根株か鉢苗か、まず入手の形を決める
ホップはビールの香りづけに使う毬花(まりばな)を穫る植物で、毬花が付くのは雌株だけです。種からまくと雄株が混ざり、雌株でも品種の性質が揃わないので、家庭では雌株の根株(リゾーム)か、鉢で育った苗を買って植えます。
根株は二月から三月に通信販売で出回る太い根の切れ端で、安く数を揃えられますが、芽が出るまで生きているか分かりません。鉢苗は春から初夏に園芸店やホップ農園から手に入り、値は張りますが芽が出ているので確実です。初めてなら鉢苗が失敗しにくい選択です。
| 種類 | 出回る時期 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 根株(リゾーム) | 2月〜3月 | 安く数を揃えられる。芽が出るまで不安がある |
| 鉢苗 | 4月〜6月 | 芽が出ていて確実。初めてはこちら |
| 株分け苗 | 3月 | 知人の株から。品種が分かる株を選ぶ |
品種は苦みか香りかで選ぶ
ホップの品種は、苦みを付ける役割が大きい系統と、柑橘や花のような香りを付ける系統に大きく分かれます。家庭で自分のビールに使うなら、少量でも香りが立つ香り系統が扱いやすく、生垣や緑のカーテンとして楽しむなら生育の旺盛な品種を選びます。
日本の夏は高温多湿なので、暑さに強くべと病になりにくい品種が向きます。日本原産の野生種に近い系統や、国内の農園が勧める品種なら気候に合っています。北向きの涼しい地方の品種は関東の夏で葉が焼けることがあるので、初めてなら国内で育てられている品種から選びます。
| タイプ | 特徴 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 香り系 | 柑橘や花の香り。毬花は小さめ | 少量でビールに香りを付ける |
| 苦み系 | 苦み成分が多い。毬花は大きめ | 本格的に仕込む人向け |
| 観賞・緑化向き | 生育が旺盛で葉が大きい | 緑のカーテン、生垣 |
植え付けは三月から四月、深さ十センチ
植え付けは芽が動き出す前の三月から四月が適期です。根株は芽の付いた側を上にして、深さ十センチほどの穴に横たえるように置き、土をかぶせます。鉢苗は根鉢を崩さず、ポットの土の面が地面と同じ高さになる深さに植えます。
株間は一メートル以上とります。ホップは一株で一夏に五メートルから七メートル伸びるので、近すぎるとつるが絡み合って手に負えません。土は水はけのよい場所を選び、植える二週間前に苦土石灰、一週間前に堆肥と元肥(前もって入れる肥料)を深さ三十センチまで混ぜ込んでおきます。
- 二週間前に土を作る
- 植える場所を深さ三十センチまで耕し、苦土石灰をひと握りまきます。一週間前に完熟堆肥をバケツ一杯と化成肥料をひと握り混ぜ、高さ十センチほどの盛り土にします。
- 根株は芽を上にして横たえる
- 根株を見て、白い芽の突起がある側を上にします。深さ十センチの穴に横たえるように置き、土をかぶせて軽く押さえます。
- 鉢苗は根鉢を崩さず植える
- 植え穴に水を注いでから苗を入れ、ポットの土の面が地面と同じ高さになるように周りの土を寄せます。深植えは株元が腐ります。
- 植えたらたっぷり水を与える
- 植えたあとは株元にたっぷり水を与え、芽が出るまで乾かさないようにします。根株は芽が出るまで二週間から四週間かかります。
根株は届いたらすぐ植えるのが基本です。すぐ植えられないときは湿らせた新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室に入れ、一週間以内に植えます。
場所は日当たりと高さで決める
ホップは一日六時間以上日が当たる場所を好みます。日陰では毬花がほとんど付かず、つるだけが伸びます。つるが五メートル以上伸びるので、二階のベランダや物干しの支柱、フェンスなど高さのある支えを確保できる場所に植えます。
鉢でも育てられますが、直径四十センチ以上、深さ四十センチ以上の大鉢が要ります。小さい鉢では水切れが早く、根が回って二年目から勢いが落ちます。鉢なら移動できるので、夏の西日を避けられる利点があります。
- 六時間の日照を確かめる
- 植える前に朝から夕方まで日の当たり方を見ます。午前中から午後三時まで日が当たれば十分で、午後だけの日照では毬花が減ります。
- つるの登り先を先に決める
- つるをどこまで登らせるかを植える前に決めます。二階のベランダの手すりや物干し台など、二メートル以上の高さに麻ひもを結べる場所を確保します。
- 鉢は四十センチ以上
- 鉢植えなら直径四十センチ以上の深い鉢に野菜用の培養土を入れ、鉢底石で排水を確かめます。夏は一日二回の水やりが要ります。
植え付けでつまずいたときの切り分け
芽が出ない、出ても細い、植えた苗が枯れた。ホップの植え付けの失敗は、根株の状態と水の管理のどちらかに原因があることがほとんどです。土を掘って根株の状態を確かめてから手を打ちます。
- 一か月たっても芽が出ない
- 根株を掘り出して確かめます。白く固ければ生きているので埋め戻して待ちます。黒く柔らかければ腐っているので、鉢苗を買い直します。
- 芽が細くて頼りない
- 一年目は根を育てる年なので、細いつるでも構いません。三本から四本に絞って支柱に誘引し、翌年に太いつるを期待します。
- 植えた苗の葉が黄色くなる
- 水の与えすぎか排水不良です。株元の土を触って湿りっぱなしなら水を控え、鉢なら鉢底の穴がふさがっていないか確かめます。
- 隣の株とつるが絡んだ
- 株間が狭すぎました。今年はつるを一株三本に絞って別々の支柱に誘引し、翌春に株を掘り上げて一メートル以上離して植え直します。
ホップの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
ホップの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はホップの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。