苗の姿で選ぶ
クロマツの苗は、幹の太さより葉の色と根元の締まりで選びます。葉が濃い緑で先まで張りがあり、幹の根元が太く上に向かって細くなる苗は、根がよく張っている目安です。葉先が茶色く枯れ込んだ苗や、鉢の底穴から根が大量に出ている苗は、根が傷んでいるか根詰まりを起こしていることが多く、植え付け後に立ち上がりにくくなります。
| 見た目 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 葉が濃緑で先まで張っている | 買ってよい | 根が健全で水が上がっている |
| 幹が根元で太く上へ細る | 買ってよい | 根張りが良く、将来も安定する |
| 葉先が茶色く枯れ込む | 避ける | 根の傷みか、水切れの履歴がある |
| 底穴から根が大量に出る | 避ける | 根詰まりで植え付け後に弱りやすい |
接ぎ木苗と実生苗があります。庭木なら実生苗で十分です。盆栽風に仕立てるなら葉の短い系統を選ぶと後が楽です。
植え付けは春の芽が動く前
植え付けの適期は、新芽がまだ固い二月下旬から三月です。秋にも植えられますが、冬の寒風で葉が傷みやすいため、関東の露地なら春が安全です。根を触られるのを嫌う木なので、植え付けの回数はできるだけ少なくし、最初から最終の場所に植えるつもりで決めます。
| 地域 | 植え付けの適期 | 目印 |
|---|---|---|
| 暖地 | 2月中旬〜3月中旬 | 新芽がまだ固く伸びていない |
| 中間地 | 2月下旬〜3月下旬 | 霜の心配が薄れてきたころ |
| 寒冷地 | 3月下旬〜4月中旬 | 雪が消えて地面が乾き始める |
場所は日当たりと水はけが最優先
クロマツは海岸の砂地に育つ木で、日照と乾き気味の土を好みます。一日中日が当たり、雨の後に水たまりが残らない場所を選びます。建物の北側や、粘土質で水が抜けない場所に植えると、根が腐って葉が黄ばみ、数年かけて弱っていきます。
- 水はけを見て確かめる
- 植えたい場所に深さ三十センチほどの穴を掘り、水を張って抜ける時間を見ます。一時間以内に抜けるなら合格、半日たっても残るなら盛り土をして高く植えます。
- 粘土質なら砂を混ぜる
- 掘り上げた土に川砂か軽石を三割ほど混ぜ、水が抜けやすい土にします。腐葉土を大量に入れると保水しすぎるので、入れても一割程度に留めます。
- 広がる大きさを想定する
- 庭木として放任すると高さ十メートルを超えることもあります。毎年剪定して抑える前提でも、建物や塀から二メートル以上は離して植えます。
根鉢を崩さず浅く植える
クロマツの根には菌根菌という共生菌が付いていて、根鉢を崩すとこの菌ごと失われて活着が遅れます。鉢から抜いたら根鉢は触らず、そのまま穴に置きます。深植えは根が呼吸できず最も多い失敗なので、根鉢の上面が地面と同じか少し高くなるように置きます。
- 穴は根鉢の二倍の幅
- 深さは根鉢と同じか少し浅め、幅は二倍ほど掘ります。底を固く突き固めると水が抜けないので、軽くほぐしてから戻します。
- 根鉢を置いて高さを確かめる
- 根鉢を穴に置き、上面が地面より一〜二センチ高いことを確かめてから土を戻します。低いなら一度出して土を足します。
- 土を戻して水で締める
- 土を半分戻したら水をたっぷり注ぎ、棒で軽く突いて隙間をなくします。残りの土を戻して、根元を軽く盛り上げます。
- 支柱で揺れを止める
- 根が張るまでの一年は風で根鉢が動くと細根が切れます。幹に沿って支柱を一本立て、麻ひもで八の字に結んで固定します。
肥料は植え付け時に入れません。痩せ地で育つ木で、肥料が根に触れると傷みます。
植え付け後に葉が黄ばむときの切り分け
植え付けから一〜二か月で古い葉が黄ばんで落ちるのは、環境の変化に応じた生理的な落葉で、新芽が伸びていれば問題ありません。新芽まで縮んで褐色になるなら根の傷みか水のやりすぎです。原因ごとに手当てが違うので、まず土の乾き具合と新芽の状態を見て判断します。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 古葉だけ黄ばみ新芽は伸びる | 植え傷みの生理落葉 | そのまま様子を見る |
| 新芽も縮み土が常に湿る | 水のやりすぎ、水はけ不良 | 水やりを止め、周りの土を高くする |
| 葉全体が赤茶けて乾く | 水切れ、根鉢が乾いた | 根元に一度たっぷり水を与える |
| 幹が揺れて葉がしおれる | 風で根鉢が動いた | 支柱を立て直し固定する |
一年目の水やりと見守り
植え付け直後にたっぷり与えたら、あとは土の表面が白く乾いてから与えます。目安は春から梅雨までは週に一回、真夏は三〜四日に一回、秋以降はほとんど不要です。二年目からは雨に任せ、真夏に十日以上降らないときだけ補います。
- 土に触って決める
- 指を土に二〜三センチ差し込み、乾いていたら与え、湿り気があるなら見送ります。決まった曜日に与えるのではなく、土で判断します。
- 夕方より朝に与える
- 夏の夕方に与えると夜間に土が湿ったままになり、根が蒸れます。朝のうちに根元へ静かに注ぎ、葉にはかけないようにします。
クロマツの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
クロマツの上手に育てるコツは作物ページに
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