品種の性質を先に確かめる
モミジと呼ばれる木にはイロハモミジのような大木になる系統から、鉢植え向きの矮性の品種、春から赤い葉の品種、細く裂けた葉の枝垂れ性の品種まであります。ラベルの品種名を見て、最終的な大きさと葉の色の変わり方を確かめてから、庭に植えるか鉢で育てるかを判断します。
| 系統 | 大きさ | 葉の特徴 | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| イロハモミジ・ヤマモミジ | 高さ5メートル以上 | 緑葉、秋に赤〜橙 | 広い庭の主木 |
| ノムラモミジなど赤葉系 | 高さ3〜5メートル | 春から赤紫、夏に緑がかる | 庭のアクセント |
| 枝垂れ性(シダレモミジ) | 高さ1〜2メートル | 細裂葉、枝が垂れる | 鉢植え、玄関わき |
| 矮性・盆栽向き | 高さ1メートル前後 | 小葉、節が詰まる | ベランダの鉢植え |
接ぎ木苗は根元に接ぎ口のふくらみがあります。接ぎ口より下から出る芽は台木の芽なので、見つけたら必ずかき取ります。
西日を避けて紅葉させる場所選び
モミジは日ざしが足りないと紅葉せず、強すぎると夏に葉の縁が焼けて秋を待たずに縮れます。午前中に日が当たり午後は日陰になる、建物の東側や落葉樹の東側が理想です。関東平野部の南向きの庭でも、西日を遮る壁や木があれば育ちます。乾いた風が通り抜ける場所も葉が傷むので、風の当たらない場所を選びます。
| 場面 | 向き不向き | 理由 |
|---|---|---|
| 建物の東側 | 最適 | 午前の日で紅葉し、西日を避けられる |
| 落葉樹の下 | 向く | 夏は木陰、秋は日が差して色づく |
| 西向きの壁ぎわ | 不向き | 西日と照り返しで葉焼けする |
| 北側の日陰 | やや不向き | 枯れないが紅葉が鈍い |
植え付けは落葉期、芽が動く前に
落葉して休眠している十一月下旬〜三月上旬が植え付けの適期で、中でも寒さが緩む二月下旬〜三月上旬が最も根付きやすい時期です。モミジは芽が動き出すのが早く、三月中旬を過ぎると根を触ったときの傷みが大きくなるので、芽が赤くふくらむ前に済ませます。葉のあるポット苗は根鉢を崩さなければ秋まで植えられますが、真夏は避けます。
- 苗を選ぶ
- 幹に傷や割れがなく、枝が左右にバランスよく出ている苗を選びます。枝先が枯れ込んでいる苗は夏に水切れした跡なので避けます。
- 根を軽く広げる
- 落葉期の苗は根鉢の外側の根を指で軽くほぐして放射状に広げます。太い根は切らず、傷んだ根だけを切り落とします。
- 浅めに植える
- 根鉢の上面が地面と同じか、やや高くなる深さに置きます。深植えは根元が蒸れて枯れ込む最も多い原因です。
植え穴と土の作り方
植え穴は根鉢の直径の二〜三倍、深さは根鉢と同じかやや深い程度に掘ります。モミジは細い根が多く、水はけがよくて乾きすぎない土を好むので、掘り上げた土に腐葉土を三〜四割混ぜて戻します。元肥(植えるときに土へ混ぜておく肥料)は控えめに、緩効性の粒状肥料をひとつまみで十分です。粘土質の庭では周囲より一〇センチほど高く盛って植えます。
- 腐葉土を多めに混ぜる
- 掘った土の三〜四割を腐葉土にして、林の土に近づけます。肥料は少量にして、根に直接触れないよう土と混ぜます。
- 水極めで根と土を密着させる
- 土を半分戻したところでたっぷり水を注ぎ、泥状にして棒で軽く突き、隙間をなくしてから残りの土をかぶせます。
- 支柱で幹を固定する
- 高さ一メートルを超える苗は、風で根が揺れると細根が切れます。斜めに支柱を添えて麻ひもで八の字に結び、二年は外しません。
- 株元を覆う
- 植え終わったら腐葉土かバークチップを厚さ五センチ敷き、乾燥と地温の上昇を防ぎます。幹には触れないように空けます。
鉢植えにする場合の鉢と土
枝垂れ性や矮性の品種はベランダの鉢植えに向きます。苗の根鉢より一回り大きい六〜七号の鉢に、赤玉土小粒六、腐葉土三、軽石一の配合か、市販の花木用培養土で植えます。鉢底には軽石を二センチほど敷きます。鉢植えは乾きが早く葉焼けもしやすいので、夏の置き場所を先に決めてから鉢の大きさを選びます。
| 鉢の大きさ | 向く苗 | 植え替えの目安 |
|---|---|---|
| 6号(直径18センチ) | 高さ30〜50センチのポット苗 | 翌年の2月に7号へ |
| 8号(直径24センチ) | 高さ50〜100センチの株 | 2年に1回の根の整理 |
| 10号以上 | 枝垂れ性の成木 | 2〜3年に1回、根鉢の外側を削る |
植え付け直後にうまくいかないときの手当て
落葉期に植えた株が四月になっても芽を出さないときは、枝を指で曲げてみて、しなやかに戻れば生きているので五月まで待ちます。芽が出たのに五月に葉がしおれるのは、根がまだ水を吸えないのに葉が水を使い始めたためで、朝に葉を触って張りがなければ夕方にたっぷり水をやり、葉水もかけます。それでも戻らないなら根鉢と土に隙間があるので、根元を軽く踏んで水極めをやり直します。
植えた年の夏に葉の縁が茶色く焼けるのは珍しくありません。焼けた葉は戻りませんが、枝が緑なら秋まで水を切らさず、翌年からは寒冷紗で西日を遮ると焼けなくなります。
- 枝を曲げて確かめる
- 枝の先端を指で曲げ、緑色でしなやかなら生きています。乾いて折れる枝は、緑の部分まで切り戻します。
- 葉が垂れたら葉を減らす
- 水をやっても葉が戻らないときは、枝先を三分の一ほど切って葉の量を減らし、根の負担を軽くすると持ち直しやすくなります。
モミジの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
モミジの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はモミジの育て方にまとめています。
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