地植えと鉢植えで水やりが変わる
地植えのクロマツは根付いたあと、ほぼ水やり不要です。真夏に二週間雨がないときに一度たっぷり与える程度で十分です。鉢植えは乾きが早いので、土の表面が乾いてから鉢底から流れるまで与えます。どちらも常に湿った状態は根を腐らせるので、乾かしてから与えるのが原則です。
| 場面 | 水やりの目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 地植え・植え付け一年目 | 土が乾いたら週一回程度 | 真夏は三〜四日に一回 |
| 地植え・二年目以降 | 原則不要 | 夏の干ばつが二週間続いたら一度 |
| 鉢植え・春秋 | 表土が乾いたら鉢底まで | 受け皿に水をためない |
| 鉢植え・夏 | 朝に一回、乾くなら夕方も | 葉水で夜の蒸れを防ぐ |
| 鉢植え・冬 | 四〜七日に一回 | 午前中に与え、凍らせない |
肥料は少なく、時期を絞る
痩せた砂地で育つ木なので、肥料が多いと葉が長く伸びて樹形が乱れ、枝が間延びします。庭木なら年に一回、二月ごろに寒肥として油かすや緩効性の固形肥料を根元から離して置く程度で足ります。鉢植えは春と秋に緩効性の置き肥を少量与えますが、みどり摘みの前後一か月は与えません。
- 寒肥は幹から離す
- 二月に、枝先の真下あたりに数か所穴を掘り、油かすを一握りずつ埋めます。幹のすぐ横に置くと根を傷めます。
- 春の追肥は芽が固まってから
- 追肥(育ちの途中で足す肥料)は、新芽が伸び切って葉が開いた五月下旬以降に置きます。芽が伸びる最中に与えると徒長(ひょろ長く伸びること)します。
- 秋は九月から十月
- 秋の置き肥は九月から十月上旬までに与え、冬の寒さに備えて幹を充実させます。十一月以降は与えません。
葉が黄ばんだからといって肥料を足すのは逆効果になりがちです。まず水はけと日当たりを疑います。
日当たりと風通しを保つ
クロマツは一日中日が当たる場所で最も葉が短く締まります。半日陰では葉が長く垂れ、下枝から枯れ上がります。周りの木が大きくなって日陰になったら、周囲の木を透かすか、クロマツ側の上部を強めに剪定して光を下枝に届けます。
- 下枝の葉色で判断
- 下枝の葉が上枝より薄い緑なら、光が足りない合図です。上部の混んだ枝を冬に抜いて光を通します。
- 鉢植えは定期的に回す
- 鉢植えは同じ向きで置くと片側だけ茂ります。月に一度、鉢を半回転させて全体に光を当てます。
- 周囲の木との距離を保つ
- 隣の木の枝がクロマツの枝先に触れるほど近づいたら、隣の木側を切ります。クロマツは日陰になった枝から確実に枯れ上がり、戻りません。
夏の管理
暑さには強い木ですが、鉢植えは鉢の中が高温になると根が傷みます。コンクリートの上に直置きせず、すのこや鉢台で底を浮かせます。地植えは真夏の水やりを控えめにし、葉に水をかける葉水は朝に済ませ、夜まで葉が濡れたままにしません。
台風の後は塩を含んだ風で葉が茶色くなることがあります。海沿いでなくても強風の翌朝に葉を水で洗い流しておくと、葉焼けを軽くできます。倒れかけた鉢は起こして、根元の土が崩れていたら足します。
- 鉢の温度を下げる
- 鉢が素焼きなら二重鉢にするか、鉢の周りに日よけを置きます。西日が強く当たる場所は避け、東向きに移します。
- 根元の草を抜く
- 根元の雑草は水と養分を奪い、蒸れの原因にもなります。夏前に抜いておき、マルチは薄く敷く程度にします。
葉が黄ばんだときの原因の切り分け
古い葉が秋に黄ばんで落ちるのは自然な入れ替わりです。問題は、今年の葉まで黄ばむ、枝先から赤茶けて枯れる、といった変化です。水のやりすぎ、日照不足、病害虫のどれかであることが多く、土の湿り具合と葉の変化の場所を見て切り分けます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 古葉が秋に黄ばんで落ちる | 自然な葉の入れ替わり | もみあげで取り除くだけでよい |
| 今年の葉まで黄ばみ土が湿る | 水のやりすぎ、根腐れ | 水を控え、鉢なら植え替えを検討 |
| 下枝の葉が薄く長く伸びる | 日照不足 | 上部を透かして光を入れる |
| 枝先から急に赤茶ける | 松枯れ病か害虫 | 早急に病害虫の項目を確認する |
| 葉が短く黄緑で伸びない | 肥料切れか根詰まり | 春に追肥し、鉢なら植え替え |
鉢植えの植え替え
鉢植えは二〜三年に一度、三月上旬に植え替えます。根を触られるのを嫌うので、根鉢の外側三分の一だけを軽くほぐし、傷んだ根を切る程度に留めます。用土は赤玉土の小粒に桐生砂か軽石を三〜四割混ぜた、水はけのよいものにします。
- 根鉢は三分の一だけ崩す
- 鉢から抜いたら、外側の古い土を三分の一ほど落とし、黒く腐った根だけを切ります。白い細根はできるだけ残します。
- 一回り大きい鉢へ
- 鉢は一回り大きいものにし、底に鉢底石を敷いてから用土を入れます。大きすぎる鉢は土が乾かず根腐れの元です。
- 植え替え後は日陰で一週間
- 水をたっぷり与えたら、一週間ほど直射日光を避けた明るい場所に置き、その後徐々に日なたに戻します。
クロマツの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
クロマツの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はクロマツの育て方にまとめています。
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