切る時期と切っていい枝を先に決める
モミジは芽が動き出すのが早く、二月に入ると切り口から樹液がにじんで枯れ込みの原因になります。剪定は葉が落ちてすぐの十一月下旬〜十二月が適期です。切っていいのは鉛筆より細い枝で、直径二センチを超える枝を切ると傷が塞がらず、そこから幹まで枯れ込むことがあります。太い枝を整理したいなら数年かけて細い枝の段階で少しずつ減らします。
| 時期 | できること | 避けること |
|---|---|---|
| 11月下旬〜12月 | 混んだ枝を付け根から抜く、樹形を整える | 直径2センチ以上の枝を切る |
| 1月〜2月上旬 | 枯れ枝の除去だけ | 強い切り詰め |
| 2月中旬〜4月 | 何もしない | 樹液が出て枯れ込む |
| 6〜7月 | 伸びすぎた新枝の先を摘む、葉すかし | 太い枝を切る |
花や実を付けたまま切っても問題ありませんが、実が多いと翌年の芽が弱るので、六月に実の房を落としておくと枝がよく育ちます。
枝を抜く剪定の手順
モミジの美しさは横に広がる自然な枝ぶりにあり、刈り込んだり切り詰めたりすると枝先が箒のように細かく分かれて台なしになります。基本は不要な枝を付け根から抜く間引きで、株全体を見て、上に向かって勢いよく伸びる枝、内側に向かう枝、交差する枝を元から切ります。一度に抜くのは枝の二〜三割までにして、数年かけて形を整えます。
- 立ち枝を付け根から抜く
- 枝の途中から真上に向かって勢いよく伸びる枝は、樹形を乱し養分も奪います。付け根のふくらみを残して切ります。
- 内向きと交差する枝を抜く
- 幹の中心に向かう枝、二本がこすれ合う枝は付け根で落とします。こすれた傷から病気が入ります。
- 枝先の分岐を整理する
- 枝先が三本以上に分かれている場所は、外向きの二本を残して真ん中の枝を抜きます。二又を基本にすると自然な枝ぶりになります。
- 切り口に癒合剤を塗る
- 直径一センチを超える切り口には必ず癒合剤を塗ります。モミジは傷が塞がりにくいので、細い枝でも塗っておくと安心です。
枝垂れ性と鉢植えの整え方
枝垂れ性の品種は枝が下に垂れて重なるので、内側の枝を抜いて風を通し、地面に付く枝先を軽く切ります。切り詰めるときは必ず外向きの芽の上で切り、枝が外へ流れるようにします。鉢植えは大きくしたくないので、十二月に伸びすぎた枝を二〜三節残して切り、六月に新枝の先を摘んで節を詰めます。摘心(枝の先端の芽を摘んで伸びを止めること)で葉が小さくそろい、盆栽のような姿になります。
| タイプ | 冬の剪定 | 夏の手入れ |
|---|---|---|
| 庭植えの大木系 | 細い枝を抜くだけ | 触らない |
| 枝垂れ性 | 内側の枝を抜き、地面に付く先を切る | 混んだ葉を軽く透かす |
| 鉢植え・矮性 | 伸びた枝を2〜3節に詰める | 6月に新枝の先を摘む |
夏の葉すかしと新枝の摘み方
六〜七月に葉が茂りすぎて内側が暗くなったら、重なった葉を葉柄の付け根で摘んで風と光を通します。これを葉すかしと呼び、内側の枝が枯れるのを防ぎ、秋の紅葉が全体に回ります。同時に、他より明らかに長く伸びた新枝の先を二〜三節残して摘むと、そこから出る枝が細かく分かれて枝ぶりが整います。八月以降は触らず、秋の紅葉に備えます。
- 重なった葉を摘む
- 枝の内側で二枚以上重なっている葉を、葉柄の付け根から指で摘みます。枝先の葉は残して、内側だけを透かします。
- 長い新枝の先を摘む
- 六月中に、周りより一・五倍以上長い新枝を見つけたら、二〜三節残して先端を切ります。七月以降に摘むと秋までに枝が固まりません。
切ったあとに枯れ込んだときの原因と直し方
切った枝の先が茶色く枯れ込んで下へ進むのは、太い枝を切ったか、切る時期が遅くて樹液が出たか、切り口に癒合剤を塗らなかった場合に起きます。枯れ込みが止まる位置を見きわめて、健全な緑の部分まで切り戻し、切り口に癒合剤を塗ります。枯れ込みが幹まで達していたら、そこから上は諦めて、幹の下から出る新しい枝で樹形を作り直します。
- 枯れ込みの境目を見つける
- 枝の皮を爪で少し削り、茶色く乾いた部分と緑の部分の境目を探します。境目より五センチほど下の、緑の部分で切り戻します。
- 十二月にやり直す
- 枯れ込んだ枝の切り戻しも、芽が動き出す前の十二月に行います。春に切ると同じことを繰り返します。
- 翌年は細い枝だけにする
- 枯れ込みを経験した木は、翌年から鉛筆より細い枝だけを切る、必ず癒合剤を塗る、の二つを守ります。
剪定で樹形を作るときの考え方
モミジは幹が一本立ちの姿と、根元から数本の幹が立つ株立ちの姿があります。株立ちは幹を三〜五本残して、他の細い幹を地際で切ると、それぞれの幹が横に枝を広げて涼しげな姿になります。一本立ちは幹の下三分の一の枝を数年かけて抜いて幹を見せると、枝の広がりが強調されます。どちらも一年で作ろうとせず、毎年十二月に少しずつ枝を減らして三〜五年で仕上げるつもりで取り組みます。
枝を抜くときは、離れて全体を見る、近づいて一本切る、また離れて見る、を繰り返します。近くで続けて切ると必ず切りすぎます。
- 株立ちは幹の数を決める
- 太さと向きを見て、残す幹を三〜五本選びます。細い幹と内側で交差する幹を地際で切り、切り口に癒合剤を塗ります。
- 一本立ちは下枝から抜く
- 幹の下三分の一から出る枝を、毎年一〜二本ずつ付け根から抜きます。一度に全部抜くと幹に日が当たって幹焼けを起こします。
モミジの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
モミジの上手に育てるコツは作物ページに
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