年間の流れを一覧で見る
アジサイの一年は、春の芽出し、初夏の開花、花後すぐの剪定、秋の花芽形成、冬の休眠に分かれます。取り返しがつかないのは花後の剪定と秋以降の切り込みです。
| 月 | 主な作業 | 外すと起きること |
|---|---|---|
| 1月から2月 | 寒肥、更新剪定、植え替え | なし |
| 3月から4月 | 芽出し、花色の資材、枯れ枝整理 | 青が出ない |
| 5月から6月 | 開花、水やり増、挿し木 | なし |
| 7月 | 花後の剪定、お礼肥、挿し木 | 翌年咲かない |
| 8月から9月 | 水やりと日よけのみ | 翌年咲かない |
| 10月から12月 | 落葉、防寒、切らない | 翌年咲かない |
表の中で切ってよい月は7月と冬の更新だけです。それ以外の月に枝を短くすると翌年の花を失います。
1月から2月
休眠中で葉がなく、株の骨格が見えるので作業がしやすい時期です。土の中では春に向けた準備が進むため、ここで遅く効く肥料を入れておくと芽出しがそろいます。
- 寒肥を株元へ
- 株の外周に浅く溝を掘り、有機質の緩効性肥料を入れて土をかぶせます。根の先端が伸びる位置に置くのが要点です。
- 大株の更新剪定
- 古く硬い枝を地際で切ります。全体の3分の1までにとどめ、残した枝で翌年の花を確保します。
- 赤くしたい株に石灰
- 苦土石灰を株元にまいて軽く混ぜます。効きが穏やかなこの時期に入れると、開花期までに酸度が上がります。
- 鉢の植え替え
- 根詰まりした鉢はこの時期に一回り大きくします。根鉢の外周をほぐし、古い土を落としてから新しい用土で植えます。
- 新枝咲きを切る
- アナベルやノリウツギの仲間はこの時期に地際から30センチほどで切りそろえます。切ったほうが枝が太り、花が大きくなります。
落葉して枝だけになると短くしたくなりますが、前年枝咲きの株では枝先に花芽があります。更新目的以外では切りません。
3月から4月
芽が動き出し、地中では根も伸び始めます。花色を変える資材はこの時期に吸わせたぶんが効くので、青くしたい株は蕾が上がる前のこの段階で手を打ちます。
- 青色用の資材を与える
- 硫酸アルミニウムを含む資材を規定量で水に溶き、芽が動き始めた頃に与えます。開花直前では色が変わりません。
- 枯れ枝を抜く
- 芽吹きが始まってから、芽の動かない枝だけを元から切ります。冬に判断すると生きた枝まで落としてしまいます。
- 日なたへ戻す
- 冬に軒下へ入れた鉢を日の当たる場所へ出します。春の光は葉を厚くし、夏の葉焼けに耐える株をつくります。
遅霜のある地域では、伸び始めた新芽が傷むことがあります。予報が出たら一晩だけ不織布をかけて防ぎます。
5月から6月
蕾が色づき開花します。ヤマアジサイは5月中旬から、ホンアジサイやガクアジサイは6月に入ってからが中心です。水の要求量が一気に増えます。
- 水やりを1日1回へ
- 蕾が上がると吸い上げが増えます。鉢は表面が乾く前に与え、開花中に水切れさせないことで花持ちが変わります。
- 挿し木の適期
- 梅雨の湿度が高い時期は発根に最適です。花のついていない今年の枝を選び、2節に切って挿します。
- 雨で倒れる枝を支える
- 花が水を含むと重くなり枝が寝ます。開花前に支柱と輪で支えておくと、株の形が崩れません。
- 咲いた枝を覚えておく
- 前年の茶色い枝から咲いたか、今年の緑の枝から咲いたかを記録します。翌年の剪定時期を決める唯一の手がかりになります。
開花中に肥料を与える必要はありません。この時期の窒素は花を早く傷ませ、花色もぼやける方向に働きます。
7月
一年で最も重要な月です。花後の剪定はこの月で終わらせます。秋に花芽ができるため、8月に入ってからの切り込みは翌年の花を減らします。
- 花から2節下で切る
- 花のすぐ下を1節目と数え、2節目の葉のつけ根の芽を残してその上で切ります。ここから翌年の枝が伸びます。
- お礼肥を少量
- 剪定後に速効性の肥料を少量与え、新しい枝の伸びを助けます。多く与えると枝ばかり伸びて花芽が遅れます。
- 日よけを始める
- 梅雨明けからは直射が強くなります。鉢を明るい日陰へ移すか、遮光(日ざしを布などでやわらげること)の布で午後の光を切ります。
- 挿し木の締め切り
- 7月中までに挿せば、冬までに根が育って越冬できます。それより遅いと根が不十分なまま寒さに向かいます。
暖地では7月中旬、寒冷地では8月上旬が剪定の限界です。迷ったら早い側に寄せるほうが翌年の花を確実に残せます。
8月から12月
秋に花芽ができるため、枝に手を出さない期間です。作業は水やりと防寒だけになりますが、この期間の管理が翌年の花数を決めます。
| 時期 | すること | してはいけないこと |
|---|---|---|
| 8月 | 朝夕の水やり、日よけ | 剪定、強い施肥 |
| 9月から10月 | 水やり、花芽の形成期 | 切り戻し、窒素肥料 |
| 11月 | 落葉、株元の敷き草 | 枝を短くする |
| 12月 | 防寒、鉢の凍結対策 | 前年枝咲きの切り込み |
アナベルやノリウツギの仲間だけは、この期間の後半に強く切って構いません。新しい枝の先に咲く系統だからです。
作業を外したときの立て直し
月ごとの作業は一つ外しても取り返せます。ただし戻し方は外した作業ごとに違うので、何をいつ外したのかを先に特定してから手を入れてください。あわてて切る、あわてて足すのが最も傷を広げます。
| 外したこと | 株に出ること | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 秋や冬に枝を切った | 翌年は葉ばかりで花がつかない | 切らずに一年伸ばし、翌々年に咲かせる |
| 花後の剪定が八月にずれた | 花芽ごと落として花数が減る | 切るのをやめ、伸びた枝をそのまま残す |
| 夏に鉢の水を切らした | 葉が垂れて縁から茶色く枯れる | 日陰に移して朝夕与え、傷んだ葉を切る |
| 寒肥を忘れた | 枝の伸びが鈍く花が小さい | 三月に速効性の肥料を少量だけ補う |
外した作業を取り返そうとして、同じ年に剪定と施肥をまとめて行うのは避けます。株が動くのは一度に一つの刺激までです。
アジサイの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
アジサイの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアジサイの育て方にまとめています。
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