適期は梅雨のあいだ
最も成功しやすいのは6月から7月です。気温が高く湿度も保たれるため、切り口が乾かず発根が早く進みます。花後の剪定で出た枝をそのまま使えるのも利点です。
| 時期 | 成功しやすさ | 備考 |
|---|---|---|
| 6月から7月 | 高い | 剪定枝を利用できる |
| 9月 | 中程度 | 冬までに根が浅い |
| 真夏の8月 | 低い | 高温で切り口が傷む |
| 落葉期 | 低い | 休眠枝挿しは管理が難しい |
7月中に挿しておくと、冬までに根が鉢の中を回ります。9月以降に挿した苗は初冬に霜よけをして越冬させます。
枝の選び方
選ぶのは今年伸びた枝のうち、花のついていない充実したものです。花のついた枝は開花で養分を使い切っているため、同じように挿しても発根率がはっきり下がります。
- 緑と茶の境目を選ぶ
- やわらかすぎる先端は腐り、硬くなりすぎた枝は根が出にくくなります。指で曲げて弾力がある部分が適します。
- 節が詰まった枝
- 日当たりで育った節の短い枝は、蓄えが多く根が出やすい枝です。日陰で間のびした枝は避けます。
- 病斑のない葉
- 葉に黒い斑点が出た枝は、挿し床の中で病気を広げます。健全な葉のついた枝だけを選びます。
- 朝のうちに切る
- 枝の水分が多い朝に採ります。採った枝はすぐ水に挿し、作業までのあいだ乾かさないようにします。
品種登録されている品種は、個人で楽しむ目的でも増殖が制限される場合があります。名札の表示を確認してください。
挿し穂をつくって挿す
アジサイの挿し穂は葉2枚を1組とし、その下に1節つけた長さに切ります。葉が大きいままだと蒸散で萎れるので、必ず半分に切り詰めます。
- 2節で切り分ける
- 上の節の葉2枚を残し、下の節の葉は取り除きます。下の切り口は節のすぐ下で、斜めに切って吸水面を広げます。
- 葉を半分に切る
- 残した2枚の葉をはさみで半分に切ります。蒸散が減り、萎れずに発根を待てるようになります。
- 1時間水に浸ける
- 切り口を水に浸けて吸わせます。この一手間で挿した後の萎れが大きく減り、発根率が上がります。
- 清潔な用土に挿す
- 鹿沼土の小粒か赤玉土の小粒を使います。肥料の入った培養土は雑菌が増えて切り口が腐る原因になります。
- 深さは1節
- 下の節が土に埋まる深さに挿します。棒で穴をあけてから差し込むと、切り口が土でつぶれません。
挿し穂どうしの葉が重ならない間隔をあけます。葉が触れ合うと蒸れて、そこから腐りが広がります。
発根までの管理
根が出るまでの3週間から1か月は、乾かさないことと直射に当てないことだけを守ります。この間に動かしたり肥料を与えたりすると失敗します。
- 明るい日陰に置く
- 直射に当てると葉から水が抜けて萎れます。北側の軒下のように、明るいけれど日が差さない場所が適します。
- 用土を乾かさない
- 表面が乾く前に与えます。受け皿に浅く水を張って底から吸わせる方法も、この時期に限っては有効です。
- 湿度を袋で保つ
- 透明な袋をかぶせて湿度を保つと萎れにくくなります。ただし直射下では中が高温になるので日陰限定です。
- 引き抜いて確かめない
- 根の確認のために抜くと、出かけた根が切れます。新しい芽が動き出したら発根の合図と判断します。
挿してから発根までのあいだは肥料を与えません。根がない状態で肥料分に触れると、切り口から傷んで枯れます。
鉢上げとその後
挿し穂から新芽が伸び始めたら、根が回った合図です。挿し床から個別の鉢へ移し、ここから先は通常の用土と施肥に切り替えて苗として育てていきます。
- 3号鉢へ移す
- 根を崩さないように挿し床から掘り上げ、小さめの鉢に植えます。最初から大きな鉢にすると土が乾かず根が傷みます。
- 薄い液肥から始める
- 鉢上げの2週間後から、規定より薄めた液肥を月2回与えます。いきなり固形肥料を置くと根が焼けます。
- 最初の冬は保護する
- 苗は根が浅く寒さに弱い状態です。軒下へ入れるか不織布で覆い、鉢が凍らないようにして越冬させます。
- 花は2年目以降
- 挿した年は枝を伸ばす年です。翌年の秋に花芽ができ、その次の初夏に咲きます。焦って切らずに育てます。
鉢上げの直後は根が水を吸えません。1週間ほど日陰に置いてから、明るい場所へ段階的に戻してください。
うまくいかないときの原因
アジサイは発根しやすい部類ですが、失敗するときは原因がはっきりしています。切り口の腐りと萎れのどちらかを見分けると対策が決まります。
- 切り口が黒く腐った
- 用土に肥料分があるか、水が多すぎます。清潔な鹿沼土に替え、受け皿の水を抜いて過湿を解消します。
- 葉が萎れて落ちた
- 蒸散が多すぎます。葉をもう少し小さく切り、袋で湿度を保つか、より暗い日陰へ移します。
- 何も変化がない
- 枝が硬すぎたか、時期が遅すぎた可能性があります。梅雨の時期にやわらかい枝で挿し直すと結果が変わります。
- 根は出たが伸びない
- 鉢上げが早すぎたか、日照が足りません。明るい日陰から半日日の当たる場所へ、少しずつ移して慣らします。
失敗が続く場合は、挿し穂の本数を増やして条件を変えて挿します。同じ株から10本挿せば、条件の違いが結果に出ます。
アジサイの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
アジサイの長く咲かせるコツは作物ページに
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