穫 | かさかさ音と黄色い粉で判断 |
| 9月 | 収穫、乾燥、冷凍保存 | その日のうちに乾かす |
| 10月 | 残ったつるを整理、株元に堆肥 | 葉が黄色くなったら |
| 11月〜1月 | 地上部が枯れたら地際で切り戻す、敷きわら | 根は生きている。水は控える |
春は芽出しと絞り込みで一年が決まる
三月下旬から四月に株元から赤紫色の芽が出ます。芽が出そろったら一回目の追肥(育ちの途中で足す肥料)を株から二十センチ離してまきます。この時期に水を切らすと芽の伸びが止まるので、土が乾いたら与えます。
五月に芽が三十センチほどに伸びたら、太いつるを三本から四本残してほかを地際で切り、ひもへ時計回りに巻き付けます。ここで絞りを甘くすると夏につるが絡んで手に負えなくなり、毬花も小さくなります。五月から六月は三日に一回は先端を見て、外れたつるを巻き直します。
- 四月に芽を確かめて追肥
- 株元をのぞいて赤紫の芽が数本見えたら、化成肥料をひと握り株から二十センチ離してまきます。芽に直接かけません。
- 五月につるを絞って誘引
- 芽が三十センチになったら太い三本から四本を残し、ほかは地際で切ります。残したつるの先をひもに時計回りに二回から三回巻き付けます。
- 六月に下葉を取って二回目の追肥
- つるが二メートルを超えたら地面から五十センチまでの葉を取り、下旬にリン酸とカリの多い肥料をひと握り与えます。
秋の切り戻しと冬の株元の手当て
九月に収穫を終えたら、残ったつるは十月まで葉が緑のうちは残しておきます。葉が光合成をして根に養分をためるので、収穫後すぐに全部切るより翌年の芽が太くなります。十月に株元へ完熟堆肥をバケツ半分ほど施しておきます。
十一月に葉が黄色くなって枯れてきたら、つるを地際から十センチほどで切り戻します。切ったつるは病気のもとになるので畑に残さず片付けます。冬は根だけで越し、寒冷地では株元に落ち葉や敷きわらを十センチほどかぶせて凍結を防ぎます。鉢植えは軒下に移し、月に一回程度土が乾いたら水を与えます。
- 十月に堆肥を施す
- 葉が緑のうちは残し、株の周りに完熟堆肥をバケツ半分ほど広げて軽く土と混ぜます。翌年の芽の元になります。
- 十一月に地際で切り戻す
- 葉が黄色く枯れてきたら、つるを地際から十センチほどで切ります。切ったつるとひもは片付けて処分します。
- 株元に敷きわらをかける
- 切り戻したあと、株元に落ち葉や敷きわらを十センチほどかぶせます。三月に芽が動く前に取り除きます。
三年目以降は株の周りに根が広がって芽が出てきます。三月に株から三十センチ離れた位置をスコップで掘り、外側の根を切ると株が締まります。切った根は株分けの苗になります。
時期を外したときの立て直し
植え付けが遅れた、絞りが遅れた、収穫を逃した。ホップは多年草なので、一年の失敗は翌年に取り返せます。株の状態を見て、今年は株を育てる年と割り切る判断も要ります。
- 植え付けが六月にずれた
- 鉢苗なら六月でも植えられます。今年は毬花を期待せず、つるを二本に絞って水を切らさず株を育てます。翌年から収穫できます。
- 絞りが遅れてつるが絡んだ
- 六月でも細いつるを地際で切って四本に減らせます。絡んだつるはほどかず、絡んだまま上に誘引して構いません。翌年は五月に絞ります。
- 収穫を逃して毬花が茶色くなった
- 香りは落ちていますが、穫ってすぐ乾かせば使えます。茶色い毬花は取り除き、黄緑が残るものだけ選びます。次は八月下旬から毬花を毎週触って確かめます。
- 冬に切り戻しを忘れた
- 三月までに枯れたつるを地際で切れば問題ありません。新しい芽が出てからだと芽を傷めるので、芽が動く前に片付けます。
ホップの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
ホップの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はホップの育て方にまとめています。
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