肥料も水もほとんど要らない
菊芋は道ばたでも育つほど丈夫で、家庭菜園でいちばん失敗するのは世話をしすぎることです。肥料を足すと茎と葉ばかり大きくなり、三メートル近くまで伸びて風で倒れます。芋の付きもかえって悪くなります。
露地に植えたなら、植え付け直後をのぞいて水やりは要りません。真夏に葉が日中しおれても、朝に戻っていれば問題ない状態です。夕方まで垂れたままなら、そのときだけ株元に水を与えます。
| 場面 | 肥料 | 水やり |
|---|---|---|
| 畑に植えた株 | 基本は無し。やせ地なら春に堆肥少々 | 植え付け直後だけ。あとは雨まかせ |
| 容器で育てる株 | 春に一度だけ緩効性肥料をひとにぎり | 表面が乾いたら底から流れるまで |
| 背が伸びすぎた株 | 以後は足さない | 控えめにして茎を締める |
追肥(育ちの途中で足す肥料)はしなくて構いません。葉の色が薄くなっても、菊芋は芋を太らせる力を持っています。
水やりは植え付け直後だけ
種芋を植えたあとは、土と芋を密着させるために一度たっぷり水を与えます。それ以降は芽が出るまで乾かしぎみで構いません。土が湿ったままだと種芋が腐り、芽が出ないまま終わります。
芽が出てからは根が深くまで伸び、自分で水を探します。梅雨が明けて二週間以上雨がない年でも、露地の株なら枯れることはまずありません。心配なら朝に株元へ与え、日中の水やりは避けます。
- 植えた日に一度たっぷり
- 土と種芋をなじませるため、株元に静かに水を与えます。強く注ぐと土がえぐれて芋が浮くので、ジョウロの口を低くします。
- 芽が出るまでは乾かしぎみ
- 植えてから芽が出るまでの三週間ほどは水を足しません。湿りすぎが芋を腐らせるいちばんの原因です。
- 夕方も葉が垂れたら与える
- 日中のしおれは正常です。夕方になっても葉が垂れたままなら乾きすぎなので、朝に株元へたっぷり与えます。
容器で育てるときだけ水が要る
容器の土は量が少なく、真夏には一日で乾きます。背の高い菊芋は水を吸う量も多いので、七月から九月は毎朝、土の表面を触って確かめます。乾いていれば底穴から流れ出るまで与えます。
容器は四十リットル以上、深さ三十センチ以上あるものを選びます。小さい容器では乾きが早いうえ、芋の入る場所がなく、収穫が数個で終わってしまいます。
- 朝に土を触って決める
- 指を第一関節まで差し込み、湿り気があれば見送ります。乾いていたら底から流れ出るまで与えるのが目安です。
- 受け皿の水は捨てる
- たまった水に根が浸かると芋が腐ります。流れ出た水はそのつど捨て、受け皿を置かない方が安全です。
- 肥料は春の一度だけ
- 植え付け時に緩効性肥料をひとにぎり混ぜれば足ります。夏に足すと背丈ばかり伸び、容器ごと倒れます。
草取りと敷きわらで手を減らす
菊芋は初夏には人の背丈になり、株元が日陰になって草が生えにくくなります。手がかかるのは五月から六月の、まだ株が小さい時期だけです。この時期に株元の草を抜いておけば、あとは放っておけます。
株元に敷きわらや刈った草を敷くと、草を抑えつつ土の乾きも防げます。土寄せ(株元へ土を寄せること)は必須ではありませんが、倒れやすい株には効き目があります。
- 五月に一度草を抜く
- 株が三十センチほどのころ、株元の草を手で抜きます。この一回で、あとは菊芋の葉が日をさえぎってくれます。
- 刈った草を株元に敷く
- 抜いた草をそのまま株元に敷けば、乾きと草の両方を抑えられます。茎に直接触れないよう少し離して置きます。
- 倒れやすい株は土を寄せる
- 株元がぐらつくなら、周りの土を五センチほど寄せて固めます。根が張り直して支えが強くなります。
肥料をやりすぎたときの直し方
葉が濃い緑で大きく、茎が太いのに芋がほとんど付かない。これは肥料が多すぎるときの典型です。すぐに元へは戻せませんが、その年のうちにできる手当てはあります。
以後の追肥をすべて止め、水も控えめにします。背丈が伸びすぎているなら先端を切って高さを抑え、風で倒れるのを防ぎます。翌年は同じ場所に肥料を入れないことがいちばんの対策です。
- 肥料を足すのをやめる
- 気づいた時点で以後の施肥を打ち切ります。土に入った分は減らせませんが、上乗せしないだけで秋の姿が変わります。
- 先端を切って背を抑える
- 一メートル半ほどのところで先端を切ります。摘心(先端を摘んで背丈を抑えること)にあたる作業で、倒れにくくなります。
- 水を控えて茎を締める
- 容器なら水やりの回数を減らします。乾きぎみに育てると茎が締まり、養分が地下の芋の方へ向かいます。
様子がおかしいときの切り分け
葉が黄色い、途中で伸びが止まった、株がぐらつく。菊芋で起きる不調は数が少なく、水はけ・肥料・風の三つを順に確かめれば大半は説明が付きます。
- 下葉から黄色くなる
- 夏の終わりなら自然な老化です。梅雨どきに急に進むなら水はけを疑い、株の周りに溝を切って水を逃がします。
- 葉が濃く芋が付かない
- 肥料過多です。以後の施肥を止め、水も控えます。翌年は同じ場所に肥料を入れずに育てます。
- 伸びが途中で止まった
- 容器の土が少ないか、根が底で行き止まりです。翌年はもう一回り大きく深い容器に移し、一株だけ植えます。
- 株が風でぐらつく
- 支柱がないか浅いかです。株元に土を寄せて固め、支柱を土へ四十センチ以上差し込んで結び直します。
菊芋の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
菊芋の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は菊芋の育て方にまとめています。
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