期限は花が終わってすぐ、遅くとも7月中
剪定の期限は開花が終わった直後から7月末までです。ホンアジサイやガクアジサイは秋のあいだに翌年の花芽をつくるため、それより後に枝を切ると花芽ごと落とすことになります。
花が色あせても放置しがちですが、待つほど期限が近づきます。梅雨明けを一つの区切りにして、花が茶色くなる前に手を動かすと確実です。
| 地域 | 剪定の適期 | 切ってはいけない時期 |
|---|---|---|
| 暖地 | 6月下旬から7月中旬 | 8月以降翌春まで |
| 中間地 | 7月上旬から7月下旬 | 8月以降翌春まで |
| 寒冷地 | 7月中旬から8月上旬 | 9月以降翌春まで |
花芽ができるのは秋の気温が下がる頃です。夏の終わりに枝を短くする作業は、翌年の花を捨てる作業だと考えてください。
切る位置は花から2節下
花のすぐ下で切ると、残った短い枝から弱い芽しか動かず、翌年の花が小さくなります。花のついた枝をたどって、下へ2組目の葉の少し上で切るのが基本です。
- 葉の組を数える
- アジサイの葉は2枚ずつ向かい合ってつきます。この1組を1節と数え、花のすぐ下を1節目、その下を2節目として位置を決めます。
- 2節目の上5ミリで切る
- 2節目の葉のつけ根には翌年伸びる芽が控えています。この芽を残し、その5ミリほど上で切ります。深く切り込むと芽まで枯れ込みます。
- 背が高い株は3節下
- すでに手が届かないほど伸びた株は3節目まで下げて構いません。ただし葉が1枚も残らない位置まで下げると、その枝は翌年伸びません。
- 切り口は斜めにしない
- 太い枝を斜めに切ると断面が広がり乾きにくくなります。節に対して垂直に、一度で切り離すほうが枯れ込みが浅く済みます。
花が咲かなかった枝は切らずに残します。その枝の先には翌年の花芽がつくので、形を整える目的だけで切ると花が減ります。
翌年咲かない原因は4つに絞れる
咲かない年があったら、まず剪定の時期を疑います。次に置き場所の明るさ、冬の寒さ、株の若さの順に確認していくと、ほとんどの場合はこの4つのどれかに行き着きます。落葉した枝先を見て、丸く膨らんだ芽があるかどうかを目安にすると、切り分けが早く済みます。
- 秋か冬に切った
- 最も多い原因です。落葉して枝だけになると切りたくなりますが、その枝先の膨らみが花芽です。翌年は切らずに一年待てば戻ります。
- 日照が足りない
- 完全な日陰では葉ばかり茂って花芽ができません。半日は明るさが必要です。移植か鉢の移動で午前中の光を確保します。
- 冬に花芽が凍った
- 寒冷地では枝先の花芽が寒風で枯れます。枝先だけ芽吹かず、下から葉だけ出るのが特徴です。冬に不織布で覆うと防げます。
- 挿し木した年の苗
- 挿してから最初の年は花芽をつけないことがあります。株の充実が先なので、この場合は異常ではなく翌々年に咲きます。
落葉後の枝先を軽くさわると、葉芽より丸く太い膨らみが花芽です。切る前に確認する習慣をつけると失敗が減ります。
大きくなりすぎた株を仕立て直す
背丈が胸より高くなり、花が外周にしかつかなくなった株は、花後の軽い剪定では戻りません。翌年の花を一部あきらめて、地際からの更新に切り替えます。
- 3年かけて分割する
- 古い枝を一度に全部切ると株が弱ります。全体の3分の1ずつを3年に分けて地際で切り、毎年どこかの枝は咲いている状態を保ちます。
- 落葉期に太い枝を抜く
- 12月から3月に、株元から出ている枝のうち樹皮が灰色で硬い古い枝を選び、地際で切除します。若い緑がかった枝は残します。
- 切った翌年は葉を茂らせる
- 地際から出た新しい枝はその年は咲きません。夏に伸ばしきり、秋に花芽をつけさせて翌々年に咲かせます。この年に切り戻さないことが条件です。
- 一気に切る場合の覚悟
- 全部を地際で切ると株は若返りますが、花は最短でも2年後です。庭木として1年花がなくてよいかを決めてから実行します。
更新剪定の後は根の量に対して枝が減り、吸い上げた水が余ります。肥料は控え、水のやりすぎにも注意します。
系統によって剪定が逆になる
アナベルやノリウツギの仲間は、春に伸びた新しい枝の先に花をつけます。秋から冬に強く切っても花は減らず、むしろ切ったほうが花が大きくなります。
| 系統 | 花のつく枝 | 剪定の時期 |
|---|---|---|
| ホンアジサイ・ガクアジサイ | 前年の枝 | 花後すぐ7月まで |
| ヤマアジサイ | 前年の枝 | 花後すぐ7月まで |
| アナベル | 当年の新しい枝 | 落葉期の12月から3月 |
| ノリウツギの仲間 | 当年の新しい枝 | 落葉期の12月から3月 |
買った株の系統がわからないうちは、花後すぐの剪定にそろえておけばどちらの系統でも花を失いません。
花がら摘みは剪定と別に考える
花を長く楽しみたい場合、期限内に切らずに秋まで色の変化を眺める選択もあります。その場合は枝を切らず、花の首だけを摘み取って翌年の枝を残します。
- 首の下だけを摘む
- 花のつけ根、最初の葉のすぐ上をつまんで折ります。節を落とさないので花芽に影響しません。株の形は整いませんが花は減りません。
- 種を作らせない
- 花がらを残すと種に養分が回ります。実をつけない装飾花だけの品種では影響が小さいものの、ガクアジサイでは摘んだほうが株が太ります。
- 翌春に枯れ枝だけ抜く
- 芽吹きが始まる3月から4月に、芽が動かない枝だけを見分けて元から抜きます。生きている枝を切らずに済む安全な整理法です。
ドライフラワー目的で花を残す場合も、枝を切るのは翌春の芽吹き確認後にすると、花芽を持つ枝を誤って落としません。
アジサイの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
アジサイの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアジサイの育て方にまとめています。
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