掘りどきは葉が枯れてから
菊芋の芋が急に太るのは、花が終わってから地上部が枯れるまでの間です。九月や十月に掘っても小さな芋しか取れません。葉が黄色くなって茎が茶色く枯れ、株全体が倒れてきたころが掘りどきの目安です。
関東の露地なら十一月から掘り始められます。霜が何度か降りて地上部が完全に枯れてからにすると、芋がしっかり太っていて味も濃くなります。掘るのが遅れても品質は落ちません。
| 時期 | 株の姿 | すること |
|---|---|---|
| 10月 | 花が終わり葉が黄ばむ | まだ掘らない。芋が太る途中 |
| 11月〜12月 | 茎が枯れて茶色く倒れる | 掘り始めどき。食べる分だけ掘る |
| 1月〜2月 | 地上部が無い | 土の中で貯蔵。必要な分を掘る |
| 3月 | 芽が動き始める | 掘り切る。中身がすかすかになる前に |
土の中がいちばんの貯蔵庫
菊芋は掘り上げると急速にしなびますが、土の中に置いておけばみずみずしいまま春まで持ちます。一度に全部掘らず、食べる分だけそのつど掘るのが、家庭菜園でいちばん賢い使い方です。
掘る場所の目印として、枯れた茎を地際から十センチほど残しておきます。雪が積もっても株の場所が分かり、真冬でも掘り出せます。土が凍る地域では、株の上に落ち葉やわらを厚く敷きます。
- 枯れ茎を目印に残す
- 地際から十センチほど茎を残して刈ります。雪や落ち葉の下でも株の位置が分かり、冬の間も掘れます。
- 必要な分だけ掘る
- 株の外側から少しずつ掘り、使う分を取り出したら土を戻して埋め直します。残した芋はそのまま持ちます。
- 凍る地域は落ち葉を敷く
- 土が深く凍る地域では、株の上に落ち葉やわらを十センチほど敷きます。凍って掘れなくなるのを防げます。
翌年その場所で作らないなら、三月までに全部掘り切ります。小さな芋一片でも残れば、翌年そこから生えてきます。
掘り方の手順
菊芋の芋は株の真下だけでなく、地下の茎をたどって五十センチ近く離れた場所にもできています。株のすぐ脇にくわを入れると芋を割ってしまうので、外側から回り込むように掘り進めます。
掘るのは晴れて土が乾いている日にします。ぬれた土では芋に土がこびりつき、洗うと傷みが早まります。乾いた土なら軽く払うだけで落ち、そのまま保存に回せます。
- 枯れた茎を刈る
- 掘る前に地上部を刈って作業しやすくします。刈った茎は太くて硬いので、細かく切ってから処分します。
- 外側から掘り進める
- 株の中心から五十センチ離れた場所にくわを入れ、内側へ向かって掘ります。株の脇に直接入れると芋を割ります。
- 手で土をかき分ける
- 芋が見えてきたら道具を置き、手で土をかき分けて取り出します。芋は皮が薄く、道具が当たるとすぐ傷が付きます。
- 土は払う程度に
- 洗わずに、乾いた土を手で払うだけにします。洗った芋は傷みが早く、数日で表面が黒ずみます。
掘り上げた芋は乾燥にとても弱い
菊芋はジャガイモと違って皮が薄く、掘り上げると空気中の乾きにさらされて一日か二日でしなびます。しなびた芋は食感が悪くなり、味も落ちます。掘ったらすぐ、乾かさない置き方に移します。
湿らせた新聞紙で包んで袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に置くのが手軽です。それでも二週間ほどが限度なので、長く持たせたいなら掘らずに土の中へ置いておくのがいちばんです。
| 状態 | 置き方 | 持つ期間 |
|---|---|---|
| 土の中に置いたまま | 枯れ茎を目印に残しておく | 十一月から翌三月まで |
| 掘って冷蔵する | 湿らせた新聞紙で包み袋に入れる | 二週間ほど |
| 掘って室内に置く | しなびるので勧められない | 一日か二日 |
| 下処理して冷凍 | 薄く切って軽くゆでてから冷凍する | 一か月ほど |
食べ方と食べ過ぎへの注意
菊芋はでんぷんではなくイヌリンという成分を蓄えています。しゃきしゃきした食感で、生のまま薄切りにしてサラダにでき、みそ漬けや炒め物、揚げ物にも向きます。皮は薄いのでむかずに使えます。
ただしイヌリンは体内で消化されにくいため、慣れないうちに一度にたくさん食べるとおなかが張ったり、ガスがたまったりします。初めは小鉢一杯ほどから始め、体の様子を見て量を増やします。
- まずは少量から試す
- 初めて食べるときは小鉢一杯ほどにします。おなかが張るようなら量を減らし、日をあけて少しずつ慣らします。
- 生の薄切りが手軽
- 皮ごと薄く切って水にさらし、サラダや酢の物にします。しゃきしゃきした歯ざわりが持ち味です。
- 火を通すとやわらかく
- きんぴらや天ぷら、みそ汁の具にも向きます。加熱すると甘みが出て、生とは別の味わいになります。
- 洗うのは使う直前に
- 保存中は土を付けたままにします。洗ってから置くと表面が黒ずみ、傷みが早まります。
収穫でつまずいたときの切り分け
芋が小さい、数が少ない、しなびた、中がすかすか。菊芋の収穫で起きる不満はこの四つに集まり、それぞれ原因がはっきりしています。次の年で取り返せるものばかりです。
- 芋が小さく数も少ない
- 掘るのが早すぎたか、株間が詰まっていました。葉が枯れるまで待ち、翌年は株間を六十センチ以上とります。
- 掘ったら一日でしなびた
- 乾燥です。掘ったその日に湿らせた新聞紙で包み、冷蔵します。長く持たせたい分は掘らずに土へ残します。
- 中がすかすかで軽い
- 春まで置きすぎて芽に養分が回りました。三月までに掘り切るか、芽が動く前に使い切ります。
- 掘っても掘っても出てくる
- 地下の茎が広がっています。半径五十センチまで掘り、翌春の芽も小さいうちに抜いて数年かけて減らします。
菊芋の収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
菊芋の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は菊芋の育て方にまとめています。
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